ことしはゴールデンウイークが10連休になるということで、早くも旅行業界は盛り上がりを見せています。こうした中、1回のツアーが数十万円という豪華ツアー専用の最高級観光バスが登場しました。
1月から、大手旅行会社「クラブツーリズム」が運行を始めたのは、これまでで最も製作費をかけて作った最高級観光バスです。高級感あふれる赤と黒の外観には金色のエンブレムが光り輝き、バスの車内は茶色を基調とした温かな雰囲気で、落ち着いた空間が広がります。木材がふんだんに使われ、細部まで装飾が施されています。また、天井には城や寺などで見られる格天井が採用されました。通常は40席以上ある観光バスの座席は、半分以下の18席に抑え、足元は広々として、1人当たりのスペースは今までの観光バスの2倍以上確保されています。シート自体もふかふかで、体を包み込んでくれるようです。そして、車内後方にはバーカウンターも設置されるなど、まるでホテルの1室のような造りになっています。
このバスをデザインしたのは、“走る高級ホテル”ともいわれるJR九州のクルーズトレイン「ななつ星」を手掛けた水戸岡鋭治さんです。デザインについて水戸岡さんは「気の休まる、ゆっくりとした旅を(利用客は)望んでいるんだろうとデザインした。走るティールーム、走る茶室。そんな感覚でデザインした」とコンセプトを説明しました。
この高級観光バスを使ったツアーは、専属のバスガイドが担当します。選ばれたのは、他のバスガイドの指導も行うトップレベルの知識とサービスを誇る2人です。豪華なバスに乗り、国内屈指のきめ細やかなサービスも受けられる、第1弾として企画されたツアーの料金は5泊6日で1人当たり34万円からで、北関東から東北を巡って各地の名湯を訪れ、こだわりの宿に泊まるというものです。
今回、高級観光バスを導入した理由について、クラブツーリズムの浅野佐知子さんは「バスの移動空間に関しては、ゆったりとした快適な空間を望むお客さまの声が非常に多かった。付加価値の高いものがとても支持されてきているし、そういったものに価値を感じている人が多い」と話します。
旅行業界では近年、高級志向が高まっていて、JR東日本の「トランスイート四季島」や、JR九州の「ななつ星」、JR西日本の「トワイライトエクスプレス瑞風」など、クルーズトレインと呼ばれる豪華寝台列車が好調です。このバスもニーズの高まっている国内の豪華ツアーの顧客を取り込んでいく狙いで、クラブツーリズムの浅野さんは「バスを移動として使うのではなく、クルーズのように、乗り物の中でどのように過ごすのかというところを旅行の主目的として捉えた点が、非常に需要が高いと感じている。今後、付加価値ツアーを拡大していきたい」と話しています。
<豪華ツアーバス 各社が相次いで参入>
旅行会社やバス会社では、この他にも近年、高級観光バスの導入が相次いでいます。阪急交通社がことしの4月から導入するバスの名前は「クリスタルクルーザー・菫(すみれ)」で、例えば東北を巡る5日間の旅は24万8000円からというツアー代金です。また、JTBが2017年に導入した「ロイヤルロード・プレミアム」に座席は10席しかありません。ゴールデンウイークに出発する東北地方を巡るツアーは5日間の日程で69万8000円からとなっています。
観光バスツアーの業界は競争が激化していて、各社は高級志向のプランを企画して差別化を図っているということです。
“豪華ツアー専用”観光バスが登場 デザインは水戸岡鋭治さん
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