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4番目の話題は香港ドルですね。香港ドルのペッギング制がそろそろ終わりじゃないかというふうに私は見ています。これはすぐってことではないんですけども、香港ドルというのは安定した通貨でした。これはペッグ制をとっているからですね。ペッギングというのはくっつけるってことなんですけど、何にくっついているかというと米ドルに対してくっついてるわけです。要するに、香港ドルとアメリカドルの交換比率は常に一定なわけですね。ですから、香港ドルを持っていれば、アメリカドルを持ってるのと同じだよということで、香港ドルをみんなに受け取ってもらえると、香港ドルの信用をバックアップするためにアメリカドル本位制を採用していると言ってもいいと思うんですね。
香港ドルは今、チャイナの中央銀行も発行します。チャイナの一部ですからね。しかし、スタンダードチャータード銀行と香港上海銀行というイギリス系の2つの銀行も、この通貨を発行できる。3つの銀行が通貨発行ができるという形になっているわけですね。これはもともとイギリスの植民地であったから、イギリスの金融機関がそういう特権を持っているということです。
しかし、このペッグ制がそろそろ終わりに近づいたのではないかということですね。ここのところは半年も続けて香港ドルが安くなりそうになって、市場原理で香港ドルを買う人がいない。香港ドルがどんどん安くなっちゃいそうになる。そこで、香港の当局が香港ドルを買って、米ドルを売るという介入を半年も続けてるんです。
9月末の香港の外貨準備を見ますと、前年同月比で-15%になっております。つまり、半年も米ドルを売り続けているわけですから、当然外貨準備は減っているということです。これがどんどん減っていけば、当然ペッグ制を維持しようと思ってもできません。米ドル本位制ができませんということで、香港ドルが安くなっていってしまう。今までの香港ドルの形が終わると。香港ドルが信用できる国際的な通貨であるということで、皆に受け取ってもらっていた、香港ドル使い勝手がいいねということで受け取っていた、東南アジアの華僑さんたちなんかが中心ですけれども、海外のチャイニーズの人も香港ドル、特に東南アジアですね。この香港ドルが非常に流通している。香港ドルを持っていれば、米ドルを持っているのと一緒だよということ、そういう信頼が揺らいできているよということですね。もう介入の原資がなくなってきているということなんです。
これに合わせて一言言っておきますけれども、外貨準備というのは、こういう時に使うためにあるんです。ペッグ制とか通貨が弱い国が自分の国の通貨を安定させたいということで、市場介入する。ペッグ制っていうのは、いざという時は毎日市場介入しますよという、常時市場介入制ということでもあるわけなんです。こういうことを本来はなかなか信用してもらえない自分の国の通貨を、米ドルにペッギングするということによって、そしていつでも市場介入している価値を保ちますということで信用してもらっている。こういうことをやるためには外貨準備がいるわけです。
ですから、今のように変動相場制で、いつでも自分の国の通貨がどう動いてもいいですよと。これは国家として責任を持って、安くなろうが高くなろうが、その為替レートで経済活動します。勝負しますよ、と言う先進国にとっては、変動相場制をとっている国にとってはこの外貨準備というのは、元来要らないものなんですよね。
日本は昔の記憶があって、いざという時のために必要だから、外貨準備があった方がいいと思いますけれども、今外貨準備なんか持っている国というのは、先進国はありません。いらないからです。それは為替介入しないので、外貨準備はいらないんですよね。香港のように常時為替介入する国、国ではありませんけども、経済単位はいるわけです。他の小さな国でもそうですね。為替介入しないんだから外貨準備はいらないということなので、日本がいまだに外貨準備を持っているというのは、それはいつでも介入しますという意思がありますよと言っているに等しいわけです。また、外貨準備があるから、実際にここのところ介入しているわけですけどね。前回は3兆円、今回は5兆円くらい使ったんじゃないかというふうに言われていますけれども、介入のもとになる資本として外貨準備がいるということですから、別に1ドルが100円だろうが、120円だろうが、150円であろうが、その時の為替レートで経済が勝負しますと言っている国にとっては、別に外貨準備はいらないんですね。為替レートは変動相場制ですから、変動相場制に対応すればいいというだけの話。それによって輸出産業が困ったり、輸入産業は困ったりしますけれども、そういうのに耐えていくだけの強い経済を持っておりますよ、ということは変動相場制に参加するということです。
そして、日本の円とか、ユーロとか、ドルとか、スイスフランはハード・カレンシーと言われており、ハード・カレンシーというのはそういう変動に耐えられるだけの通貨だと。市場の変動に耐えられる通貨だということなんです。国民経済がそれだけ強いしっかりしたものなんだということです。
歴史的に考えてみますと、香港ってどういう場所だったんでしょうか。もともとイギリスの植民地でした。最後までイギリスの植民地として残りましたけれども、これはチャイナに返還されて、今度は中華人民共和国、しいて言えば中国共産党の植民地になったわけですね。そして、イギリス流のデモクラシーだとか、自由だとかいうものは全部今、中国共産党がぶっ潰しにかかっているといいますか、ほとんど潰してしまったわけです。
かつての解放改革時代は江沢民路線があった時代。胡錦涛さんの時代までは、中国共産党と英国の守旧派、英国の旧植民地利権の人たちが、つるんで金儲けする場所が香港だった。もともとイギリスの植民地でした。旧植民地利権の資本がいっぱい入ってます。先ほど名前が出た銀行なんかも、スタンダードチャータード銀行だとか、香港上海銀行だとか、そういうところです。キャセイパシフィックなんていう航空会社もございますけれども、古いイギリスの英金融商社、貿易会社がいっぱいあります。そういったところのイギリス旧植民地利権の人たちと、中国共産党の解放改革派の人たちが一緒に金儲けできる場所。つるんでいる場所。それが香港だったわけです。
【香港ドルと米ドルの関係】香港ドルの価値を守ってきた「ペッグ制」とは?
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