<本の紹介>
2022/8/5
精神科医の本音 (SB新書) 益田 裕介
https://www.amazon.co.jp/dp/4815616221/
2022/8/22
精神科医がやっている聞き方・話し方 益田 裕介 https://www.amazon.co.jp/dp/4866801921/
00:00 OP
01:17 パート主婦の例
06:22 嫌われることへの過剰な恐怖
08:14 対立を受け入れる
本日は「人に嫌われている、嫌われたくない人のセルフケアのポイント」を解説します。
前回の続きでもありますが、嫌われたくないとか嫌われているんじゃないかと不安になっている人はたぶん多いと思います。
その場合、どういう風に自分の心を整理したらいいのか、ということです。それを今回お伝えしようと思います。
ポイントは、今自分がどういう状況なのか、を主観的に書き出してみる。
その上で客観的にその状況を見てみる。ちょっと考えすぎだったんじゃないかとか、こういうことを考えていなかったなとか、これはちょっと自分が視野が狭くなりすぎてたな、脚色して見ていたな、ということをもう一回書き出してみる。
その上で楽観的に考えるということをやってみる。
この三段活用です。
■パート主婦の例
具体的な話をしながらの方がわかりやすいと思うので、一つ考えてみました。
調剤薬局でパートで働いている主婦の方を想定しました。
店長は20代~30代前半の若い社員さんで、この人が最近店長になったという形です。
先輩がいて、この人はちょっと神経質で、店長に頼られているから張り切っていろいろ仕切り始めた。
でもリーダーチップを取るのが苦手な人。
自分はパートで早く帰らなければいけないのでちょっと肩身が狭い、という感じです。
他にもパートさんがいるというような状況です。
先輩に嫌われたくないなとか、他のパートさんから嫌われているのではないかと思って、仕事を断れません。
サービス残業してしまったり、早く帰らなければいけないのになかなか帰れなかったり、帰った後にすごく罪悪感に襲われて家に帰ってもなんだか落ち着かない、みたいな人のことを想定して話そうかなと思います。
不安があるというのはどういうことかと言うと、基本的には「未知なること」があるということです。
これからどんなことが起きるのかがよくわからない状況のことを不安と言います。
例えば誰かにこれから嫌われるんじゃないか、本当は嫌われているんじゃないかとか、なんだかはっきりしなくてモヤモヤしている状況が不安です。
あとは予期です。
明日怒られるかもしれない、こういうことがあったから明日怒られるだろう、と思って覚悟している。
覚悟しているけれど、そういう出来事に遭遇したくない、ということも不安だと思います。
これは予期のタイプです。
不安というのは大きく2種類に分けることができて、わからないから、未知だから、モヤモヤしているから不安だということと、これから起きることがわかっているから不安だ、ということがあります。
基本的には、未知なるものははっきりとさせる。
これから嫌なことが起きるということがわかっているのだったら、それはもう受け入れざるを得ないので受け入れる、覚悟する、ということになります。
未知なることをはっきりさせましょうということです。
はっきりさせるために書いてみましょう。
書いた後、これが起きるのであれば覚悟をして受け入れましょうよ、ということになります。
不安な状況というのは白黒思考になりやすいんですね。
白黒思考とは何かというと、極端な意見になりやすいのです。
絶対嫌われている、もう絶対辞めるしかない、絶対怒られるなど、極端なことになりがちなのでそれを冷静に考えます。
「まあ、嫌われているかもしれないけれど全員から嫌われていることはない」
「嫌われていたとしても別に取って食われるってことはない」
「ちょっと相手は自分のことを苦手に思っているな」
「ちょっと仕事がやりにくいなと思うかもしれないけれど、もう絶対辞めなきゃいけないということではない」
極端に考えずに、だいたいこんなもんだよなと考えることはとても重要です。
客観視すると、今の職場は私だけじゃなくてみんな嫌だろうな、辞めている人も結構いる、私が居心地悪いと思っているのはまあそうなんだろうな、他のパートの人も辞めているし辞めても変じゃないな、と思います。
先輩も意地悪だけど、まあ先輩も悩んでいるしそもそも先輩と喋る時間はほとんどないから、喋っても週1回とか月に2、3回だったりするし、常に一緒に働いているわけでもないからそんなにビビリ過ぎる必要もないなとか。
今年はそうだけど、来年以降は旦那さんの仕事の都合とか、子どもの勉強や学校の都合で働く時間の制約とか引っ越しもあるかもしれない。そもそもこの職場にずっといるわけでもないし、どうなるかわからないな、という風に考えます。
客観的に考えた上で、楽観的に考えた方が良い。
事情を整理した上で、とりあえず半年待とうかなとか。
