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■皇室映像を宮内庁担当記者が解説する。新見多一(皇室担当デスク)×水原恵理(「皇室の窓SP」。
■上皇后さま91歳の誕生日映像を読み解く
□ご夫妻の住まいで玄関入ってすぐのホールで映像は始まる。多くの客を出迎えられ思い出が詰まった場所だ。後ろにある静物画は永地秀太『静物』だ。ご夫妻の視線の方向には後に映像で出てくる吉岡堅二の屏風『飛翔』がある。屏風のある部屋が「鶴溜り」と呼ばれるゆえんだ。今回の皇室ちょっといい話では、そのような「映り込み」の持つ意味を探りながら収録した。
□しかし、映像を何度も見ると、特筆すべきは映り込んだ物ではなく、その構図にあったというべきであろう。冒頭から1分程度過ぎたあたりのご夫妻の映像が多くを物語る。上皇さまが手前に、上皇后さまが後ろにおさまっている。誕生日で本来主役であるはずの上皇后さまが後ろなのである。上皇さまを66年間支え続けた91歳の上皇后さまの思いが宮内庁担当記者には伝わってくる。柔和な表情で上皇さまを見つめられる上皇后さまとの距離感は、直近10年間の誕生日映像でもっとも近い。宮内庁が提供する「近影」はよくよく考えて撮影されるものだ。ご夫妻の了解なしに公開されることはない。この構図が上皇后さまの考えるおふたりの関係なのであろう。
□「異変」をもう1つ紹介すると、撮影日時であろう。何事にも上皇ご夫妻の準備は早い。周囲の負担は軽くなる。例年であれば1カ月ほど前もって撮影していたが、約10日前の文字通りの近影である。上皇后さまが骨折をされた去年から、ご体調を考えたベストな撮影日時が探られるようになった。
■ご近況文書を読み解く
□「今年のお出ましは数えるほどでした」とあるのが目を引く。上皇后さまの現状について率直に書かれている。「体調については心配してくれる国民に率直に」という上皇さまのお気持ちと同じである。
□唐突に最近読んだ絵本が出てくる。ワファー・タルノーフスカの絵本『シリアの秘密の図書館』を最近「お求めになり、お読みになった」とある。上皇后さまのもとには本をはじめ多くの品々が日々送られてくる。わざわざご自身で「お求め」になって、「お読みになった」と触れている。この絵本は、本を読むことの大切さ・知識の有益さ・連帯することの力を理解させる。実際にあった話がもとになっているということだ。「本が集まる図書館」秘密結社は、様々な思想・言論が集まる場の大切さを訴える内容である。イスラエルによるガザ侵攻や、日本にとって今年が戦後80年であることを考えるとまさに時宜にかなった書物の「推し」であろう。上皇后さまならではのメッセージ性がはっきりと伝わる。
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上皇后さま91歳の「誕生日映像」と宮内庁公表の「ご近況文書」を読み解く動画説明欄【皇室ちょっといい話】(218)
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