不動産市場に大きな影響を与えそうな事件が、国内・海外で立て続けに起きています。昨今の動きはいつになく大胆で、やはり時代は「令和」に入り世界は大激動。消費増税の影響は言うに及ばず、インフレに伴う景気悪化や金利上昇を念頭に置いておいたほうがいいでしょう。
原発・リニア・オリンピック・IR(カジノ)
まずは国内政治。「桜を見る会」の問題では、野党から名簿の提出を求められた日の午後にシュレッダーにかけるとか、野党から確認作業を求められた内閣府官僚が「分かりました」と回答したにもかかわらず「趣旨は理解したが必ずやると承諾したわけではない」と説明するなど、高学歴のエリートが子供の言い訳にもならないグダグダの対応。
IR=統合型リゾート関連を巡る汚職事件では、複数の現職国会議員が賄賂を受け取ったとの報道。これまでのいくつかの案件を考えれば、検察がこのように積極的に動くといったことは現政権体制では考えにくかったことです。
また、2000年に森喜朗内閣が発足して以降、民主党への政権交代の時代をのぞけば、小泉・安倍・福田・麻生・そして再び安倍氏と、ずっと清話会が支配してきたところ、小泉進次郎氏のスキャンダルが暴露されるといった流れも、かつてになかったことです。
さらに昨年には、高浜原発を巡る関電を巡る汚職事件が取りざたされ、リニアの線路工事について川勝県知事が猛反発。東京オリンピックではマラソンなどが札幌開催に変更になる、放射能五輪だと韓国から茶々を入れられる、伊藤詩織さんが民事裁判で勝訴するなどの一連の流れは、全体が同じ文脈でつながっており、いよいよ地殻変動が起きたのだなと思わせます。つまりはこの国の明治維新以降の「大きな物語」が崩れつつあるというわけです。
海外情勢を見渡せば、アメリカが、イラン革命防衛隊のソレイマニ司令官を殺害した軍事作戦を行いました。これはまず、アメリカとイランという二国間の対立として見ていると見立てを誤ります。ソレイマニ氏はあくまで「革命防衛隊」の所属であり、イラン軍所属ではなく、かつてドイツに、ドイツ軍と別にナチスの軍隊があったのと同じようなものです。世界情勢は何事も、国家間の争いだとみているとわからなくなります。その実態は、どの国もすべて一枚岩ではなく、紅組・白組、Aチーム・Bチームがいるのです。
トランプ政権は、かつてのブッシュ・オバマあるいはクリントン的なアメリカのAチーム体制を打破するべく誕生したもの。Aチームの基本構想は「ドルと金融、そして軍事による世界覇権」。対してトランプは「ドルや軍の世界からの引き上げ。その背後にある金融をつぶし、ローカル国家に戻る」です。だからこそ対米貿易では圧倒的な黒字をたたき出している日中に対し、厳しく貿易赤字を削減交渉したり、革命防衛隊の司令官を殺害したりしているのです。
そもそも日本がアメリカに対し、なぜ長らく一方的な貿易黒字を続けることができたのか。普通に考えればこんなことは持続不可能な話です。それは、日本が自動車輸出などの貿易で儲けたマネーを、米国債購入などを通じて還流させる仕組みがあったからこそ。そのマネーは、米金融市場や軍事に利用されるわけです。よく「日本はアメリカ51番目の州だ」とか「日本はアメリカの属国だ」などと言われますが、何もアメリカが一方的に日本をいじめたり利用してきたのではなく、日本国内にもそれを良しとして利用してきた向きもあり、双方持ちつ持たれつだったというわけです。トランプ政権でその構図が崩れたにもかかわらず、相変わらず従来構図を続けようとして無理が生じ、ひっくり返されようとしているのが国際的にいえば、原油を通じてアメリカとつながっていたサウジ、軍事を通じてアメリカと結びついてきたイスラエル、そしてマネーを通じてアメリカと結びついてきた日本なのです。
もっともアメリカも一枚岩ではなく、中東にはトランプの言うことを聞かない軍もいます。トランプはさっさと撤退したいのですがいうことを聞かないので、イラン革命防衛隊司令官の事件を起こし、イランに残留米軍を攻撃させよう、いやなら撤退しろというわけなのです。そしてその先にはイスラエルつぶし、正確にいえばネタニヤフつぶしを目論んでいるはずです。こうして各国のAチームつぶしの一環として、様々な動きが起きているわけです。最も強力な軍事力を有しているのは、ステルス戦闘機「スホイ57」や、マッハ25以上で極超音速兵器「アバンガルド」を持つロシアですが、トランプ的アメリカとロシア、そしてイランは組んでいるとみるべきでしょう。要はイスラエル包囲網です。
中東情勢は、米軍が撤退する、イスラエルが降参するなどしてソフトランディングになるか、あるいは聖書の世界のように最終戦争のようにハードランディングになるかはまだわかりません。短期的には「円高」「株安」「原油高」「金高」「仮想通貨高」といった展開になっており、長期化すれば原油高がインフレを招来する可能性があり、そうなると日銀の政策に影響を与える展開にもなりえます。既に長期金利は昨年9月から上昇に転じており、不動産市場は金利に敏感に反応します。
さらにその先には何が待ち受けているか。
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