ウクライナ侵攻から半年、膠着状態が続き“消耗戦”の様相も呈している状況に「綺麗な出口はない」―。長年、戦争と平和の研究を行ってきた藤原帰一・東大名誉教授に、今後の行方について伺いました。
■「綺麗な出口はない」
山本恵里伽キャスター:
ロシア軍が東部地域を支配している状況は変わらないですが、ハルキウの周辺などでは、ウクライナ軍の反撃も続いていて、膠着状態が続いているという状況です。
小川彩佳キャスター:
藤原さんは国際政治がご専門で、戦争と平和についても長く研究されてきましたけれど、その中で今回の進行は綺麗な出口がないとご覧になっていると。
東京大学 藤原帰一名誉教授:
ウクライナへのロシアの侵攻は大変な犠牲を生み出しています。武力による勢力圏の拡大は国連憲章違反ですし、民間人に対する加害行為が大規模に行われている。殺戮という言葉を使って構わないと思います。このような状況を受け入れることがあってはならない。
だから早い打開、解決を見いだしたいのですが、二つ方法があるのですけれども、どちらもそれで成果が得難いのです。一つは圧倒的な武力によって相手を制圧するやり方、この場合、NATO側からすれば、NATOがさらにウクライナに軍事的な支援を行い、あるいはNATOが直接、戦争に従事する。これは、戦争をエスカレートさせることがあってもロシア軍を制圧し、短期間で達成することは不可能だと思います。また和平交渉、停戦を実現し和平交渉を行う。これも両方とも、まだ勝てると思ってる状況です。なかなか達成できないということで、残虐な戦争が続くのを、我々はまだ見ていることになりそうです。
■プーチン政権が崩壊するまで、この戦争は続く可能性が
小川キャスター:
まだまだこの状況というのは続いていくということなんですね。
藤原教授:
基本的にはロシアに勝ち目がない戦争だと思います。侵略を行った側だということに加えて、ウクライナ側の結束が固い。だから占領統治を受け入れることは、基本的にはあり得ないと見て構わない。おまけにNATOが軍事的にテコ入れをしているのですから勝ち目がないのですが、ロシア軍事大国ですから、ウクライナに負けるということが考えられないのです。
現在も戦線が膠着しているのは、NATOが支援しているということがあってのことですが、両方とも、もっと時間が経ったら自分に有利な条件が得られると考える。経済制裁の打撃はこれからさらにロシアを襲っていくわけですけれども、ロシアから見れば、エネルギー供給を左右することで、NATOの結束を弱めることができるという期待がある。何よりこれプーチンの戦争ですから、プーチン政権がこの戦争を止めようとしない限り終わらない。プーチン政権が崩壊するまで、続く可能性があります。
■尊い命が失われ続けるという厳しい現実、残酷な戦争の長期化
小川キャスター:
そして、そうしている間にも市民の皆さんの暮らし、故郷そして何より尊い命が失われ続けるという厳しい現実ですね。
藤原教授:
戦争を終結させるというのことは、実は非常に難しいことなんですね。これまでも我々は、例えば旧ユーゴスラビアの解体とか、シリア内戦シリア戦争ですね、そして内戦といったものを見てきました。また、戦闘の後の占領統治が失敗したアフガニスタンとかイラクとかいった事例があります。
そして、NATOは今、ウクライナを盾にとってNATOを守ろうとしているけれども、ロシアとの戦争は避けたい。ロシアは戦争の犠牲大きいんですけれども、まだ国内の支持が維持されているという状況。国際的な結束は、実は全面的なものではなく、ヨーロッパ中心なんですね。
ですから、ASEAN諸国をはじめとしてこの紛争から距離を取ろうとする国がまだまだ多い。という中でこの残酷な戦争の長期化を見ていかざるを得ない状況です。無念です。
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ウクライナ侵攻半年“消耗戦”の様相も「綺麗な出口はない」ワケとは? 戦争と平和研究の第一人者が語る侵攻の行方とは?|TBS NEWS DIG
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