築地に代わる、東京都の新たな中央卸売市場・豊洲市場が開場しました。市場移転初日の様子と課題についてまとめました。
移転初日となった11日は売り場に無事、商品が取りそろえられ、競りも滞りなく終了しました。市場関係者も東京都の市場当局も「概ね順調」という認識を示しています。しかし周辺の道路では早朝から渋滞が発生しました。都心につながる道路・環状2号線が全線開通していないことが原因で、11月上旬の暫定開通によって渋滞は緩和されるとみられています。
この日は早朝から東京都の小池知事も豊洲市場を訪れ、マグロと青果の競りなどを視察しました。今回の視察の狙いは「安心安全」のアピールです。建物の下に「盛り土」がなかった問題や汚染水などの問題による豊洲市場の風評被害は、東京都にとっても小池知事にとっても懸念材料となっています。
豊洲市場を巡っては舛添前知事の時には開場日を2016年11月7日と設定していましたが、その後就任した小池知事が移転を延期し、最終的に開場日は当初の予定より2年遅れました。この間、盛り土がなかったことなどを受けて、38億円に上る追加対策工事を行いました。開場日に市場に小池知事が視察した背景には「38億円の工事費用と2年間の遅れは、安心を得るためには必要だった」という、安心・安全な市場をアピールする狙いがあるとみられます。
<地元はにぎわい創出に期待 記念セールも>
市場が開場した豊洲の街では、この日を待ちわびた人たちからにぎわいの創出に期待する声が聞かれました。
豊洲駅から程近いすし店「築地銀一丁」は、これまで「築地ブランド」にこだわってきました。築地銀一丁・豊洲店の高橋健太郎副店長は「築地ブランドはすぐにはなくならない。日本の魚の鮮度の象徴と思っている」として「新しい豊洲の地で、築地の名前を汚さないよう、いい商品を出し続けていきたい」と話しました。今後はすぐ近くにある豊洲市場から素材を仕入れるということで、高橋さんは「バイヤーが豊洲に毎日行き、新鮮な魚を提供したい」と意気込みます。そして「市場移転をきっかけに、豊洲の街全体が盛り上がれば」と期待していました。
豊洲のランドマークともなっている「ららぽーと豊洲」では、築地から豊洲への市場移転を記念して、これまでの歴史を振り返る写真展が行われています。ららぽーと豊洲では今後、豊洲市場と連携して、場内の新鮮な野菜や果物を集めたマルシェなどを開催していくということです。また、地元の商店街・豊洲商友会協同組合の渡辺哲三理事長も「心配事もないわけではないが、地元に市場があることを生かした商店街づくりをしたい」と語り、地域ぐるみで「豊洲ブランド」を作り上げていきたいとしています。
新市場への期待は豊洲だけにとどまりません。大手スーパーマーケット・イオンの品川区にある店舗では、豊洲市場の開場を記念したセールが始まり、早速仕入れた新鮮な魚や野菜が店頭に並びました。買い物客は「楽しみ。いろいろあるだろうが、豊洲市場はきれいだし、楽しみにしている」「安全が確保されていれば主婦は喜ぶ。安くておいしいものが届けば一番いい」と話していました。
多くの期待の声を受けながら、新たな「日本の台所」の歴史が幕を開けました。
<課題は「使い勝手」と「財政面」>
豊洲市場の開場には課題も浮き彫りとなっています。まず「使い勝手の向上」です。豊洲初日となる11日午前4時半ごろには、ターレと呼ばれる小型運搬車同士が衝突する事故があり、60代の女性が足にけがをしました。業者は習熟訓練を受けているため、徐々に慣れていくと思われますが、小池知事も「業者の声を聞きながら豊洲市場を日本の中核市場に育てていく」としています。
財政面の課題もあります。東京都によりますと、豊洲市場を運営した場合、年間で92億円の赤字が出るとされています。当然ながら、東京都にはコストマネージメントが求められます。東京都は築地市場の跡地を民間に貸し出して再開発する方針で、年間160
豊洲市場が開場 課題は赤字補う築地再開発と使い勝手
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