小さかった娘は成長し高校に入学。しかし「いじめられてかなしかった」と遺書を残し自殺を図りました。命は助かりましたが、名前を呼んでも娘の声は返ってきません。いじめが認定されるまで両親が費やした期間は約11年。父親の“これまで”と“これから”は。
■娘へのいじめ 認定に11年「目は開いているけど反応はない」
記者
「1人目のお子さんですか?」
父親(49)
「そうですね。本当にすごいかわいくて。『和菓子屋さんになりたい』と言っていたので、『和菓子屋に就職して、今ごろ働いているのかな』って感じで思っていました」
娘はいま、26歳。11年前に自殺未遂し、命は助かりましたが、意識障害が残りました。
父親(49)
「呼び掛けても特に返事はない状態で、目は開いているけど、こっちを向くわけではない」
記者
「自殺未遂の原因は?」
父親(49)
「明らかにいじめだと思います」
■娘の遺書「いじめられて すごいかなしかった」
2014年4月、娘は神奈川県にある私立高校に入学。しかし、1か月半後「友達グループにいじめられている。無視や仲間外れ、体当たりをされる」と訴え、翌日、自殺を図りました。
両親と学校が争ったのは、同級生の行為が“いじめ”かどうか。
いじめ防止対策推進法で、いじめは「他の児童・生徒が行うもので、その児童・生徒が心身の苦痛を感じるもの」と定義されています。
娘は遺書で、はっきりと苦痛を訴えていました。
遺書
「いじめられてすごいかなしかった。もうたえられない」
しかし、学校側と第三者が委員を務めた「教育改善委員会」は…
「友人関係内で起こり得る葛藤と著しく逸脱しているということはできない範囲のものであり、“いじめ”と認定することは難しい」
そもそも、いじめで“重大な被害が出た疑い”がある場合学校側は「重大事態」として速やかに報告・調査するよう法律で定められています。
しかし、学校側は現時点では「いじめによる重大事態とはしない」ことを調査前に内部で決めていたといいます。
その後、両親の要求で再び調査されましたが、いじめは認められず。
委員は第三者のみでしたが、遺書は“いつどこで見つかったか定かではない”などとされ資料から除外されていました。
父親(49)
「なんでそういうことが書けるのかな。私たちへの聞き込みは1回も無かった。1回目と調査メンバーがほぼ一緒。怒りを通り越したというか、この状態で娘に報告できないし、再調査をお願いしました」
■「どうして娘をいじめたのか」“いじめた理由”はわからないまま
3度目の調査は県の第三者委員会が担当し、委員は全員交代。
しかし、調査開始の時点で発生から7年が経ち、いじめたとされる生徒の一部は連絡が取れなくなっていました。
3月に公表された報告書では、いじめはあったと認められ、自殺未遂にも“程度は不明だが影響を及ぼした”とされましたが、“いじめた理由”はわからないまま。
父親(49)
「(報告書は)概ね納得はいくが、どうして娘をいじめたのか。あまりにも時間が経ちすぎて、真実がわからなかったのは、すごく悔いが残る」
報告書は、“調査に長い年月がかかった原因の大半”は「学校側の消極的な姿勢」と「法律への無理解」にあり、当初の調査を“法に則った対応ではなかった”と批判しました。
これまで、娘へのいじめ認定のために11年もの歳月を費やしてきた両親。
父親(49)
「娘の意識が戻った時に身体がかたくならないように、ちゃんと動くように。医学的には『意識が回復するのは無理』と言われているのですが、親としては意識が戻ると信じて。将来的には意識が戻って、家族で暮らして遊びに行ければと思っています」
■「大切な人を助けるためのツール」匿名で報告・相談できるアプリを導入
文部科学省によると、心身や財産に重大な被害があったとして認定されるいじめ重大事態は、2023年に1306件となり、過去最多を更新しています。
いじめをどう予防し、重大化を防ぐか。
文部科学省のいじめ防止対策協議会は、6年ぶりに未然防止についての議論を始めています。
三重県四日市市では、2022年に、全ての小・中学校(59校)でいじめを匿名で報告・相談できるアプリ「スタンドバイ」を導入しました。
四日市市立 浜田小学校 松月雄一校長(当時)
「子どもにとっては、面と向かって『言おうかな、どうしようかな』と思っている時に気軽にポチっとやれば、とりあえず向こうが聞いてくれるので、相談のハードルが下がった」
四日市市内での「スタンドバイ」を通した相談は、年間8365件(2024年度・1月末まで)あります。
四日市市教育委員会 伊藤幹朗指導主事(当時)
「『友達がいじめられているんじゃないか』『家族が悩んでいる』『兄弟が悩んでいる』というような相談もあったので、自分だけではなく、大切な人を助けるためのツールとして使われている」
■教員の“抱え込み”を防ぐ新アプリ 情報共有で「いじめ予防」
一方、いじめの重大化を防ぐ上で重要なのは、学校による組織的な対…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20250409-6229412)
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「娘は目が開いているけど反応はない」いじめの苦痛を訴え自殺未遂。それでも…いじめ認定まで11年 父親の“これまで”と“これから”【news23】|TBS NEWS DIG
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