<本の紹介>
精神科医の本音 (SB新書)
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精神科医がやっている聞き方・話し方
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どんな患者さんが増えている? 精神科医目線から見た、メンタルヘルスのトレンド
00:00 OP
00:40 臨床をしている中で多いテーマ
05:53 少子高齢化
08:32 IT化
10:26 格差、分断、家族の密室化
12:44 対応策
本日は「今こんなことで困っている人が多い」というテーマでお話しします。
質問が来ていたので読みますね。
『今こんなことで困っている人、こんなことを考えている人が多い、気になる、といったお話を聞かせてください。
社会を精神科医目線で読み解くみたいなお話を聞きたいです』
ということですね。臨床をしている中でよく聞く、よく受ける質問なんですが、パパッと答えようかなと思います。
■臨床をしている中で多いテーマ
・発達障害
現代的なテーマとしてはまず一番に挙がるのは「発達障害」じゃないかなと思います。
発達障害および発達障害グレーゾーンの人たちだと思います。
彼らが仕事ができない、ついて行けないということでうつになったり適応障害になって受診するケースというのはとても増えているということです。
これが都心のクリニックだと特に多いんじゃないかなと思います。
世の中的には、残業禁止になったので今まで時間をかけることで仕事ができていた人が、時間をかけてはいけなくなったので潰れちゃったということがあります。
処理速度が遅い人やマルチタスクが苦手な人は多いんです、発達障害の人は。
だからそういうことが起きた。
パワハラは昔は多かったんだけれども、今は「関わらないようにしよう」ということが多いんです。
もう教えることもやめよう、指導するのはやめようということで放置されてしまって、自分からぐいぐいコミュニケーションを取りに行くこともできなかったり、かわいがってもらう術もなかなか身につけられなかったりするので結局置いてけぼりになってしまって、うつになってしまう。
ついて行けなくなって適応障害になっちゃうというケースが多いなと思います。
そのために発達障害の不注意に対する薬物治療だけでは、この問題は解決できなくて、社会とはこういうものだよ、みたいなティーチングの要素が結構重要になったりします。
本来であれば、精神科のカウンセリングは、支持的なカウンセリングや傾聴が重要だと言ったりするんですが、こういう発達障害的な人の場合、やはりSST的なもの、「社会とはこういうものだ」「人間とはこういうものだ」「こういう時にはこういう風に振る舞いなさい」みたいな社会常識的なものを伝える必要があったりするので、ティーチングが求められることが多いかなと思います。
・中年の孤独問題
あとは中年の孤独や独身問題です。
これは経済的な背景や、奥手な人はなかなか恋愛できないなど、色々あるんです。
自分は親たちと違った、結婚できなかった、結婚したいと思うけれども今からだと子どもはもう遅すぎるとか、こういう話も結構多いなと思います。
親の介護など親のこともしなければいけなかったり、介護じゃなくても妙に家の方が忙しかったりして何か上手くできない。
でも親が死んだ後どうしたらいいんだろう、そういうことを思っている人も多いです。
・カサンドラ、複雑性PTSD
あとはカサンドラや複雑性PTSDという形ですが、家族の中に発達障害の人がいるパターンです。
発達障害の人がいて、その人と一緒に生活していく中で共感してもらえなくて、うつになっちゃう。
逆にその人のこだわりを阻害するから、妙に暴力的になってしまって殴られたり、虐待みたいになってる。
そういうことで昔のあの人は実は発達だったのかな、親は発達だったのかな、という形で受診されて、その当時のトラウマを語るケースというのも結構多いかなと思います。
・ひきこもり
ひきこもりの人は増えています。
不登校から通信などへ行って何とか卒業できて、仕事も就いたけれど、やはり発達障害の問題もあったりとかしてひきこもりになってしまうケースは結構多いです。
・PMDD
生理前にうつになっちゃう、月経前気分不快症と呼ばれる人たちです。
そういう知識は増えてきて、精神科で薬を飲むと楽になると聞いたのでと受診して治療することも多いです。
セルトラリンを排卵日から生理後まで飲むことで、気分の不快感や情動の不安定さをコントロールできるケースは結構多いなと思います。
・減っているもの
減っているものとしては統合失調症、境界性パーソナリティ障害、摂食障害もたぶん減っているような気がします。
パワハラやいじめも減ってるんじゃないかなと思います。
あくまでイメージで統計的なものに基づいているわけじゃないんですけど、減ってるという感じはします。
