景気が停滞する中国で、失業中の人に人気となっているサービスが登場しました。その名も「出勤偽装会社」。一体どんなところなのでしょうか?
北京の郊外にあるビルのオフィス。平日の午前中、数人の若者がパソコンに向かい、作業をしています。一見、よくあるオフィスの風景ですが…
「(Q.失業中ですか?)はい、まだ仕事が見つかっていません」
職を失った人たちが、まるで会社に勤めているかのような気分になれる施設なのです。失業中でも人とのつながりを求める人や周囲に失業していることを知られたくない人の間で需要が高まっています。
記者
「こちらのオフィスには『社長室』と書かれた部屋がありますが、実際開けてみますと、非常階段になっています」
遊び心にあふれたオフィス。気休めなのか、希望する人には偽物の「在職証明書」や「給与明細」を発行するサービスも提供しています。その額、なんと「3億元」、日本円でおよそ60億円と書かれたものまで。
施設の使用料は昼食が付いて、1日およそ1000円。軽食や飲み物は無料です。さらに猫もいて、失業した人たちの心を癒してくれます。
この施設、今年6月にオープンしたばかりですが、20席以上あるスペースが日によっては満席になるほどの人気ぶりです。
背景には今の中国の深刻な就職事情が関係しています。中国の先月の若者の失業率は17.8%と雇用情勢は厳しさを増しているのです。
なぜこの施設を利用するのでしょうか。この26歳の女性は大学院を出たものの就職することができず、現在は就職活動中です。
利用者(26)
「安定した仕事に就きたいんです。ここは周りに多くの人がいて、寂しくない感じがします」
現在、失業中だという別の利用者は…
利用者(24)
「自宅だと怠けてしまいますが、ここなら会社にいるように規則正しく過ごせます」
失業中の彼らにとっては社会と関わりがもてる大事な場所なのです。さらに、ここでは利用者の就職や起業を支援しようと、相談会などのサービスもあります。
自身も失業した経験がある社長は「失業中でも殻に閉じこもるのではなく、その期間を人生のステップアップに繋げてほしい」と訴えます。
出勤偽装の会社を運営 朱冠霖 社長
「出勤するふりをしたとしても、それは逃避ではなく、この時代の価値観を受け入れるための前向きな選択なのです」
失業している自分を偽装して景気低迷を乗り切る。たくましく前を向く中国ならではの新しい知恵なのかもしれません。
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中国で失業者に人気「出勤偽装会社」とは? 偽物の在職証明書に給与明細まで 就職難で“周囲に失業を知られたくない”|TBS NEWS DIG #shorts
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