デヴィッド・グレーバー
「ブルシット・ジョブ――クソどうでもいい仕事の理論」
ブルシットジョブという概念やメカニズムを説明している(2020/7/30)
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00:00 OP
️04:19 仕事が生きがいで辛い
05:59 「たかが」仕事という視点
️09:36 本日の宿題
本日は、仕事に対して思い入れがないんですけど、どうしたらいいですか?やる気が出ません、というのと、逆に、仕事にやる気があって生きがいなんだけれども、仕事の比重が大きすぎて、プライベートのことにエネルギーを割けないけどどうしたらいいですか、と両極端の意見ですけど、このお題にお答えします。
仕事に対して思い入れが持てません、やる気が出ません、やる意義を感じられません、と言う意見ですよね。
こういう人は結構多いんですよ。
ホワイトカラーの人で多いです。
エッセンシャルワーカーとは逆なんです。
エッセンシャルワーカーというのは僕らみたいに医療系の人たち、社会にとってやらなくてはいけない仕事、どちらかというと社会のいわゆる、言い方悪いですけど底辺的な人たちです。
医者はまた別だろ、と言われたらそうなんですけど、でも泥臭い仕事をしてる人たちです。
警察官、消防士、医師、看護師さんもそうですけど、介護をしてる人たちもですね。
やることの意味や責任感に比べて給料が少ない人たちです。
反対に、やらなくてもいいけどお金をたくさんもらってる仕事というのはあるんですね。
いわゆるブルシット・ジョブと言ったりします。
金融、不動産の営業職、コンサル、会社の社長はアレかもしれないけど、中間管理職や会議ばかりしてる人、国会で居眠りしてる政治家とか。
そういうのはここら辺なのかな、と。
いなくてもいい人達。
でも自民党も与党の議席を埋めるために存在する人たちというのもいます。
もちろんガツガツ働いている政治家もいますけれども、それは会社と一緒ですよね。
会社も、バリバリ働いている社長や一部取締役の人もいれば、中間管理職はそんなにバリバリ働いていなくて、必要のない会議をしていることもあったりするということです。
100%やりがいのある仕事ばかりをしているばかりではなかったりもします。
医療の世界もそうで、本当にやらなくてはいけない医療をやっているのかというと、そうじゃない医療をしている人たちもいるし、この延命治療はいるのかな、ということをやっている人もいなくはないという感じです。
でも世の中というのは、こういう本当はなくてもいいんじゃないかという仕事はたくさんあって、コロナのときに在宅勤務をしていたり、本当は仕事をしなくてもよかった人たちがたくさんいたことが明らかになったということです。
ブルシット・ジョブと言っていますが、彼らはエッセンシャルワーカーを妬む。
妬むからこそ給料を多くもらっている。
その対価としてくだらなければくだらないほど高い仕事をもらうんだ、みたいなものをブルシット・ジョブと言ってましたけど、それも社会の本当の一面なんだろうなと思います。
これは僕もそう思います。
こういう言い方はアレですけど、自衛隊にいて、僕もそういう医師じゃない仕事をしていたときに「これ本当にいるのかな?」みたいな仕事をしていました。
自衛隊の場合は訓練が全てなので、学校みたいな形なので、戦争が起きたときの訓練も兼ねた事務仕事みたいなものがあったんですけど、でも「う~ん…」と思ったりはしました。
そういうことを踏まえると、やはり医師の仕事というのはやりがいがあってありがたいなとは思いますけど、だからこそ嫉妬の対象というか、優秀じゃなければいけない、弱みを見せられない、というのがあるなと思います。
◾️仕事が生きがいで辛い
仕事が生きがいで辛いです、というのは、今度は責任感があるのよね。
今度は責任感と使命感があって。
ただ、今度はここの限界があるんです。
ヒト、モノ、カネは常に十分であることはないので、結局限界がある、と。
この限界がある中で、でも自分はやらなければと思って、この限界を否定して自分を犠牲にする。
責任感や使命感があるからこそ、組織の限界性や自分自身の限界性を無視して、仕事に専念して、結局苦しくなってしまう。
バーンアウトしてしまう。
