東京都が豊洲市場へ移転した後の築地市場の再開発について話し合う会議を開き、出席した委員らは「食」や「観光」などをテーマに、コンセプトなどを意見交換しました。
この会議は食文化や街づくりの専門家など10人が委員となっています。2回目となる27日は、イベント会場やフードコートが入る「食」に特化した複合施設にすることや、周辺の文化施設を活用して伝統文化の発信拠点とすることなど、「食」や「観光」などをテーマにさまざまなアイデアが出されました。
全国調理師養成施設協会の事務局長を務める大崎久美子委員は「メインコンセプトは和食を中心とした日本の食文化発信拠点を」と提案しました。また、小池知事は「(築地は)銀座にも日本橋にも近く、またとないロケーション。都民の宝としてどう生かしていくのか議論を引き続き行ってほしい」と述べました。
築地の再開発について小池知事は6月に「食のテーマパークにする」という基本方針を示しました。しかしその後、豊洲市場に整備される「千客万来施設」を手掛ける万葉倶楽部が築地再開発の内容によっては撤退を検討する考えを表明していました。
これを受けて、小池知事は11月24日の定例会見で、千客万来施設の整備を最優先に進めるとして、再開発の内容は今後、配慮して決めていく姿勢を示しました。この中で小池知事は「(食のテーマパークは)これまで築地の歩んできた歴史を踏まえ、一つの考え方として言ったもの。(築地再開発は)先行する千客万来施設事業のコンセプトとの両立や相乗効果を図れるよう、十分配慮した形で(民間から意見を)募集する」としました。
検討会議は築地の再開発について2018年5月ごろに意見を取りまとめ、これを受けた東京都が2018年度中に基本的な方針を示す予定です。
<築地再整備だけじゃない 豊洲移転も問題山積>
豊洲市場への移転を巡っては、豊洲市場が開場した後の築地市場の活用が大きな課題となっています。市場移転について小池知事は「築地も豊洲も両方生かす」という方針を示しています。このうち、築地市場の跡地には「築地ブランド」を生かした「食のテーマパーク」を作ろうとしています。しかし、これに待ったをかけたのが、東京都が豊洲市場で観光の目玉にしようとしている「千客万来施設」を手掛ける会社「万葉倶楽部」です。
万葉倶楽部は、豊洲から近い築地に千客万来施設と似た施設ができた場合、豊洲の施設は事業として採算が取れなくなる恐れがあるとして、撤退も視野に検討を進める考えを示しています。さらに、豊洲市場のある「江東区」は、千客万来施設の整備が滞っている現状では、市場の受け入れに難色を示しています。
東京都は豊洲市場への移転日を2018年10月中旬としていて、1年を切る中、千客万来施設の建設を巡ってジレンマを抱えています。
豊洲の施設建設に当たって、万葉倶楽部は2017年8月「築地の再開発の具体的な内容説明を求める」として、東京都に質問状を送っています。東京都からの回答は11月15日にあり、「千客万来施設との整合性を図りつつ、築地の再開発の準備を進めていく」という趣旨の内容だったということです。万葉倶楽部側は東京都とのやりとりを続け、具体的な案を見いだしたいとしています。
今後、築地の再開発検討会議で万葉倶楽部側を納得させる案を東京都が示せるのか、そして、豊洲市場の追加工事も期限までに終わらせられるのか。市場の移転までには乗り越えなければならない課題が残っています。
食や観光などテーマに再開発を議論 東京都の築地検討委
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