東京・北区で水道管が破損して水が大量に漏れ出し、近くの商店街に浸水や断水などの深刻な被害が出ました。この水道管は50年前に設置されたもので、老朽化が原因です。
東京都水道局によりますと、7月4日午前3時25分ごろ、北区西ケ原1丁目で地下を通る水道管が破損して大量に水が漏れ出しました。水漏れを起こした水道管は直径30センチの鉄製で50年前に設置されたもので、破損の原因は老朽化と断定されました。水漏れは午前4時すぎに止められましたが、近くの住宅およそ20戸が浸水する被害に遭い、およそ30戸が午後2時すぎまで断水しました。
現場近くの霜降銀座商店街では、朝から対応に追われる人たちの姿がありました。およそ50店舗が連なるこの商店街では14店舗が床上浸水しました。商店街の細野幹人会長は「現場より商店街の地形が低いので、商店街側に水がたまってしまった」と状況を説明しました。商店街のスポーツ用品店の人は「困ります。元の状態に戻るかな。商品も半分以上水につかったから売れなくなる」、生花店の人は「何と言っていいのか分からない。とても悲しい」、鮮魚店の人は「まだ全然めどが立たない」と話していました。また、日用雑貨店は一時、膝下まで浸水したといい、商品が散乱した床一面には多くの泥が残っていました。商店街の細野会長は「こんなひどい被害になるとは思わなかった。品物も駄目になって、きょうは営業できない店がほとんど。大変深刻」と話しました。
水道は午後2時すぎに復旧しましたが、電気系統が被害を受けたために営業再開のめどが立たない店も多くあるといいます。東京都水道局は今後、各店舗を回って、対応について話し合う方針です。
<老朽化進むインフラ 改修追い付かず>
今回、老朽化が原因で破損した水道管は50年前の1968年に設置され、来年度に交換する予定でした。こうした水道管の漏水事故は、東京都内だけで毎年10件以上発生しています。その背景には都会ならではの事情もあります。東京都内の水道管を全てつなぎ合わせた長さはおよそ2万7000キロに及びます。この長さは、地球の周囲3分の2の距離にもなります。
都内ではおおむね40年が経過した水道管が交換の対象となります。ただ、1年間に交換できるのは500キロほどで、全てを交換するには50年かかってしまう計算になります。この結果、都内では常に“自転車操業”的に交換作業が進められている状況です。また、必ずしも古い水道管から順番に交換作業が進められているわけでもありません。オリンピックの関連施設など、さまざまな事情で優先的に作業が進められている箇所がある一方、大規模な交差点の下に設置されている水道管は、交通の妨げとなるという理由で交換作業の工事が行いにくいという現状もあります。ちなみに都内で最も古い水道管は、大正時代に設置されたものが残っているということです。
東京都が管理している水道管で漏水事故が発生した場合、その事故の原因を検証した上で、都に責任があると判断された場合には都が被害の補償をすることもあります。
商店街水浸し…50年前の水道管が破裂 東京・北区
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