荒川区や北区などを走る都電荒川線の新しい車両がきょう報道陣にお披露目されました。都電荒川線は4年連続で赤字となっていて、新型車両の導入により赤字からの脱却が期待されています。
オレンジと白を基調とした都電荒川線の新しい車両がきょうお披露目されました。新しい都電荒川線の車両は通路の幅が75ミリ広くなって通行がスムーズになったほか、つり手と押しボタンがそれぞれ4つずつ増やされました。車両はあすから走り始めます。
1911年に当時の東京市電気局によって開業した都電は、長年「都民の足」として親しまれてきました。最盛期の1943年ごろには1日平均193万人が利用するようになり、運行する路線は40を超えました。しかし自動車の普及により1967年ごろから路線は順次廃止になり、およそ210キロあった路線は現在では荒川線のみの12キロほどになりました。また近年では経営も逼迫(ひっぱく)しています。2005年はおよそ1億5000万円の黒字でしたが、2011年以降は車両の更新などの影響もあり、4年連続で2億円前後の赤字となっています。
こうした状況を打破しようと立ち上がったのが東京都交通局の職員です。斬新なアイデアを取り入れたいとの思いから若手職員が中心のプロジェクトチームを作り、ことし2月から議論を重ねてきました。都交通局プロジェクトチームの清水茂リーダーは「公営とはいえ企業なので、赤字をこのまま放っておくわけにはいかない。事業自体がなくなってしまうかもしれないので経営面から危機感が出た」と話します。今回の新型車両にも採用された画像や行き先を表示できるモニターはこのプロジェクトチームから出たアイデアです。また、都電をアピールしようと、都営地下鉄の車内モニターで都電の紹介映像を流しています。清水さんは「都内にもこういう風景が残っているんだと観光のスポットとして来てもらえるような公共交通機関になれば」と話します。
赤字脱却へ、都電ファンの大学生からはエールも送られます。港区の明治学院大学の学生サークル「鉄道旅行愛好会」は長期休みに鉄道を使って全国各地を旅行していて、都電や都営地下鉄で都内の観光スポットを巡る行事も行っています。鉄道旅行愛好会の小見山和さんは「初めて乗った人が多かったので新しい東京の魅力を知れたという人が多かった」と話します。また岡庭智幸さんは都電の魅力について運行する地域にあるとして「下町の人情味のあふれる地域を走っている点が一番の魅力。レトロ車両など一般の人も楽しめるような工夫も施されていて、魅力にあふれている」と話します。
地元の人からも同じく都電への愛を感じられるような声が聞かれます。地元住民は「週に2回くらい、足が悪いから1駅でも乗る。私の足ですね。便利でいい」「東京のシンボル。これがなくなると寂しい」などと話します。町屋駅前で都電と70年間、時間をともにしてきたたばこ店「たばこ大竹」の店主・大竹真一さんは都電と地元のつながりの強さを実感しているとして「皆さんなじみがあるというか切り離せない存在。末永く走ってもらいたいというのがみんなの希望なのでは」と話しています。
新型車両の導入は赤字脱却の足掛かりとなるのか。都民の生活を支え続けてきた都電荒川線はきょうも走り続けます。
赤字脱却の起爆剤になるか 都電荒川線、新型車両お披露目
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