東京・板橋区の5階建てのビルで火事があり、男性1人が意識不明の重体です。9日連続の乾燥注意報が出ている東京都内では火事が続き、死者も相次いでいます。
東京消防庁などによりますと、1月29日午後1時ごろ、板橋区板橋にある5階建てビルの1階から火が出ました。撮影された映像には、立ち込める煙が瞬く間に建物全体を包み込み、ビル2階の窓から逃げ遅れた人がエアコンの室外機に避難して、助けを待つ姿も写っていました。
この火事は1時間半後にほぼ消し止められましたが、逃げ遅れた60代の男性が意識不明の重体、そのほか5人がけがをしました。隣でビルで働く人は「火事だと聞いて、エレベーターを使わず階段で逃げた。外に出たらすごく煙が入ってきていて、みんな苦しそうな顔をしていた。担架で1人運ばれていた」「だんだん焦げ臭いにおいが濃くなった。少し逃げ遅れていたら危なかった」などと話していました。
28日夜には杉並区桃井のアパートでも火事があり、火元の部屋に1人で暮らしていたとみられる70代ぐらいの男性が死亡しました。
<犠牲者が倍増 空気の乾燥も一因か>
今年に入ってから東京都内では火事が多発しています。28日までの東京消防庁管内の火災発生件数は、前年の同じ時期に比べて31件多い386件に上り、死者も20人に倍増しています。このうち、少なくとも14人は65歳以上の高齢者です。
都内には9日間連続となる乾燥注意報が出されています。東京消防庁は火事が多発している原因の1つとして、空気の乾燥が続いていることにあるとみています。
「湿度30%・風速3~4メートル」と「湿度80%・風速1~2メートル」の2つの条件で、たばこの火が草に燃え移るまでの時間を計った実験映像があります。比較すると、乾燥した環境では1分が過ぎたころから炎が目立ち始め、3分後には煙も充満して大きな炎となりました。一方、湿度が高い環境では、草が少し黒く焦げているだけで、10分が過ぎてから大きな炎が発生しました。湿度と風速の違いで炎の発生には7分ほど違いがあり、乾燥した状態は火事につながりやすいことが分かります。
<東京消防庁は緊急会議で“危機感”>
火事による犠牲者が後を絶たない状況に歯止めをかけようと、東京消防庁は29日、緊急の対策会議を開きました。この中で、警防担当の松井晶範理事は「巡行警戒をしてほしい。ただやればいいというのではなく、各消防署管内の実情に応じた時間帯を捉えてやってほしい」と訴えました。
今年、死者の出た住宅火災の原因は、たばこ・ストーブ・ろうそくなどとなっています。さらに、乾燥した状態が続いていることで燃え広がるケースが多く、東京消防庁は火の取り扱いには十分注意するよう呼び掛けています。
東京都内で火災相次ぐ 板橋ビル火災で必死の避難も
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