2017年11月の東京・葛飾区の区議会議員選挙で、1票の差を巡る大きな判断が下されました。2176票で当選した大森有希子さんと、1票及ばず2175票で落選した会田浩貞さんの間で、「無効票があるのではないか」と異議の申し立てがされていました。これについて東京都選挙管理委員会は2月21日、大森さんの得票に無効票が2票含まれていたとして、当選を無効とする裁決を下しました。この結果を受けて、葛飾区内では波紋が広がっています。
2017年11月の葛飾区議選で1票差で落選した会田さんは「大森さんの票に無効票が含まれている可能性がある」などとして、葛飾区の選挙管理委員会に異議を申し立てました。しかし、区選管は「(当時の判断は)違法な部分があるかないかといったところが争点になっていた。違法な部分が一切ないということで棄却した」(葛飾区選挙管理委員会事務局・種井秀樹局長)として、棄却しました。しかしその後、東京都の選挙管理委員会が会田さんの申し立てを受理し、全ての投票用紙を点検した結果、選挙から3カ月ほどたった2月21日、大森さんの得票のうち、2票が無効であると発表しました。この結果、大森さんは会田さんの得票を1票下回ることになるため、大森さんの当選を無効とする裁決が下されました。
これを受けて、当選を無効とされた大森さんは「議員として活動が始まっている。道半ばで今、諦めるわけにはいかない」「1票差で当選した時点でこういうストーリーは想定していた。それが残念ながら現実になってしまうが、まだチャンスは残されている」と語りました。一方、申し立てが認められた会田さんは「結果はたまたま私の方が良かったので、そのことは素直に喜んでいる」「2000票、3000票という中の1票が、こんな重みがあるとは。身に染みて感じている」と語りました。
2票の無効票は「大森ひでこ」「大森ようこ」と書かれていて、都選管は“下の名前が同じ別の候補”がいたため、「いずれの候補者の得票か判断できず無効」と判断しました。これまでこの2票を有効と判断していた葛飾区選管は「基本的にはなるべく無効票を減らそうというスタンスでやっている。今回のケースも名字を優先して、明確に書かれているから大森さんの有効票と判断した」(葛飾区選管事務局・横井局長)としています。
これについて、葛飾区民からは「正確な名前が書かれていないので(都選管の裁決は妥当だと思う)」「それぐらいの間違いなら、名字が間違っていなければ無効とは思わない」「きちんと裁判で決めればいい」などさまざまな意見が聞かれました。
大森さんは裁決を不服として、裁判で争う考えを示しています。ただ、敗訴が確定した場合、1票差で会田さんと当選が入れ替わることになります。
<選挙の「有効」「無効」の判断は?>
今回の採決は、改めて「1票の重み」を感じる結果となりました。葛飾区議会議員選挙でなぜ2票が無効と判断されたのか、詳しく見てみます。
今回のケースで判断が分かれた、選挙で大森さんへの「有効票」とされていたもののうち、今回、都選管が「有効」「無効」を改めて判断した票の一部を見てみます。
投票所で、大森さんの候補者名は「大森ゆきこ」と、平仮名で「ゆきこ」と書かれていました。再判断された7票はいずれも漢字で「大森」と書かれていましたが、名前の部分は平仮名で「ゆうこ」「ひでこ」「ようこ」「ゆかり」「みゆき」と書かれていて、いずれも候補者名の「ゆきこ」ではありません。選挙直後の2017年11月、葛飾区の選挙会は、これらを全て大森さんへの「有効票」と判断しました。しかし都選管は「ひでこ」と「ようこ」を無効と判断しました。都選管はこの2つを無効とした理由に、区議選で「くぼ洋子」さんと「木村ひでこ」さんという候補者もいて、この投票は「大森さんと他の候補者を混同したもの」として、「無効」と判断しました。
公職選挙法で「無効票」と判断されるのは、候補者の氏名のほかに「他の事柄を記載したもの」「どの候補者を記載したのか確認し難
1票差で次点と逆転 葛飾区議選、当選無効で波紋広がる
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