過労死ラインを大幅に超える勤務のすえ亡くなった中学校の教員。この死をめぐる裁判の判決が5日言い渡されます。焦点となっているのが長時間勤務の要因となった部活動です。部活動は「教員の自由裁量で行われる」とされていますが、すべての責任は教員にあるのでしょうか?
■部活は「教員の自由裁量」? 教員“過労死”
2023年3月、福岡市で全国から集まった教員らが訴えていたのは、教員の働き方について。
街頭デモ「『部活動顧問』を強制することはできません」
教員と部活動。この関係をめぐって5日、注目の裁判の判決が言い渡されようとしています。
夫を過労死で亡くした女性
「子どもたちと元気に過ごしてるよって、見守ってもらってるっていう思いがあるかな」
富山県に住む40代の女性。2016年、滑川市の公立中学校の教諭だった夫(40代)を「くも膜下出血」で亡くしました。
夫を過労死で亡くした女性
「2人目が生まれる前に亡くなってしまったので、家族4人揃った写真っていうのがないんですよ。なので似顔絵を書く方に4人一緒のやつを書いていただいて、それが家族写真になってしまったっていうのが、ちょっとつらいですね」
夫は当時、理科の教科指導や3年生の担任に加え、女子ソフトテニス部の顧問を務めていました。
夫を過労死でなくした女性
「土日とかほぼ全て学校の行事にとか部活に出てるってことで、(亡くなる前)最後の3連休も本当は18日が休みだったんですけど、翌週からの試合があるので、生徒たちが練習したいと言ったのでこの休みも無くなって」
発症前の53日間のうち、休日は1日だけ。
時間外勤務は最大で、過労死ラインとされる80時間を大幅に超える月155時間に達したといいます。
2018年には「くも膜下出血」の発症は部活動の指導をはじめとした長時間勤務が原因だとして、「公務災害」と認定されました。
夫を過労死で亡くした女性
「残された先生たちが、また同じようなことになるんじゃないか。同じ思いをする家族がまたうまれてしまうんじゃないかという、その思いだけで」
■専門家「教員の自己犠牲で成り立ってきた」
2019年、妻は滑川市と富山県に合わせて約1億円の損害賠償を求める裁判を起こしました。
妻側は夫が死亡したのは、市側が勤務時間を適切に管理する義務を怠った安全配慮義務違反によるものだと主張。一方、市側はこれまでの裁判で、部活動については「教員の自由裁量によって行われた」などと反論し、賠償責任はないと主張しています。
部活動をめぐっては学習指導要領のなかで、「生徒の自主的、自発的な参加により行われる」などと書かれているだけで、教員がどう関わるべきかは明記されていません。
専門家は…
名古屋大学大学院 内田良教授
「『部活やってください先生』って言われたときに、仕方なく自己犠牲のもとやってしまう。実際には自主的と位置づけられながらも学校の活動としてちゃんと設けられ、そして顧問が割り当てられ、指導しているからには、基本的には労働だろうと」
責任はどこにあるのか?明らかにしてほしいと妻は願っています。
夫を過労死でなくした女性
「主人は教員っていう仕事がすごくすごく好きだったんですよ。『俺は教頭にも校長にもならなくて一生教員でいたいんだ』って言ってたんですね。ずっとずっと子どもたちと関わるいち教員でいたいって言ってたんです。学校でやる部活なら授業と同じように、教員の健康を守りながらやってほしいと思うんですね」
■部活動は自主的な活動? 部活動地域移行も…様々な課題
小川彩佳キャスター:
取材した社会部の小松記者に聞きます。亡くなった教員はくも膜下出血を発症する前の53日間のうち、休日はわずか1日だったということですけれども、市はこの状況についてどう説明しているのでしょうか?
社会部文科省担当 小松玲葉記者:
市側は、夫がくも膜下出血を発症する2か月前の時間外勤務が月約125時間で、このうち98時間が部活動に従事した可能性がある時間としています。ただ、これはあくまでも職務命令の対象ではなく、教員の自由裁量により行われた活動だとしています。
小川キャスター:
98時間は自由裁量だったということですか?
小松記者:
はい。遺族は、「部活動も“子どものために好きでやっている”という言葉だけで片付けるのはおかしい」と話されていました。さらに、「良い先生だった」という美談で終わるのではなく、二度と同じことが起こらないよう、責任の所在を明らかにしてほしい」とも話されていました。
小川キャスター:
こうした状況を変えようという現場の動きはないのでしょうか?
小松記者:
2023年度から本格的に中学校の部活動の運営を地域や民間企業に委ねる地域移行が実施されていますが、金銭面の負担や人材の確保など様々な課題に直面していて、実際に教員の負担が減るかはまだ未知数です。
私達の取材にある中学校の教員は、今年度のはじめに「この部活とこの部活とこの部活がありますがどれを担当しますか?」と聞かれるのが当たり前だとも話していて、…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20230705-6095435)
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「夫の死を美談で終わらせたくない」部活動による長時間労働で過労死した40代教員の妻、部活の過労は誰の責任?【news23】|TBS NEWS DIG
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