東京都の築地市場が10月6日正午に営業を終了します。「日本の台所」と呼ばれ、開業から83年という歴史ある市場の最後の日を前に、築地では惜しむ声が多く聞かれました。
6日に営業を終了する中央区にある築地市場には、最終営業日前日となる5日も雨が降る中を多くの人が訪れ、市場の姿を思い出に残そうと、写真を撮る人が後を絶ちませんでした。訪れた人は「ニュースで見て、築地市場があしたで最後というのでやって来た。いろいろな店を見て回ると、古い看板もあった。長年いたところがなくなるのは寂しそう」「寂しい。いつかは移転しなければならないと思うが、でもちょっと寂しいですね」などと話していました。
多くの人に愛された築地市場は長い歴史を持つだけに、数々の“名場面”も生まれました。初競りではマグロが“億”を超える高額で競り落とされるなど、新年の風物詩となりました。そのマグロを堪能しようと、築地にあるすし店には多くの人が駆け付けました。初競りのマグロを食べた人たちは「最高です」「食べた時、普通の大トロとは違い、格別のおいしさ」などと笑顔を見せました。
また、近年の競り場は外国人観光客にとって、日本独特の文化に触れられる「観光地」でもありました。見学に訪れた外国人は「すごくよかった。もう見る機会がないと思うから大きな魚を見られてよかった」「素晴らしい競りだった。すごく高値で取り引きされていた。いろいろな動きを見学できてよかった」などと話していました。
市場の引っ越しによって見られなくなる“名物”もあります。その1つが、築地市場の正門にある「掲示板」です。市場内の落とし物が書き出されるこの掲示板の内容は、マグロやウニ、野菜など築地ならではの落とし物ばかりで、そのユニークさから観光客にも人気でした。掲示板も豊洲市場に“移転”しますが、豊洲では市場関係者と見学者の入れるコースが分かれているため、一般の人が見ることは難しくなりそうです。
さらに、新橋駅と築地市場内を結ぶ都営バスも見納めです。バスは移転後、豊洲市場と新橋を結ぶことになります。
市場関係者は「この雰囲気がなくなるのは寂しい。ただ、私は楽しみにしているので、豊洲でも愛される店を作りたい」「思い出はたくさんある。この土地が好きで仕事をしていたから、好きな土地を離れるのは寂しい。エビを競っているので、最終日のあすは楽しく最後締めて、いいエビを買いたいと思う」などと話していました。
築地市場は10月6日で閉場し、11日に江東区豊洲へと移転します。
さよなら築地市場、あすで83年の歴史に幕 多くの惜しむ声
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