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(文字起こし自体がない動画もあります)
00:00 OP
01:31 診断体系の中でまず考えなければいけない
05:44 私らしさって何なの?
10:49 本日の宿題
今、緊急で動画を撮ってるんですが、松崎先生がリョーハムさんに、益田の嫌いなところはどこですか、という動画撮っているんです。
リョーハムさんが、益田の嫌なところというところで、「何でもかんでも益田ドクターは人のことを診断する、精神医学で語りすぎる」みたいなことを言っていて、「病名だけで、病気だけで人間を説明できるわけないでしょう」みたいな話をしていたんです。
これは結構大事な話だなと思って、僕から弁明させていただこうかなと思います。
これは結構重要な問題で、リョーハムさんに説明したんですよ後で、こうこうこういう理由だよ、ということしたんだけれども、あまり理解してもらえた感じはしなくて、しておいた方がいいかなと思って、ここでも弁明させてください。
◾️診断体系の中でまず考えなければいけない
基本的には僕とリョーハムさんの会話の中で、人の話をした時に、だいたい問題行動や特徴のある行動に対して、僕がこういうことなんだろう、という風に精神医学的な観点から説明してることが多いんです。
だけどリョーハムさんは、人間というのは生い立ち、経験、その人の性格もあるから、その人の性格なんじゃないの、この問題行動はその人の性格なんじゃないの、という風に思ってるということなんです。
だけどね、これ、そもそもある種の問題行動があった場合、色々な行動があった時に、診断体系の中で説明されるべきだという考えが精神医学なんです、そもそも。
言ってること、わかりますかね?
ここにある問題行動や何かしらの特徴ある行動は、精神医学の中で分類されなければいけないんですね、そもそもが。
診断されないのか、うつ病を疑うようなものなのか、うつ病のグレーゾーンなのか、うつ病ではないのか、どこかに当てはまるようなものにしなければいけないんです。
精神医学とはそもそもMECE(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive:漏れなく、ダブりなく)なんです。漏れなく、ブレなく。
あらゆる人間の社会の中で行われる問題行動は精神医学の中で語られるという立場なんです。
ということは、
犯罪ってないんじゃないの?
犯罪者はいないんじゃないの?
ということになるわけです。
そうなんですよ。
犯罪者というのは僕らの世界にはいなくて、何かしらの診断がつくんです、問題行動を起こしてるということは。
だけど、ややこしいんですけど、かといってその人の責任が問われないとか、そういうことではないんです。
病気の症状を加味した上で、その人の責任を取りましょうよということなんですけど、基本的には問題のある行動は精神医学の中で診断されるべきことなんです。
問題行動を引き起こす原因としては、脳の問題、ハードウェアの問題だったり、ソフトウェア、記憶の問題だったり、学んできた生い立ちや経験、トラウマの問題があると思うんです。
これらの複合的なことが原因で問題を起こしてるんでしょうけど、この問題行動というのはこの診断体系の中で説明されなければいけない、こういう軸の話なんです。
そういう話なんです、これはそもそも。
生い立ちや経験を無視してるということでは全くないということです、僕が。
ここの部分が重要なので説明しました。
特に僕らは自助会・家族会をやっているので、そこで起きるトラブル、色々な物事、発言、特徴の諸々は、その診断体系の中でまず考えなければいけないんです。
そうしないと、この人が起こしてることは躁転しているのじゃないか、幻覚妄想が起きているのじゃないか、それを疑いながら運営をしないと、大きい事故が起きても困るので、そういうのを疑いながらやる、という。
この人の性格だよね、この人はこういう人だからこうなんだよね、というのは、日常生活の中でやる分にはOKなんだけれども、殊こういう精神科医+αのところでやると、それだとダメなんだよね。
軸が違うんですよ、そもそもこの軸が、こういう横軸で起きてるのと縦軸と違うので、それが誤解されてるなと思ったので説明しました。
結構難しいですね。
◾️私らしさって何なの?
