ちょっとした用事や買い物などに便利な自転車ですが、東京・足立区は2018年1月から、自転車の盗難を防ごうと「鍵掛け」を義務付ける条例を東京都内で初めて施行します。その背景には、区民の多くが「自転車に鍵を掛けない」という実態がありました。
足立区にあるスーパーマーケットの駐輪場にはたくさんの自転車が並んでいますが…。その多くがあまりにも無防備な状態で止められています。あちこちに、鍵を掛けないまま、自転車が放置されているのです。
足立区によりますと2016年、区内で起きた自転車の盗難は約2500件あり、そのうち6割は鍵が掛かっていなかったということです。
なぜ、足立区民は自転車に鍵を掛けないのでしょうか。スーパーの駐輪場で自転車利用者に話を聞いてみると「面倒くさいといえば面倒くさい。すぐ戻るから。(長い時間止める時は)鍵を掛けます。短い時は掛けない」「買い物してすぐ戻ってくるから。スーパーなら人目もあるし。(普段から)ここに来る時は掛けない」「鍵をポケットの中に入れて会計して戻ったら、鍵をどこにしまったか分からなくなることがしょっちゅうある。年のせいもあるが…」など、「面倒くさい」「すぐ戻るから大丈夫」などといった声が多く聞かれました。
足立区は自転車の盗難対策として2012年から、駐輪場に鍵を掛けていない自転車があった場合に「持ち主に断りなく鍵を掛けてしまう」という取り組みを行ってきました。その効果もあり、翌年=2013年には盗難が300件ほど減りましたが、2013年から2500件前後で推移していて、根絶に向けて新たな取り組みが求められていました。そこで区は、さらなる取り組みとして2017年から「自転車の鍵掛け」を義務付ける条例の施行を決めました。警視庁によりますと、このような条例は都内で初めてだということです。
区の担当者は「皆さんに鍵を掛けてもらい、大切な自転車を守ってもらう。犯罪を未然に防ぐということで鍵掛けを義務化することにした」(足立区・駐輪場対策担当課長の坂本伸さん)と話します。条例には罰則規定は設けられていません。しかし、ポスターやのぼりを立てるなどして「鍵掛けの義務化」を周知することで、区民の防犯意識を高めたいという狙いがあります。区の担当者は「自転車盗難は、鍵が掛かっていないと気軽に犯人も盗んでしまう傾向がある。放っておくとどんどん大きな犯罪に発展する可能性もあるので、足立区で犯罪が起きないようにする狙いもある」と説明します。
果たして「鍵掛け義務化」の条例で足立区の自転車盗難に歯止めをかけることができるでしょうか。条例は2018年元日から施行されます。
<罰則はなし 犯罪の抑止効果に期待>
何とか自転車の盗難を減らそうと条例の改正に踏み切った足立区ですが、区の強い思いはポスターにも表れています。ポスターには「条例を変えちゃうほど足立区は本気です」とあります。
ここ数年、足立区では1年間で約2500件の盗難があり、被害者の6割が鍵を掛けていないことで被害に遭っています。そこで、この「鍵掛け」を義務化したものです。ただし、実際に自転車に鍵を掛けていなくても罰則はありません。
また、東京都内全体でみると、自転車の盗難は減っているものの2016年は年間で4万6000件ほどあり、1日当たり120件以上発生しています。また、都内全体でも盗難被害に遭った人のうち、45%が鍵を掛けていませんでした。盗難の発生場所は、自宅、道路上、駐輪場などとなっています。
言うまでもありませんが、自転車を盗むのは犯罪です。窃盗罪に問われると「10年以下の懲役、または50万円以下の罰金」が科せられます。足立区の「鍵掛け条例」は自転車の所有者に盗まれないよう注意を促すものですが、「自転車盗難をさせない、犯罪を起こさせない環境づくり」が大切といえそうです。
「自転車の鍵掛け」条例で義務化 東京・足立区
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