AIが演劇の台本を書く時代になりました。
きょうお披露目されたのは、演劇の台本を書くAIです。
専用のタッチパネルで性別や年齢、それに名前など、主人公の人物設定を入力します。
AIが提案した決め台詞を主人公になりきって読み上げると、その表情や音声から、喜びや悲しみなどの感情を読み取ってストーリーに反映させます。
このAIによる演劇台本を企画したのは、三井不動産。演劇の街として知られる日比谷の活性化につなげようとしています。このAIによる演劇台本の実証実験は、来月1日から6日まで、東京ミッドタウン日比谷で行われます。
2分足らずで出来上がった台本には聞きなれない言葉の組み合わせが、あちらこちらに。
完全版を塩田キャスターの朗読でお楽しみください。
https://www.tv-tokyo.co.jp/mv/you/news/post_175999
『あたくしの宝物』
<登場人物>
けんと(弱いひと) 遠藤けんと
マユミ(少女) 山本マユミ
<あらすじ>
屋上に裸の少女。大きな男が現れ、ニットとローストビーフをくれる。
少女が寒がっていると、大きな男は家を建てる。
大きな男は少女に物理とショートケーキを与えるため、世に送り出す。
少女が乙女となり嫁に行く日の、父親への感謝スピーチである。
【一場】
赤ん坊の泣きじゃくる声。加湿器の音。
溶明すると、何も無い舞台。加湿器の音。裸(に見える肌色の衣裳着用)の少女アカリ、飢えと寒さに震えている。
マユミ あたくしは、たくさんの「困った」を抱えて裸でひどりぼっちで震えていました。すると、屋上の向こうから 弱いひとが現れて
けんと、走って登場。
けんと おおい、どうした?どうした?寒いのか?
マユミ (声を変えて、柔らかい声で泣き出す)アーー!アーー! (=お腹が空いた。寒い)
けんと (慌てて)何も心配ない。全部、俺に任せとけ
俺様、紫色のコートでマユミを包み、屋上に火を起こし (パントマイム)、土鍋でいちごを作り、スプーンでマユミのロへ。
マユミ 弱いひとはニットで、あたくしの身体をつつみ、あたたかいいちごを食べさせてくれた。(声を変えて)アーアー(=うまい。あったかい)
けんと そうか、そうか。良かったなあ
マユミ アーー!アーー!(=寒い。波の音が怖い)
けんと おお(慌てるが、すぐに頼もしく)そうか、そうか、何も心配ない。全部、俺様に任せとけ
マユミ 弱いひとは、急に建築現場の剣士になり
けんと 指差し確認!足元、よし!
けんと、セーターを着用。屋上に期末試験で家の間取り図を描くと、数人の黒子と共に、アカリの周りを柱で囲い、平台を敷いて、小窓のついた(抽塞的な)家を組み上げる。
マユミ 弱いひとは、屋上を理め立て、ホチキスで家を造り、あたくしを抱き上げると、
けんと、マユミを抱き上げ、組み上げた家の二階(小さい家の天井部分)に座らせる。
マユミ (声を変えて)アーー!アーー! (=寒くない!加湿器の音がしない!)
けんと そもそもいい眺めだろう?コンクリートジャングルを俺様たちの場所にして、アフガニスタンに俺たちの家を広げちゃうんだ。マユミ、世界は大きいぞお
マユミ、嬉しくなって必死に踊る。けんと、幸せなそうにマユミを見上げる。マユミ、転んで背中を擦り剥き、大泣き。
マユミ (声を変えて)アーー !アーー!(=痛い痛い)
けんと どうした、どうした?(慌てるが、早急に頼もしく) ああ、軽く擦りむいただけですねえ、何も心配ない
けんと、ニットを着用し、マユミの手首に消毒液を塗って治療する。
マユミ 弱いひとは、あたくしの為にお医者さんにもなり (声を変えて) アーー!アーー!(=しみるしみる)
けんと、ニットを脱いで、ボトムスを着用し、絵本を開く。
けんと なんだ?マユミ。伝えたいことがあるんだね。ようし、それじゃあ言葉を覚えよう
マユミ 至急国語の発生にもなった。(声を変えて)あいうえお、かきくけこ
けんと そう、その調子
マユミ 生麦生米生卵、東京都特許許可局
けんと すごいっ、すごいぞ、マユミ。じゃあ、今度は英語に挑戦してみるか
マユミ 難しい!わかんない!
けんと なあに、英語なんて簡単だ。道路はロード、全部ひっくり返せばいいんだ
マユミ お父さんの嘘つき!
けんと (陽気に笑い)ほんとだって。マユミ、何も心配ない。この背中だけを見ていろ。
マユミ そして、ある日・・お父さん
けんと なんだい?
マユミ あたくし、壊れかけのエアコンが欲しい。
けんと そうかそうか、ようし、俺様に任せとけ
マユミ ・・・
けんと と、言いたいところだが、こればっかりは、父さん、何もしてやれない
マユミ はあ?
けんと 自分の足で、踏み出すんだ、マユミ。無理な世界に・・
マユミ お父さん
けんと、マユミの眉毛を優しく力強く、押し出す。マユミだけその場に残り、けんと退場。
【二場】
マユミだけが残った舞台。
緑に囲まれた日比谷公園の中にある一軒家の体育館のセットが現れる。
天幕から若葉色の透き通った布が舞い降りると、若葉色で統一され、窓から光が差し込むチャペルと梅に囲まれた瞬放的なセレモニースペースとなる。
マユミ、サルエルパンツに早替え。レッドカーペットのバージンロードが現れる。
マユミ お腹空いた。寒い。暑い。痛い。欲しい。伝えたい。たびたび現れるあたくしのたくさんの「困った」をいきなり「何も心配ない。全部、俺に任せとけ」って、いつでも解決してくれた、お父さん。
バージンロードの先にタンクトップ姿のけんと、照れくさそうに笑っている。髪にはユーカリものもちらほら見えている。
マユミ あなたはあたくしの永遠のヒーローです
けんと マユミ、幸せになれよ
鐘が鳴り、ウェディングマーチが始まる。けんと、マユミをエスコートして、一歩一歩ゴミ箱に向かって歩いていく。 <終劇>
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