長年の懸案はついに訴訟問題へと発展することになりました。東京・江東区と大田区の2つの区が、共に自分たちの土地だと主張している東京湾の中央防波堤埋立地について、大田区議会は都の調停案を拒否し、江東区を相手取って訴えを起こすことを決めました。
29日に大田区役所で会見した松原区長は「今回の調停案は残念ながら、合理的といえる内容ではなかった。司法に判断してもらうのが一番公平で納得できる」と述べました。
東京湾にある中央防波堤埋立地は長年にわたり、大田区と江東区が帰属を巡って協議を続けてきましたがまとまらず、2017年の7月、東京都に調停を申請していました。その結果、東京都が示した調停案は、東京オリンピックの競技会場となる海の森水上競技場を中心とした地域を含む86%強を江東区に、コンテナ埠頭を含む14%弱を大田区に帰属させるというものでした。
調停が成立するためには両方の区議会の議決が必要となります。しかし、2つの区の対応は分かれました。
江東区はこれまで埋立地に運ばれるごみの問題で苦しめられてきたとして、全島の帰属を主張してきましたが、10月25日、調停案は合理的だとして受け入れることを決めました。江東区の山崎区長は「調停案は江東区の主張も反映された中立的かつ合理的なものと考え、大局的見地から受諾すべきと判断した」と述べました。
一方、大田区議会は29日、「調停案は、住民がノリ漁業を続けてきた歴史的背景が考慮されていない」などとして調停案を拒否し、江東区を相手取って訴えを起こすことを決めました。大田区の松原区長は「歴史的沿革を正しく評価し、境界確定すべき。司法の場で公平・公正かつ合理的解決を目指す」としています。
<調停案拒否に、小池知事は>
今回の大田区の採決は、都の調停案を大田区としては到底受け入れられないという内容で、今後は裁判によって争われる見込みです。一方、江東区の山崎区長は「極めて遺憾」として「大田区の大局観を失った行為は後世に大きな負担を残すことになりかねない」と批判しています。
今回の事態を受け、東京都の小池知事は出張先の沖縄県で取材に応じ「残念ながら大田区議会は(調停案を)受け入れないと決議された。また、司法の場にということも聞いている。東京都として大変残念に思っている。まだ調停中なので、見守る部分があるかと思う」と述べました。
“領土問題” 東京・大田区が調停案を拒否、提訴へ
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