東京・目黒区で5歳の女の子が虐待されて死亡した事件を受けて、子どもの虐待防止に向けた取り組みが活発になっています。東京都は全庁横断的な会議を開き、子どもを虐待から守る体制の強化などについて話し合いました。
両親への謝罪の言葉をノートに書き残して船戸結愛ちゃんが亡くなった現場周辺は、今も深い悲しみに包まれています。「おねがい、ゆるして」というノートの内容が公開された後、結愛ちゃんが虐待を受けていた現場には多くの人が訪れ、手を合わせていました。訪れた人は「本当に悲しいこと。それに尽きる。あのノートを読んで涙が止まらなかった」と話していました。
どうしたら子どもを虐待から守ることができるのか──。東京都は児童相談所を管轄する福祉保健局のほか、病院経営本部など、児童虐待に関係する部署が集まる初めての会議を開きました。会議で川澄副知事は「児童虐待の防止・対応について、関係各局が全庁的視点に立ち、一丸となって取り組んでいくことをお願いする」と述べました。会議で福祉保健局は児童相談所の体制強化や警視庁との情報共有の範囲の拡大などについて報告し、その上で各部署に対して今後、虐待防止に向けた取り組みを検討するよう要請しました。都は必要な予算や人員を優先的に投入する方針で、スピード感を持って虐待防止に向けた取り組みを進める方針です。
また、民間からも児童虐待防止に向けた声が上がっています。子育てや子どもの支援に取り組む関係者が集まり、政府と東京都に対して8つの対策を求めて会見を開きました。この中で、発起人の一人、認定NPO法人フローレンスの駒崎弘樹代表理事は「悲しんでいるだけじゃ駄目なんだ」と訴えました。具体的には、児童相談所の施設や人員の増加、警察との情報共有の在り方の検討、全ての児童相談所で情報共有できるITシステムの導入などが挙げられています。そして、これらを迅速に実行するための十分な予算が必要だと主張しました。駒崎さんは「虐待死がない社会をつくっていかなくてはいけない。そのためには制度、社会、法律、予算を変えなくてはいけない」と訴えました。メンバーは6月14日からインターネット上で署名を集めていて、現在10万人近くの署名が集まっています。今後、加藤厚労相と東京都の小池知事に署名を手渡す予定です。
<虐待防止に向け 東京都が対策を強化>
東京都が虐待防止に向けた対策を、どのように強化するのか詳しく見てみます。
東京都は主に、3つの項目を検討しています。「児童相談所の体制強化として、児童福祉司など職員を増やすこと」「虐待が疑われる家庭への立ち入り基準を、東京都が独自に策定すること」そして「警察との虐待情報の共有範囲を拡大すること」です。
これまで、東京都が警察と虐待情報を共有する基準は「身体的な虐待で一時保護され、家庭復帰した場合」と「児童相談所の所長が共有を必要と判断した場合」でした。さらに、今後は「家庭訪問で児童を確認できなかった場合」と「性的・精神的虐待が認められた場合」も基準とする方向で検討しています。
児童虐待を防ぐために、実効性ある対策の強化が期待されます。
児童虐待を妨げ 東京都内で関係者の動き活発
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