「たけくらべ」などの著書で知られる明治時代の作家・樋口一葉にゆかりのある質店だった貴重な建物が、文京区で公開されています。
文京区内に保存されている旧伊勢屋質店は1860年に創業した質店で、屋根瓦や出桁造りなど、江戸時代の趣を伝える歴史的建造物です。1982年に廃業しましたが、明治時代に建てられた店舗兼住宅や質草を保管していた蔵が今も残され、質札を再利用したはたきなども展示されています。
5千円札の肖像としても知られる樋口一葉は24年の短い生涯のうち、およそ3年間を質店近くの借家で母と妹とともに暮らしていました。職業作家を目指すものの生活は苦しく、一葉は何度もこの質店に駆け込んでいたということです。一葉の日記には「伊勢屋がもとにはしらねば事たらず」と記されていて、当時の逼迫した生活の様子が伺えます。
この建物は所有者での維持が難しくなり、一時取り壊しも検討されましたが、区内で大学などを運営する跡見学園が区の補助金を受けて、ことし購入しました。跡見学園女子大学の内山康和事務局長は「商家のさまざまな工夫の凝らされた建築遺構と考えている。学生目線での知恵も出しながら地域貢献・地域交流に活用していければ」と話しています。
一葉ゆかりの旧伊勢屋質店は毎週土曜日と日曜日に無料で公開され、大学生の授業や地域活動の場としても活用される予定です。
樋口一葉が通った質店 「旧伊勢屋質店」公開始まる
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