ロシアのウクライナ侵攻による世界経済の停滞と急速に進む円安で日本経済に大きな影響が出始めています。値上げの波が身近な食品から子どもたちの給食、さらに住宅の建設費用にも押し寄せているのです。私たちの暮らしはどうなるのでしょうか?
■ピザにワイン・生ハムも値上げ 避けられない2つの理由
東京都内にあるイタリアン酒場。
長く続いた“まん延防止措置”の解除を受けて、徐々に来店客が戻りつつあるといいますが、ここへきて不安要素が増していました。
赤バルRETZE赤羽店・寄木一真営業部長
「うちの場合だとパスタやピザで小麦粉使うものが多いので、油もそうだが品薄状態で非常に値段が高騰していて困っています」
ロシアによるウクライナ侵攻などの影響で政府から売り渡される輸入小麦の価格が、4月から平均17%以上引き上げられました。
この店では、一部のメニューの価格を5月から引き上げることを決定。さらにビールやワイン、生ハムなどの輸入品は、円安によって高騰する恐れがあります。
赤バルRETZE赤羽店・寄木一真営業部長
「なるべく自分達の努力で原価を上げないようにずっと抑え込んでいくつもりだったが、ここにきて抑え込むのが苦しくなってきた。根本的に値段が上がるということから逃げられない」
4月に入り、食品や日用品の値上げが相次ぎ、じわじわと家計を圧迫しています。街で聞いてみると・・・。
女性(30代)
「トイレットペーパー、小麦粉、油類。気を使って安い店に行くようになった。今回はこれ買うのやめようかなとか、切り詰めることは増えましたね」
男性(70代)
「ガスも上がったもんね。電気も。500、600円違うよな。」
男性(50代)
「家庭で使うものだからそれが一番困るんじゃない?働いている人たちの給料を上げてもらわないと食っていけなくなっちゃう。それが一番思う」
■給食も値上げ「モモ肉」を「ムネ肉」に変更
宮崎県学校給食会によりますと、4月から値上げしたのは、約2000品目の食材のうち、約450品目。値上げ幅は、平均10%前後にのぼります。
こうしたことから1食あたり3円、年間600円程度値上げする方針を決めました。
宮崎市高岡学校給食センター・高井頼彦所長
「(食材は)さらにこれからも高騰しそうな感じですね。調達ルートもいろいろ支障が出ていますから、これからも大変厳しい状況だと思いますし、そういった意味では、これまでにないような大きな波になっている」
愛知県豊橋市にある給食センターでは、給食費を値上げしないために、鶏のモモ肉をムネ肉に変えたり、ふりかけを出す回数を月に2回減らしたりするなどして、コストカットに取り組んでいます。
■乳業メーカー「廃業者が出ると思います」
乳業メーカーにも値上げの波は押し寄せています。新潟県・出雲崎町にあるメーカーでは、乳牛のエサに混ぜて使用するトウモロコシなどの穀物の多くを輸入に頼っていますが、原材料価格の高騰が続いているうえ、原油高に伴い、物流コストも上昇。一方で、市場に出回る牛乳の量は、余る状態が続いているため、商品の値上げは難しいそうです。
良寛牛乳・諸橋且委社長
「苦しくなるばっかりですよね。このままだと廃業者が出ると思いますよ」
■マイホーム400万円アップ エネルギー価格高騰が全般的な物価上昇の引き金に
値上げは食品だけでなく、マイホームにも及んでいます。首都圏を例にとると、一戸建ての平均価格は、2021年9月から2022年の3月で約400万円上昇しています。
富士ソーラーハウス・大澤正美社長
「今回のウクライナショックというものでは、(制裁で)ロシアの材料が入らない。壁に使っている合板で価格が8割増しという状態です」
木材価格だけではありません。ステンレスの原料である「ニッケル」は、ロシアが世界の生産量で3位。システムキッチンなどの価格にも影響が出始めています。
第一生命経済研究所の西濱徹氏は、さらにエネルギー価格の高騰が全般的な物価上昇につながると指摘します。
第一生命経済研究所・西濱徹主席エコノミスト
「エネルギーというのは当然ながら、エネルギーそのものの価格のみならず、日々例えば生活する中においてもそうですし、物を運ぶ、ありとあらゆる面で必要になりますね。そういう意味でやはり全般的な物価上昇の引き金の要因になっていくということは避けられない」
■NYは電気代3倍「電気プラグ抜いてる」
ニューヨーク市では、発電機を稼働させるために使用する天然ガスのコスト増加などの影響で、電気代が急上昇。
ニューヨーク市民(男性)
「かなり高いよ」
ニューヨーク市民(女性)
「私の電気代は3倍よ。だから仕事に行く前に冷蔵庫以外の電源プラグを全て抜いているわ」
ウクライナ侵攻後、天然ガス生産国のロシアに対し、アメリカが輸入を禁止したことなどから、天然ガスの価格は2022年始めから3か月ですでに50%も上昇しています。
■イギリス「フィッシュ&チップス」も値上げ
ロンドンの飲食店では、ソウルフードである「フィッシュ&チップス」が値上げに直面しています。小麦が盛んなウクライナにロシアが侵攻した影響などで輸入はほぼ完全にストップ。魚や小麦粉、サラダ油など、材料の仕入れ値は、1年前と比べ、約2倍になりました。
オーナーは1食、1200円ほどで販売している店頭価格の値上げを考えていますが…。
フィッシュ&チップス店 オーナー
「この状況が続いたらもう店を閉めるしかない。何をしたら良いのかわからないよ 本当に分からないんだ」
■約20年ぶり1ドル129円台で輸入食品に影響
日本では、さらに懸念されていることがあります。
記者
「日本での取引が始まりました。為替市場129円台で推移しています」
急激に進む「円安」です。4月20日あさ、約20年ぶりに一時、1ドル=129円台をつけた為替相場。
都内にある輸入食品を扱う店ではすでに円安の影響が出ています。
輸入食品店「みどりや酒店」社長
「仕入れ価格がね 少しずつバーって上がってきているなというのは実感しています」
アメリカの長期金利が上昇している影響で、投資家たちは高い利回りを求めて、運用に有利な「ドル」を買い、金利の低い「円」を売る動きを加速させています。
この1か月あまりで15円近く円安が進行。単純計算で114円で買えた1ドルの商品がいまは129円になっています。
輸入食品店の社長
「円安が続くと必ず仕入れ価格に影響してくる。(値上げによる)輸入品離れみたいなものが進んでしまうと私どもの将来も結構厳しい」
急激な“円安”が“値上げ”という形で私たちの生活に襲いかかろうとしています。
▼TBS NEWS DIG 公式サイト https://newsdig.tbs.co.jp/
▼チャンネル登録をお願いします!
http://www.youtube.com/channel/UC6AG81pAkf6Lbi_1VC5NmPA?sub_confirmation=1
▼情報提供はこちらから「TBSインサイダーズ」
https://www.tbs.co.jp/news_sp/tbs-insiders.html
▼映像提供はこちらから「TBSスクープ投稿」
https://www.tbs.co.jp/news_sp/toukou.html
学校給食や住宅にも値上げの波 “侵攻”と“円安”さらに家計圧迫の恐れ|TBS NEWS DIG
カテゴリ一覧
スポーツ
ニュース
音楽
ラーニング
趣味
グルメ
ガールズ
ゲーム
ギャンブル・宝くじ
エンタメ
アニメ・漫画
どうぶつ