大手私鉄・京王電鉄の子会社で旅行業を経営する「京王観光」が、取り扱う団体旅行でツアー参加者を少なく見せ掛け、JRの乗車料金の一部を支払わない不正が繰り返されていたことが分かりました。
京王観光などによりますと不正を行っていたのは大阪にある2つの支店で、2018年6月の社内調査で発覚したということです。この2つの支店は、ツアー参加者の切符を発券する際、実際の人数よりも少なくして、客から集めた金と運賃の差額を利益として計上していたとみられています。子会社の不正に対し、親会社である京王電鉄は「不正の内容は検証中」としながらも「組織的に不正を働いていたことは事実」と答えています。また、「重要なお取引先様であるJR様への背信行為であり、極めて重大な不正行為だと受け止めています」とコメントしています。
現在、被害が分かっているのはJR西日本とJR東海で、JR東海は「JRの乗車券類を発売できる立場を悪用した不正乗車で、極めて遺憾。厳正に対処する」とコメントしています。また、JR東日本も被害があったものとみて、調査を進めています。今後、JR各社は不正の内容を確定させた上で、損害賠償を請求する方針です。
<京王観光の不正乗車 その手口は?>
京王観光はJRから委託を受けて乗車券を販売していて、代金は後からまとめてJRに支払っています。
例えば、1人1万円分のJRの切符を使う旅行で、実際の旅行参加者が100人いたとします。しかし、京王観光はそれを「80人分」など、実際より少ない人数で発券していました。切符は同行する添乗員が提出するため、自動改札ではなく駅員がいる改札が使用され、JR側には「参加者は80人」と偽って乗車します。この際、乗車する人数と切符の枚数(あるいは団体乗車券に記されている人数)を照らし合わせれば不正は見抜けるはずですが、実際にはJRは乗車人数と切符の内容を厳密には照合しないことがあるといいます。京王観光はJRとの信頼関係を悪用し、この例の場合、不正に乗車させた20人分の料金=20万円を利益として計上していたとみられます。
今回の不正に関する被害額についてJR各社は調査中としていて、全容はまだ明らかになっていません。
京王観光がJR券不正 組織的に端末悪用か
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