小池知事が導入した新しい東京都の入札制度について検証する会議が開かれ、入札価格が予定価格を上回るなどして不調に終わるケースが前の年度=2016年度の2倍近くに増えていることが明らかになりました。
会議には入札制度に詳しい弁護士らが出席し、新しい制度によるおよそ5カ月間の実績が報告されました。予定価格を上回るなどして入札が不調に終わったのは開札された163件のうち31件で、全体の19%を占めました。およそ10%だった2016年度に比べて不調の割合が2倍近くになっています。
豊洲市場の追加安全対策工事を巡っては入札価格が予定価格を上回るなど不調が相次いでいて、東京都が2018年7月末までに工事を終わらせるよう取り組む中、遅れが懸念されています。
このため、会議では事後公表の影響を指摘する委員もいました。上智大学大学院の楠茂樹教授は「事前公表であれば最初の段階で(条件と)合わなければ応募者がゼロで、比較的早い段階で(入札の)見直しができるが、事後公表になったので開札してみないと分からない。(豊洲市場のような)時間的制約が厳しい案件だと影響があることが実証された」と発言しました。
会議では業界団体のヒアリングなどを行った上で、2017年度中に検証結果を取りまとめる方針です。
<小池知事の入札改革の背景は「高額な建設費」>
東京都の小池知事が入札制度の改革を行った背景には、豊洲市場の建設費が当初の予定より大幅に高くなっていることなどが挙げられます。
既に建設を終えた豊洲市場・青果棟の工事の入札結果を見ると、1回目の入札で東京都はおよそ160億円の「予定価格」を事前に公開しましたが、参加した建設業者は全て入札を辞退し、入札は不調に終わりました。そこで、東京都が予定価格を100億円近く上げたところ、業者はその予定価格より1000万円ほど低い価格で落札しました。予定価格と落札価格がほぼ同じ「99.9%の落札率」です。
同じく既に建設が終わっている他の2棟でも、1回目の入札では業者が辞退し、2回目で予定価格が上がると99%を超える落札率で成立しました。
業者側は結果的に、2回目で当初の都の予定価格よりも高い金額で落札しました。この価格は一般的な建設費に比べ、割高になっています。3棟の建設費は、土壌汚染の改良費などを除いても1平方メートル当たり50万円を超えています。
他の建物の建設費と比較してみると、例えば都心の超高層ビルは35万円~40万円、高級ホテルの建設費は42万円~となっていて、これらと比べても豊洲市場の施設の建設費は極めて高額です。
こうしたことから、小池知事は「入札予定価格を落札後に公表する」制度に変更しました。ただ、この制度にした結果、入札が不調に終わる割合が19%に上り、2016年度の10%に比べて2倍近くになりました。
都側の予定価格と落札価格を比較した落札率は、全体で2016年度が93.2%、新たな制度でも94%で改善されず、あまり変化が見られません。
1件1件の工事の内容が違うため単純な比較はできませんが、今後、都はこれらのデータを検証していくとしています。多額の都民の税金が使われる公共工事に透明性・競争性が高い、都民が納得できる入札制度が求められています。
入札制度改革で「不調」が倍増 小池知事の肝いり政策
カテゴリ一覧
スポーツ
ニュース
音楽
ラーニング
趣味
グルメ
ガールズ
ゲーム
ギャンブル・宝くじ
エンタメ
アニメ・漫画
どうぶつ