進化を続けるAI=人工知能によって“未来の運転”が現実になろうとしています。東京都内で初めてとなる、人通りの多い市街地での自動運転の実証実験が間もなく杉並区で始まります。これを前に、報道陣向けの試乗会が開かれました。
自動運転は自動車に搭載されたAIが、カメラやセンサーの情報から周囲の状況を判断して運転する仕組みです。交通事故の減少や渋滞の緩和につながると期待され、官民一体で研究開発が進められています。11日のデモンストレーションでは、運転席に座っているドライバーはハンドルを握ることなく、自動車がスムーズに走行されました。
こうした自動運転を実現させるのが、道路状況のデータが詰まった高精度の3次元地図です。杉並区は土地の所有者や面積などの調査用として作製した高精度の3次元地図を活用し、自動運転の実証実験に協力することとなりました。荻窪駅周辺など、歩行者や障害物の多い市街地では都内初となる自動運転の実証実験を近く行う予定です。
杉並区の田中区長は「車の活用・利便性の向上が将来、発展・改革されていくのか。非常に期待もあり、関心を持って見ていきたい」と語りました。
期待が高まる自動運転について、政府は東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年までに無人での自動走行の実用化を目指すとしています。
<自動運転車の実用化 日本ではいつ?>
今、自動運転の車の開発は世界中で進められていて、アメリカやドイツがリードしている状況です。自動車は日本を代表する産業の一つで、実用化にも期待が高まります。東京オリンピックが開催される2020年には、東京でも自動運転の車が走っているかもしれません。
ただし、そのために乗り越えなければならない高い壁があります。自動運転のレベルは6段階に分類されています。「レベル1」は、前を走る車の距離が近づき過ぎた場合に自動で止まるなど、運転の支援をしてくれるもので、この機能はすでに多くの車に搭載されています。「レベル2」は、レベル1の支援機能を複数、同時に実行します。
そして「レベル2」と「レベル3」で大きく異なるのが、車を動かす主体が「ドライバーからシステムに変わる」という点です。システムが車のスタートからゴールまで、全て車を動かします。今回、東京・杉並区で実証実験が行われたのは、この「レベル3」です。政府は2020年をめどにレベル3を市場化したいとしています。
さらに「レベル4」では、高速道路など限られた領域での完全自動運転が可能になります。レベル4は2025年をめどに市場化を目指すとしています。
政府は自動運転によって交通事故の減少や渋滞緩和のほか、産業競争力の向上につながると期待しています。その一方、自動運転で事故が起きた場合、責任は誰にあるのかなど、制度の枠組みづくりが課題となっています。ドイツは、世界初となる「レベル3」の自動運転車に対応した法改正をすでに行っています。日本政府は2018年3月末までに、法整備や自動運転車の実現に向けての目標や方向性を示すとしています。
自動運転を公開 “未来の運転”東京初の実証実験へ
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