日本大学アメリカンフットボール部の選手が悪質な反則をした問題で、関東学生アメリカンフットボール連盟は5月30日夜、日大の内田正人前監督と井上奨前コーチの指示があったと認め、永久追放に相当する「除名処分」にすると発表しました。一方、選手とチームには酌量の余地を与えています。
関東学連は30日夜に臨時の理事会を開き、内田前監督と井上前コーチを最も重い処分である「除名」、森琢ヘッドコーチを2番目に重い「資格剥奪」、悪質なタックルをした選手と日大チームを条件付きで「2018年度シーズン終了までの出場資格停止」の処分を下しました。
22日の会見でタックルをした宮川泰介選手は「監督から『やらなきゃ意味ないよ』と言われた」と発言していましたが、翌日の日大側の会見で内田前監督は「信じてもらえないと思うが、私の指示ではない」と語り、真っ向から反論していました。悪質なタックルを巡る選手と監督の食い違いに、学連が下した結論は「『やらなきゃ意味ないよ』は立派な指示」(森本啓司専務理事)としました。学連は、タックルをした選手の説明を「具体的で迫真性があり、合理的」と判断しました。
関東学連の森本専務理事は会見で「『今、監督に行ってこい』『QBをつぶすので出してください』『やらなきゃ意味ないよ』『分かった。お前試合に出ろよ』『リードなしで突っ込みますよ』『それで行け。思い切り行ってこい』。そしてスタートメンバーになれたという一連の会話と出来事についての選手の供述は、具体的かつ迫真性があり、なぜメンバー表に載っていなかった当該選手が試合に出られるようになったか、合理的説明になっている」として「どちらを信用するべきかは、火を見るよりも明らか」と断じました。内田前監督の発言は、およそ全てに信用性がないと結論付けました。
さらに、問題の反則に至る経緯として、内田前監督らの指導スタイルにも言及しました。会見した森本専務理事は「内田監督は有望な選手を精神的に追い込んでさらに頑張らせ、もう一歩上のレベルまで向上させるという指導スタイルを好んだ」と指摘しました。この指導方針の下、内田前監督はタックルをした選手を「レギュラー陣の練習から外し、名指しで叱責(しっせき)していた」、井上前コーチも「輪をかけて厳しく指導するようになった」としました。選手たちはこのような指導のターゲットになることを「はまる」と呼んで恐れていたといいます。
会見で関東学連の森本専務理事は「本当に指導者として不向きであるとしか言いようがない」、寺田昌弘監事も「指導者失格」と厳しく批判しました。
学連は、タックルをした選手とチームは反省文や改善報告書などで再発の危険がなくなったと認められれば、それぞれ出場資格停止を解除し、秋のリーグ戦に出られる可能性もあるとしました。
処分発表を受け、スポーツ庁の鈴木長官は「スポーツ界でこういう体質・体制は許されない。アメフトに携わる選手が安心して試合や練習に取り組めるよう、環境整備をお願いしたい」と述べました。
日大は「早急に具体的な改善策を策定、実行し、二度とこのような事案が起こらないよう、不退転の覚悟で進めてまいりたい」という声明を発表しました。
「指導者失格」 日大・内田前監督らを除名処分
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