ウクライナの人たちが“戦争前の思い出”をSNSに投稿する動きが広がっています。「#beforethewar」。3人の投稿者に思いを聞きました。
■広がる“戦争前の思い出”投稿「知ってほしいのは・・・」
ウクライナ南部の町オデーサで2021年夏に撮影された映像には穏やかな日々が記録されています。
今、動画アプリTikTokには戦争前の思い出が溢れています。投稿者は避難を余儀なくされたウクライナの人たち。「#beforethewar」とともに、思い出を投稿しています。
TikTok投稿者の1人、ジジさん(23)。
ジジさんは3月3日、母親とペットと共に、キーウからトルコに避難したといいます。
国山キャスター
「どんな思いで、今回、戦争前のウクライナの動画をTikTokに投稿したんですか?」
ジジさん
「伝えたかったのは、私たちの以前の生活がどれだけ完璧だったのか。どれだけ幸せに過ごしていたのか。そしてそれをどう奪われていったのか。それが映像で伝えたかったメッセージです。映像に出ているのは友人たちですが、その中の男の子はブチャで生き残りました。ブチャで何が起きたかご存知ですよね。彼はそのブチャ出身です」
国山キャスター
「私もジジさんの動画を見て、ウクライナは非常に美しい所だなというふうに実感しました」
ジジさん
「例えばキーウではコーヒーがとても人気です。ただ散歩して、どこかに座って景色を眺める。キーウではたくさんの素晴らしい場所があります。全部説明しようとしたら時間が足りないくらい」
東部ドニプロでの思い出を投稿するのはワレリイヤさん(19)。キーウから両親が住む北東部スミに避難しました。
ワレリイヤさん
「たった1日でウクライナでの生活がガラッと変わりました。みんなが以前の生活を懐かしく感じていて、寂しがっています。戦争前の自分の日常や人々との繋がりがどれだけ大事だったのか思い出したいので投稿しています」
ハルキウ出身のマリアさん(25)はキーウからドイツに避難。避難民のためのホテルで過ごしているといいます。
マリアさん
「キーウの街が本当に好きです。特に春から初夏にかけての季節はとても美しいです」
そして冬のシーズンも・・・
マリアさん
「(動画を)ご覧のように、美しい雪でしょ。アルプスもいらないくらい。冬は雪が降るので、クリスマスシーズンは本当に美しいです」
動画を投稿した3人に質問しました。「あなたにとってウクライナとは?」
ジジさん
「世界のどこから戻ってきても、キーウでは自由の香りを感じます。その香りは他の国では感じられません」
ワレリイヤさん
「私にとってウクライナはとても優しくて、優秀な人たちがいて、私のことをどんなときも歓迎してくれるところです」
マリアさん
「ウクライナ人であることを誇りに思っていましたが、今はもっと誇りに思っています。私はこれからもアイデンティティを守っていきたいです」
■避難民を支援するさまざまな取り組み
ウクライナからの避難民たちを支援しようと、4月11日、都内では、あるイベントが行われました。
2週間前にウクライナ東部ドニプロから避難してきたという親子が参加したのは、「おにぎり作り」。
避難民の母親「おにぎりを作るのは楽しかった?」
息子「うん」
これは都内の有名レストランのシェフらが募金を呼びかけたもので、1000円以上の寄付と引き換えに避難民が作ったおにぎりを配りました。
寄付した人
「日本人ができることって募金することくらいなので」
■WEB制作依頼で自立支援 IT大国の避難民に
避難民の“自立”を手助けする支援もあります。ウクライナ西部のリビウで暮らすスラバ・イェジョブさん(33)。オンラインで話を聞いていると、画面越しから空襲警報の音が響き渡ります。
スラバ・イェジョブさん
「このように空襲警報が鳴ります。もう慣れちゃいました」
スラバさんはロシア軍の侵攻が始まってすぐ、首都キーウから母親やガールフレンドらとともにリビウに避難。それと同時に職も失いました。
スラバさん
「多くのウクライナ人が同様に仕事を探していると思います」
「避難して職を失ったウクライナ人に新たな仕事を」。そんな取り組みが日本で始まっています。アイラインや眉に医療アートメイク事業を手がける「NMT Japan」は今回、スラバさんにウェブサイトの作成を依頼しました。
NMT Japan土屋恵美 社長
「オンラインでどこでも繋がっていればお話をすることもできますし、お互い安心してお仕事はできるのかなとは思いますね」
約20万円の報酬で依頼。実はウクライナは“東欧のシリコンバレー”と呼ばれるIT大国なのです。
NMT Japan土屋恵美 社長
「私たちも支援をしてるというよりは、お互い支え合う中でプラスになればいい」
日本からの就労支援として、両者を繋げたのが大阪にあるベンチャー企業「ネクストエージ」です。日本企業からウェブサイト制作などの仕事の依頼を受け、その仕事を日本に住むウクライナ人を通じて国内外に避難するウクライナ人に紹介します。避難先でもパソコンと通信環境があれば仕事ができて報酬が得られるという仕組みです。
日本企業から仕事を受注したスラバ・イェジョブさん
「日本のみなさんとは地理的に離れていても気持ち的には近いと思っています」
(11日23:53)
「コーヒーを飲んで、ただ散歩して、座って景色を眺めることがどれだけ幸せだったか」SNSに広がる戦争前の日常と街並み 投稿者が伝えたい思い【news23】
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