町工場が国産の「そり」を製作する下町ボブスレーの関係者は、平昌オリンピックで提供したそりを使わないと判断したジャマイカ代表に対して法的措置も辞さない構えです。オリンピックでの活躍に期待を募らせてきた町工場の思いを取材しました。
2月5日に、下町ボブスレーのプロジェクト推進委員会が「ジャマイカチームから下町ボブスレーを使わないと連絡を受け、契約違反の損害賠償求めていく方針」という発表をしたことに対し、街の人からは「『やめた』みたいにやられちゃうと『何で?』となってしまう。気の毒」「随分前から一生懸命やっていますよね。そんなに簡単にほごにできるの」といった声も聞かれました。
ボブスレーはそりに乗って氷のコースを滑ってタイムを競うスポーツで、最高時速が130キロを超える「氷上のF1」とも呼ばれています。
2011年に東京・大田区などの町工場が中心となって、世界に誇る技術を使い、国産のそりを造ろうと「下町ボブスレー」のプロジェクトが始まりました。
そして2016年1月、ジャマイカ代表がテスト走行の末に「下町ボブスレー」の採用を決定し、オリンピックで使用するための契約を交わしました。
ジャマイカ代表のジャズミン選手は2017年4月の会見で「下町ボブスレーを造っている大田区と日本の皆さんの協力で、五輪に向かって勝ち抜くだけでなく、新しい歴史をつくっていけることに興奮している」と語っていました。
しかしジャマイカ代表は、平昌オリンピック開幕直前になって「ラトビア製のそりの方が良いタイムが出る」として「下町ボブスレー」を使わないと連絡してきたのです。
会見から一夜明け、ボブスレーの部品を作る大田区の町工場に話を聞きました。
金属の加工を手掛ける町工場「マテリアル」の細貝淳一社長は、プロジェクトの中心を担っていました。細貝さんは「協力してくれた人たちに対する謝罪の気持ちが大きい。下町ジェットという専用機も航空会社に作ってもらい、チャーターして、平昌でジャマイカチームを応援するツアーも企画していた」と語り、オリンピックの舞台を夢見てきただけに、悔しさをにじませる一方で「やめたら負け。続けていくことが自分たちが勝つ近道。諦めず、今の体制もそのままやっていきたい」としています。
細貝さんたちは今後、契約にのっとって6800万円の損害賠償を求めるなど、ジャマイカ側に対して法的措置を取ることも検討しています。
ジャマイカ「不採用」 下町ボブスレー関係者に落胆広がる
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