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史上最長片道切符の旅11日目では、主に山口県と広島県を移動します。
山口県の北部、萩市から、山陰本線を東に進んで島根県に入ります。益田で山口線に乗り換え、津和野を経由するとまたすぐに山口県に戻ります。小郡(現・新山口)からは山陽本線をひたすら東へと進み、徳山、岩国、広島などこのあたりの主要都市を通ったのち、東広島市の西条駅付近に泊まります。
今回は第11回目の最終回です。岩国から山陽本線をひたすら東へと進み西条駅まで移動します。
今回通る区間は全般的に広島市近郊の郊外住宅地となっており、広島駅まで1時間以内で移動できてしまいます。岩国からしばらくは、線路の北西側には山が迫り、その斜面を切り開いた新興住宅地が延々と続きます。半面、南東側には埋立地に造られた工場群が軒を連ねますが、所々で海が開け、優美な瀬戸内海の景色が顔をのぞかせる風光明媚な車窓です。
厳島神社の玄関口、宮島口駅からは広電の路面電車と並走します。広電はこ停留所にこまめに停車し、運賃が安く、さらに紙屋町などの中心市街地へと乗り換えなしで移動できます。対するJR山陽線は駅間が長く、広電よりも早く移動できるということで、うまく棲み分けができています。
廿日市市の大野浦駅から先は、日中でも15分に1本電車が運転されており、完全に都市鉄道の趣を呈します。沿線は北も南も住宅地が広がり、日々多くの通勤客を運ぶ区間です。市電や新交通システム(アストラムライン)との連絡がある西広島、横川、新白島で人の入れ替わりがあり、再開発の進む広島駅では多くの利用者が降りていきます。
1970年代前半まで、広島近郊の山陽本線は本数が非常に少なく、日中は1時間に1本が基本でした。しかし1982年に「シティ電車」と銘打った増発が試験的に行われ、本数が大幅に増えたことから国鉄の利用者が一気に増加します。この成功を受けて、福岡や札幌など他の大都市でも列車本数が増やされ、今のJR大都市近郊のダイヤの礎となしました。
広島駅以東も住宅地が広がりますが、途中の府中町や海田町などの臨海部では再び工業地帯の趣が増します。これらの自治体は小さいながら、住宅地に加えてこうした工場からの法人税収入があるため、財政が非常に安定していることで知られ、広島市と合併することなく独立を貫いています。
海田市駅を抜けると、山陽本線は瀬野川により形作られた谷筋を進んでいきます。この辺りの山の斜面にも広大なニュータウンが形成されており、瀬野駅の近くにある「みどり坂団地」には「スカイレール」という世界的にも珍しい形態の、モノレールのような新交通システムが延びていることで有名です(2024年4月末で廃止予定)。
広島市と東広島市との市境にある「大山峠」では、開発も難しいような峠道に入っていきます。並走する西国街道(山陽道)の難所として江戸時代から知られており、鉄道に置き換わった今でも、日本でも有数の鉄道の難所「瀬野八」として知られています。隣の八本松駅までのおよそ10kmに亘って22.6‰(1000m進むごとに226m標高が上がる)の急勾配が連続している区間で、明治時代に日清戦争の物資輸送に鉄道が欠かせなかったため、急坂ながらも最短経路になるようやむを得ず線路が通されました。
山陽本線は東京・大阪と九州を結ぶ貨物列車が頻繁に通っており、26輌もの貨車を繋げた重たい貨物列車は、先頭の機関車だけでは瀬野八の急勾配を登ることはできません。そのため広島貨物ターミナル~西条では、最後尾にもう1輌補助の機関車(補機)を繋げて、後ろから押してもらうことで勾配を克服しています。
峠を登り切った先にある東広島市も広島市のベッドタウンですが、工業団地があったり、広島大学が立地していたりと、独自の立ち位置を持っています。また西条駅近くには古くからの酒蔵の町並みが広がっているほか、世界的な小売業者であるダイソー(大創産業)の本社も立地していることで知られています。
少子化が深刻化している現在でも人口が増え続けている都市で、20万人近くの人口を有します。近年も開発が進んでおり、2017年には寺家駅も開業し、ますます便利な街になっています。
この動画では、フリー動画サイト「DOVA Syndrome」からダウンロードした以下のBGMを利用しています。
(作曲家名は敬称略)
轍は続くよどこまでも的なBGM 作曲:鷹尾まさき(タカオマサキ)
https://dova-s.jp/bgm/play13534.html
天駆ける船 作曲:G-MIYA
https://dova-s.jp/bgm/play1870.html
超特急ライン 作曲:もっぴーさうんど
https://dova-s.jp/bgm/download2260.html
Let's! 作曲:カワサキヤスヒロ
https://dova-s.jp/bgm/play8503.html
World Heritage 作曲:雨宮
https://dova-s.jp/bgm/play3881.html
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日本は世界有数の鉄道大国です。鉄道を愛好する人の数も世界と比べて圧倒的に多く、桜が咲き誇る時期にも、雪に閉ざされる季節にも、多くの「鉄道ファン」たちが全国に足を延ばし、各地で汽車旅を楽しみます。
そんな「鉄道ファン」の間で、究極の鉄道旅行とされているものが「最長片道切符の旅」と呼ばれるものです。
JRでは、ルートが1本の線になっていさえすれば、基本的にいくらでも経路の長い乗車券を買い求めることができます。そのルールをもとに、理論上考えられる最長の経路となるものが「最長片道切符」と呼ばれる切符です。
1枚の切符で、日本列島の北から南までいろいろなところを巡りながら旅をすることができ、毎年多くの鉄道マニアがこの切符を買って旅行をしています。
現在、最長片道切符の経路の長さはおよそ1万キロです。しかし時代をさかのぼれば、JR、そしてその前身である国鉄は今よりはるかに多くの路線を持っており、もっと長い距離を1枚の切符で乗ることができていました。最もその経路が長かったのは、1982年6月23日から同年6月30日までの間です。鹿児島県の枕崎駅から、九州、本州、四国、また本州に戻り、東北地方を北上して北海道の様似駅まで、総延長13423.7キロメートル。極東のロシア・ウラジオストクから、ユーラシア大陸の最西端、ポルトガルのロカ岬まで行けてしまう長さです。
今回私は、この「史上最長片道切符」のルートを全てたどる旅を行います。途中には廃止された路線を通る区間もあるので、すべてを鉄道でたどることはできません。そういった区間では、並行して走っているバスに乗ります。ところどころ存在する、バスすら廃止されてしまった区間では、徒歩で移動することもあります。
1982年から2022年、40年の月日がたち、「史上最長片道切符」の沿線地域の交通事情は大きく変化しました。その時代の流れを皆様にご紹介しながら旅をしていきます。
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