シリーズSDGs「地球を笑顔にするウィーク」です。世界初となる木でつくる人工衛星の開発が京都で進められています。なぜ、あえて木なのか。宇宙開発の未来を担う挑戦を取材しました。
おととし12月、京都大学である研究が進められていました。
学生
「世界で初めて、木材を使用した人工衛星になります」
およそ10センチ四方、重さは1キロほどの超小型・木造人工衛星です。開発を主導するのは宇宙飛行士の土井隆雄さん。およそ30年前、日本人で初めて宇宙での船外活動に成功しました。
宇宙飛行士 土井隆雄さん
「宇宙から見る地球の姿は、本当にすばらしくて胸を打ちます」
近年、宇宙開発が活発になるなかで、ある危機感を抱いたと言います。
宇宙飛行士(京大研究員) 土井隆雄さん
「人工衛星の数が増えてくると、地球大気圏に再突入したときの酸化アルミニウムがどんどん増えてしまう。今まで考えられなかったような異常気象が起こるだろうと」
従来の人工衛星はアルミニウムなどの金属でつくられています。役目を終えて大気圏に突入して燃え尽きると、酸化したアルミの粒子が残ります。この粒子が大気中に蓄積し、異常気象を引き起こす可能性があるというのです。
そこで土井さんが目をつけたのが「木」でした。
宇宙飛行士(京大研究員) 土井隆雄さん
「木材の場合は、二酸化炭素と水に変わるだけで、水蒸気になって、きれいに燃えて、灰みたいなものが残らない。木造人工衛星にすれば、地球大気圏を汚さない。いくら打ち上げても大丈夫だと」
そして去年、木造人工衛星をのせたロケットが出発。宇宙に放たれる瞬間を、開発チーム一同で見守ります。ほかの2つの人工衛星と一緒に無事、放出されました。
ところが、翌朝、木造人工衛星と通信を試みるも…。
「何も聞こえてこないなあ…」
「見えなくなる。ダメでした」
その後200回以上通信を試みましたが、木造人工衛星からの返答はありませんでした。
そして先月、研究室では、木造人工衛星を改良した2号機の開発が進められていました。1号機の通信ができなかった原因は、外付けのアンテナが開かなかったことではないかと考えられています。そこで2号機は、木が電波を通すという特性を利用し、アンテナを内蔵することにしました。今後も改良を重ね、2027年度の打ち上げを目指します。
宇宙飛行士(京大研究員) 土井隆雄さん
「地球の環境をきれいなままでおけるのが木造人工衛星。うまくいけば、木造人工衛星の実用化に向かって、非常に大きな一歩になる」
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世界初・木材を使用した人工衛星の開発進む 宇宙飛行士の土井隆雄さんが開発主導|TBS NEWS DIG
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