1歳4か月の息子を連れてウクライナから日本に避難してきた女性ダンサー。避難先はサーカス団。夫を祖国に残し舞台に立つ彼女の思いを取材しました。
福岡県で公演中のサーカス。ダンサーのイリナさん(30)は、3月末にウクライナから避難してきました。そして、ステージの裏には、もう一人、避難してきた人が・・・。
イリナさんと一緒に避難してきた息子の1歳4か月のマキシム君です。徴兵の可能性がある夫はウクライナに残り、母子2人で日本に避難してきました。
2人の住まいは、テント裏にあります。ズラリと並んだコンテナ。ここで団員やスタッフが暮らしています。
9カ国25人が在籍するサーカス団。実はイリナさん、以前このサーカスで1年間ダンサーとして働いていました。そのつながりから避難を受け入れてもらえたといいます。
サーカス団からは食事や住む場所が提供され、4月末には就労ビザが取得できたため
お給料ももらえます。
イリナさん:
私は給料がもらえて、なんとかやっていくことができます。でも、避難してきた人は
生活費や仕事の支援が必要です。
サーカス団の子どもたちは、マキシム君のお兄ちゃんがわり。徐々にここでの生活にも
慣れてきたといいます。
イリナさんが暮らしていたのは、ウクライナ西部の、テルノーピリ。
イリナさん:
最近、マンションを買ったばかりでした。家具も新しく買って、新生活が始まったところだったんです。
結婚7年目で生まれたマキシム君を夫・ワーシャさんは誰よりも可愛がり、色んな所に連れて行ったといいます。これは今年1月、両親が暮らす南部の町、ヘルソンに行った時の写真です。しかしこの時からわずか2か月後…
イリナさん:
この駅も爆撃されました。両親が経営していた市場にあるカバン店も爆撃され、
現在はウクライナ西部に避難しています。
国山ハセンキャスター:
この(写真の)時は、当然こんな風になるなんて思ってもなかったですよね?
イリナさん:
ある日、目が覚めたら、戦争が始まっていました。
ヘルソンは3月初めにロシア軍に制圧されました。一方的に親ロシア派がトップに就任し
通貨がロシアのルーブルに切り替えられるなど、ロシアの実効支配が進んでいます。当たり前だった日常が、ある日突然奪われる現実。
親子が共に暮らす日常も奪われました。ウクライナに残る夫・ワーシャさんはいつ徴兵されるかわからない状況だといいます。今は電話でやり取りをしています。
イリナさん:
マキシム、パパを両手で持って。パパだよ。会いたいね ハグしてあげて。
ワーシャさん:
パパもすごく会いたいよ。
国山ハセンキャスター:
すごく辛いですね、離れ離れは。
イリナさん:
マキシムは前より話せるようになったし常に成長しています。新しい歯も二本生えてきました。でも、夫はこれを見ることができないんです。
様々な思いを胸に、彼女は今日も、舞台に立っています。
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“成長していく息子を彼は見ることができない”夫を祖国に残し息子と日本へ ダンサーとしてサーカスの舞台に立つ|TBS NEWS DIG
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