10月に東京・豊洲に移転することが決まっている築地市場で1月5日、新春恒例の初競りが行われました。高値のマグロが落札されるなど例年通りにぎやかな中にも、築地での「最後の初競り」を惜しむ声が聞かれました。
東京の新年を長年象徴してきた築地の初競りも今回が最後です。これまで初競りでは、2013年に史上最高値となる1億5000万円以上で競り落とされるなど、全国各地から築地へと集まったマグロの価格が注目を集めてきました。
最後となった今回、1本当たりの最高値は青森県大間港で水揚げされた405キロのクロマグロで、仲卸業者が3645万円で競り落としました。このマグロを提供する「鮨(すし)銀座おのでら」運営会社の小野寺裕司社長は「ずっと海外も含め、築地から食材を、日本の魚を外国の人に食べてもらっていた。築地市場の最後にうちにマグロが来たのはすごく意味があるし、よかった」と語りました。
一方、1キロ当たりの単価が一番高かったのは、すしチェーン店=「すしざんまい」の運営会社が競り落とした190キロの大間産のクロマグロです。1キロ当たり16万円となる3040万円で落札され、早速、客に振る舞われました。すし店を訪れた客は「すごく甘くておいしかった」「脂がまったりねっとり。最高ですね」「食べた時に普通の大トロとは違い、格別のおいしさがありました」などと話していました。
ただ、新春のにぎやかな風物詩も、これで見納めです。築地市場は東京都の小池知事が安全性などの理由で移転を延期していましたが、およそ2年遅れの2018年10月に移転することが決まっています。新年のあいさつをした市場業者は「僕らの世代で築地ブランドを継承しつつ、豊洲市場で新たなブランドを築いていく責任がある」と語りました。また、別の市場業者も「マグロのマの字も知らずに築地に入ってきて、35年間の中で一人前のマグロ屋として育ててくれた築地に本当に感謝したい」と話していました。
築地市場は80年以上の歴史に幕を閉じ、2019年の初競りは伝統を受け継いで豊洲市場で行われます。5日の定例会見で小池知事は「世界に冠たる築地ブランドを豊洲ブランドに変えるのは(業者の)私たちだと。そのプライド、その実績をしっかりと胸に刻みながら、10月11日に向けて準備を進めていく」と語りました。
築地市場で最後の初競り 業者の胸には寂しさも
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