取って食われるわけじゃないし、なんとかなるだろうと思って、たとえ意地悪なことを言われても、それで死ぬわけじゃないんだから仕方ないと受け入れて、楽観的に考えていこうという風なアプローチを取ります。
主観→客観→主観2.0というアプローチを取る、ということです。
自分以外の人はどう思っているのか、相手はどう考えているのか、仕事以外の自分の状況はどういうことなのか、ということを整理していくのはとても重要かなと思います。
■嫌われることへの過剰な恐怖
嫌われるんじゃないかとか嫌われたくないなということで不安を感じている人はどういう人なのかというと、嫌われることへの過剰な恐怖があるということです。
そもそも人間というのは嫌われます。
いつかは嫌われたり、仲直りしたりするのですが、結局変化によって利害関係というのは変わってくるんですね。
常に同じことというのはなくて、社会的な変化があったり、働いている人の中で変化があったりします。
そういう風に利害関係が変わってしまいます。
そうすると、やはり仲は悪くなります。
今までは同僚だったのにその同僚が出世したせいで上下関係ができて、上の立場としてはこう言わなきゃいけない、下の立場としては今まで同僚だったから何かムカつくな、みたいな感じでバッティングしてしまう。
景気が悪くなったからどちらか1人は辞めなければいけない。景気が良くなりすぎて忙しくなったせいで、人が増えて人間関係が変わってしまう。仕事量が増えてバタバタし始めて、不機嫌な人が増えてしまうなど、いろいろ変わります。
変われば何かが起きる。
利害が絡めば対立します。
友達ではないので、いわゆる子どものときの親子関係や友達関係とはまた違います。やはり利害関係が絡みます。大人の人間関係というのは。
結構複雑なので、嫉妬もするし、体調も悪くなるし、いろいろなことが起きるので、そうすれば不満やフラストレーションが溜まって対立は起きてしまいます。
それは避けられないですね。
どんな関係でも起こり得ることです。
だからそれは自然なことなんですね。
雨が降るとか季節が変わるのと同じで、何かがあれば対立することが起きます。
■対立を受け入れる
自分が損をすることで対立を避けようとすれば、利害の「害」だけが残ります。
自分だけが損をしていくことになるので、やはりある程度は対立が起きても受け入れなければいけないし、嫌なものはノーと言わないといけません。
それが結果的に対立的なことになるかもしれないけれど、でも自分が正しいのであれば、それは仕方ないんですよね。
仕方ないし、その上で相手の問題でもあるので、相手が嫉妬するとか怒っているとか、こちらの問題ではなくて相手の問題なので仕方ない。
この対立は受け入れざるを得ない対立なんだな、ということになるのかなと思います。
とにかく嫌われたくないということを目指すのは、雨が降ったときに濡れたくないというのと同じです。
100%濡れないということはできません。
積極的に傘をささずに濡れろとは言いませんが、全部を避けることはできませんから、ある程度のものは受け入れていくしかないんじゃないかなと思います。
ですから、しっかり軸を持って生きることはとても重要だと思います。
軸を作るためには、書き出してみて整理することもとても重要です。
今回は、人に嫌われている、嫌われたくないときのセルフケアというテーマで概略を説明しました。
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一般の方向けに、わかりやすく、精神科診療に関するアレコレを幅広く解説しています。動画における、精神分析や哲学用語の使用法はあくまで益田独自のものであり、一般的(専門的)な定義とは異っているところもあります。僕がもっとも説明しやすいとたまたま感じる言葉を選んだだけなので、あまり学術的にとらないでいただけると嬉しいです。
早稲田メンタルクリニック院長 益田裕介
【自己紹介】
益田裕介
防衛医大卒。陸上自衛隊、防衛医大病院、薫風会山田病院などを経て、2018年都内で開業。専門は仕事のうつ、大人の発達障害。といいつつ、「なんでも診る」ちょっと変人よりの町医者です。
趣味は少年ジャンプとお笑い。キャンプやスキーに行きたいです。
2020年6月5日より断酒継続中。
【参考】
厚労省みんなのメンタルヘルス https://www.mhlw.go.jp/kokoro/
カプラン 臨床精神医学テキスト第3 https://www.medsi.co.jp/products/detail/3509
倫理規定について https://note.com/mentalyoutubers/n/nb130991f3fa4
【コメントについて】
・コメントは承認制です。誰かのコメントに返信されているものは誤解される可能性もあり、基本的に承認されません
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