もう一個重要な概念として、じゃあ脳の問題、記憶の問題というと、私らしさって何なの?ということになるんです。
僕らは無常無我なんですよ。
そもそも無我だと言ってるんです。
私というものはないんです。
私というものはなくて、脳の問題だったり、その人が経験してきたことだったりする。
この無我という感覚なんですよ。
だから仕方がないということなんです。
これは、言われる側はすごい嫌なんだよね。
何でも説明されてしまう苦しさみたいなものを生むんです。
それをある種の直面化だったり明確化だったりするし、本人の自由意志を否定するかのような、自由なものを否定するような、行き場のない感じがあるんです。
でも、そういうカルチャーなんです。
これはめちゃくちゃキツいと思います、正直に言うと。
だけど、個人がないからこそ仕方がないということがわかる。
運なんだ、仕方がないんだ、どうしようもなかったんだ、ということがわかるし、その中でやれることをやっていこうよという話になっていく。
運命論や予定説を理解しなければいけないことと似てるんです。
我々人間が持つ弱さ、自由意志のなさ、選択肢が取れない感じを突きつけられるようなところが精神医学にはあるんです。
そういう話ということなんですけどね、ただ。
でもそこの部分が時に益田がすごく横柄に見えたり、すごく残酷な人間に見えたり、押し付けてくる感じに見えてくるんだと思います。
でも、何て言うんですかね、これが精神医学の一つの、何て言うんだろうな、やはり批判、反精神医学の元でもあるんです。
人をラベリングするな、薬でコントロールしようとするなみたいな、自分たちらしさ、人間らしさを否定するなみたいなことなんですけど。
僕らは臨床をやってる中で、患者さんと信頼関係を作る、人間同士として振る舞う、相手の立場に立つ、心を使う等をやりながら、でも一方でめちゃくちゃサイエンティストであって、サイエンスに基づいてこの無常無我を受け入れて、そして押し付けていく、権力的なものをやっていくということもしてるんだよね。
これはめちゃムズイし、ムズイというか、受け入れがたいことや、何とも言えない気持ち悪さがあるとは思うんですけど、こういうことなんです。
これはまだ人類がよくわかってない問題なんだと僕は思っているんです。
僕自身も高校生や中学生の時に脳を知って、言語によって僕らの考えが支配されてる、構造主義、ある種仏教の教えみたいなものを知った時に衝撃が走ったというか。
最近だとChatGPTとの遭遇によってちょっとうつっぽくなりましたもんね一時期。
自由意志や知性というものがコンピュータによって再現させられている部分は、部分的にしても何にしても、恐ろしかったし、それを理解すればするほど、自分たちの自由意志を疑うことになるんですけど、でもこの理解というのは重要なポイントなんじゃないかなと思っています。
この動画やコメントを見ていく中で、色々な人にコメントいただけて大変ありがたいし、貴重な意見で、自分も直さなければいけないなとは思ったんですけど、それとはまた別に、根本的な話をしといた方がいいなと思ったので、今回動画を撮ったということです。
◾️本日の宿題
今回の宿題は、この難しさです。たぶんよくわからない…
説明としては簡単なんです。
すべての問題行動に対して精神医学というのは何かしら名前を付けることにしている、ということです、簡単に言えば。
ただそれだけなんですけど、やはり理解しにくかったと思うので、わかりにくいことというか、ちょっとこれどういうこと?みたいなところを考えてもらう、これを宿題にしたいなと思います。
どこがわからなかったか、ということです。
あとはもう一方的に説明されてしまう苦しさです。
言い切られちゃう感じ、この病気だからこうなんでしょうと言い切られちゃう感じの辛さ、こういう脳で、こういう生い立ちだったかこうだったんだ、という風に言い切られちゃう感じの、何とも言えない居心地の悪さと、上から押し付けられる腹立たしさ、医師が権力者側にいるということ(言えるというのは権力者ということです)、権力者ということへの反発したい気持も書いてもらうと面白いかな、良い学びになるかなと思います。
診断で人は語れるのか~益田の嫌いなところ?
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