人によっては、ここから苦しくなって悪いことをしてしまう、ズルをしてしまう、裏切り行為をする、患者さんと恋愛関係になるとかも含めて色々ありますけど、こういうのもあるなと思います。
こういうのも医療系と考えると結構多いですね。
責任感で潰れちゃう。
働きすぎて人を救いたいと思うがあまり、自分のプライベートの時間を削りすぎてバーンアウトしてうつになってしまう。
家族に迷惑をかける。
その分何かズルをしてしまう、悪いことをしてしまう、病棟で不倫関係を作ってしまうなどあります。
◾️「たかが」仕事という視点
どうしたらいいのかということですけど、互いに共通することはいくつかあって、何なのかというと、たかが仕事なんですよね、そうは言っても。
僕らにいくつかあるアイデンティティの一つなんです。
僕らは死ぬときに、たくさん仕事ができて良かった、たくさん仕事ができて金を稼げて良かった、と思うことはあまりないみたいです。
それよりも家族といられた、何々ができた、旅行へ行けた、美味しいものを食べられたなどがあると思います。
もちろん美味しいものを食べるだけが人生じゃないですけど、たくさんあるアイデンティティの一つなんです、仕事というのも。
資本主義の社会の中ではビジネスが一番強くて、お金に関係するアイデンティティが強調されがちなんですけど、本当はそうじゃなくて、いくつかあるアイデンティティの一つなんです。
友達との関係ではこういう顔を持っている、家族の中ではこういう顔を持っているという、そういういくつかの一つなので、たまたま今は仕事に対して思い入れがない悪い時期だったりするし、たまたま今は責任感や使命感を持ちやすいポジションにいるだけなんです。
複数のアイデンティティを大事にして、一個一個のアイデンティティを削るんじゃなくて、色々な場所に色々な自分がいますから、そういうものを大事にしていくというのが大事というか、人生の幸せはそこなんだと思います。
たくさん選択肢があるということを、たくさんの顔を持ってるということ、色々な人と付き合えるという、この多様性というのが豊かさなんですよ。
美味しいマグロのトロが一個あるというのが豊かさじゃなくて、色々なバラエティがある、色々なやつを選べる、自由に選べる、それが回転寿司みたいに並んでいる。
この「色々なものが選べる」というのが豊かさなので。
僕らはそう感じます。
究極の「これ」というのを渡されるよりも、それが好きな人もいますけど、そういう人は稀で、やはり色々なメニューからその時の気分に合ったものを選びたいわけじゃないですか。
だからそういうことなんです。
人生にも季節がありますから。
人間というのは生まれてからいつか死ぬんです。
それは変わりがないんです。
こういう山があって、ライフステージというんですけど、色々なライフステージがあって、乳幼児期もあれば、学童期もあって、思春期があって、青年期があって、老いがあって、いつか死ぬんです。
子どもを育てたり、自立してもらったり、親が亡くなったり、親の最期を看取ったり、色々なことが起きていく。
それはどんな立派な人でも、どんな社長であっても、どんな偉業を成した人でも、どんなスポーツ選手、健康で誰よりも優れた肉体を持っている人も、いつかは死にますから。
でも、その場その場で活躍できるときがあり、その場その場で感じる季節や風景がありますから、そういうものを味わうということが人間の幸せなので、仕事だけじゃないですから。
そういうことをわかってやると、どちらの問題も解決できるのかなと思います。
はい。
ということで今回は、仕事に対して思い入れがない、仕事が生きがいで辛いです、という意見に対してお答えしました。
◾️本日の宿題
今回は、ライフステージにおける仕事というテーマで、自分が若いとき、中年期、そして最後、仕事の最後のときに、キャリアの最後のときに仕事観がどう変わったかをコメント欄で書いていただけたらなと思います。
まだ若い人、キャリアが終わってない人たちは、今後こうなるのかな、他の人はこうだったのかな、ということを書いてもらうと、良い学びになるのかなと思います。
仕事に対して思い入れがないんですけど、どうしたらいいですか?
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