統合失調症が減っている、もしくは入院治療をせずに外来だけで済んでいるケースを見ると、やはり薬が良くなってきているというのと、統合失調症の原因が感染症も関係してたんじゃないか、という仮説モデルを考えたりもします。
境界性パーソナリティ障害の診断が減ってるというのは、発達障害にその分吸収されているという気もするし、摂食障害に関しても同じかなという気がします。
パワハラ、いじめ問題については世相が変わって関わらないという形になってきたからかな、という気もします。
あくまでイメージですがそんな風に思ってます。
■少子高齢化
世の中全体はどう変わっていくのかということですけれども、大きく挙げるのであれば3点かなと思います。
まず一番重要なは少子高齢化の問題です。
高齢者が増えるということです。
その結果、社会保障費がどんどん増えているんです。
年金を受け取る人の数がそもそも増えてますから、社会保障費が増えます。
その結果、税金の割合も増えてきますから、手取りが減ってるんです。
景気というか、日本の国際競争力や産業自体の力も落ちてますから、その分どんどん手取りが減っているということが多いのかなという気はします。
ここら辺はセットなんです。
一応、財務省の見解だと2040年がピークなんじゃないかと言われてるんです。
今の団塊世代の人が2025年に後期高齢者になるんです。
75歳以上になって、これから病気が増えたり、社会保障費が上がるんじゃないか、ということが考えられているんです。
それらがピークを迎えるのが2040年じゃないか、と考えられているそうです。
10年ぐらい経つと、団塊ジュニアたちが高齢者になりますから、しばらく大変なんです、日本は。
でも、とは言っても2040年がピークかなと言われてます。
2025年には医師の働き方改革というのも行われますので、その結果、医療はどういう形に変わっていくのかまだまだわからないというか、僕らは気にしているなという感じです。
精神疾患にかかる人や精神科を受診している患者さんの数も増えてます。
それに対して医師の数が増えることもそんなにないですし、追いついてない感じはあります。
精神疾患に対して予算が増えるかというと、患者さんが増えているので予算というかメンタル疾患に対するお金というのは増えているんですけれども、これから対策として、カウンセリングを保険にしようとか、こういうことをしよう、手厚くしようということはなかなか難しいのではないかなと僕は思ってます。
なぜなら高齢化の問題の方が厚労省としてはすごく頭を悩ませているというか、財務省も含めて悩ましているので、新しく精神科医療や精神科医が儲かるようなシステムができるかというと、なかなか難しいんじゃないかなと思ってます。
■IT化
2点目はIT化です。
IT化がどんどん進んでいるので、これからそのスピードはさらに上がると思います。
今まで人間がやっていたことが、AIやIT、パソコン等のアルゴリズムによって置き換わるということは多いと思います。
ロボット技術も進化していますので、ますます人間のやる仕事が減っていく。
自動運転も出てきてますから、減っていくと思います。
そうすると人間がやるべき仕事というのは何かというと、コンピュータではなかなか出来ない仕事、AIやパソコンではなかなかできないことになってきます。
ということだと、マルチタスク、人間同士のコミュニケーション、判断、選択、そういうことになります。
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一般の方向けに、わかりやすく、精神科診療に関するアレコレを幅広く解説しています。動画における、精神分析や哲学用語の使用法はあくまで益田独自のものであり、一般的(専門的)な定義とは異っているところもあります。僕がもっとも説明しやすいとたまたま感じる言葉を選んだだけなので、あまり学術的にとらないでいただけると嬉しいです。
早稲田メンタルクリニック院長 益田裕介
【自己紹介】
益田裕介
防衛医大卒。陸上自衛隊、防衛医大病院、薫風会山田病院などを経て、2018年都内で開業。専門は仕事のうつ、大人の発達障害。といいつつ、「なんでも診る」ちょっと変人よりの町医者です。
趣味は少年ジャンプとお笑い。キャンプやスキーに行きたいです。
2020年6月5日より断酒継続中。
【参考】
厚労省みんなのメンタルヘルス https://www.mhlw.go.jp/kokoro/
カプラン 臨床精神医学テキスト第3 https://www.medsi.co.jp/products/detail/3509
倫理規定について https://note.com/mentalyoutubers/n/nb130991f3fa4
【コメントについて】
・コメントは承認制です。誰かのコメントに返信されているものは誤解される可能性もあり、基本的に承認されません
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