29日に行われた停戦交渉。“一定の進展”があったとされる一方で、ロシア側が軍事活動を縮小するとしていた地域への攻撃も続いています。停戦交渉は前進したのか?そして停戦の行方は?ロシアの外交・安全保障に詳しい、笹川平和財団主任研究員の畔蒜泰助さんに伺います。
■停戦交渉は「いまだ3合目」
小川彩佳キャスター:
3月29日に行われた対面での停戦交渉なんですが双方一歩譲歩したかという内容も出てきましたけれども、畔蒜さんはどう受け止めていますか?
笹川平和財団 畔蒜泰助 主任研究員:
前進はしたと思うんですけども、いまだ3合目というところかもしれない。今後細かいところを詰めていくと、いろいろ課題が見えてくるんじゃないかと思います。
国山ハセンキャスター:
課題という言葉がありましたが、畔蒜さんが注目しているのが、ウクライナが要求している「新たな安全保障の枠組み」、それと「クリミア東部2州の主権」についてです。
まずこの「新たな安全保障の枠組み」について実現可能なのか。ウクライナが提案した安全保障の枠組みは、畔蒜さんによりますとアメリカやイギリスなどの国々が補償国となります。万が一ウクライナが軍事侵攻などを受けた場合に、3日以内に協議を行い、補償国が軍隊の派遣など軍事支援を行うというものです。
ただ、名前の挙がった国々見るとほとんどがNATOの加盟国です。そもそもロシアはウクライナのNATO非加盟を求めている、加盟するなと言ってる中で、この枠組みをロシアが容認するんでしょうか?
笹川平和財団 畔蒜泰助 主任研究員:
これまでの交渉でそれなりに擦り合わせてやっているのでしょうが、ロシアが最終的にこれを受け入れるのかはまだちょっと分からない。それ以上に、ウクライナとこれらの国々の関係、特にNATOはそもそもウクライナの安全保障を担保できない、ということで今回参戦を
躊躇してる中で、NATOの加盟国がウクライナの求めているものをできるのかという問題がそもそもあるんだと思います。
国山ハセンキャスター:
そのウクライナとNATOが一緒になって、例えばロシアと対峙するとなると世界大戦に広がるリスクもあるということですね。
笹川平和財団 畔蒜泰助 主任研究員:
なかなかハードルが高いと思います。
■予断許さぬクリミアと東部2州
国山ハセンキャスター:
もう一つ畔蒜さんが課題として指摘するのが、クリミアと東部2州の主権の扱いです。
▼ウクライナ側としては、クリミア半島について「今後15年間の協議で解決(武力行使せず)」。東部2州については「首脳会談で議論」といった形での解決を求めています。
▼ロシア側は、クリミア半島について「“自国の領土”と主張」したり、東部2州については、「一部を“独立承認”」したりするなど、大きな隔たりがあるように思えますが、これは解決に向かうのか、進展を見込めるのでしょうか。
笹川平和財団 畔蒜泰助 主任研究員:
まずクリミアについて、ロシアはそもそも「自国の領土である」という立場ですので、ここをまず相容れないということ。また東部の2州に関してもまず既に独立の承認をしていて、今後2州がさらにロシアへの編入に向けての動きも示している。そういう中で、首脳会談前にそういう既成事実を先に作ってしまうんじゃないか、という懸念もあって予断は許さないと思うんですね。
■「軍事行動を大幅に縮小」表明も・・・
小川彩佳キャスター:
不透明な部分がありますが、一方でロシア側はキーウなど北部での軍事行動を大幅に縮小すると表明しています。これは言葉通り受け止められるものなんでしょうか
笹川平和財団 畔蒜泰助 主任研究員:
そうですね、おそらく北部では縮小しても、ロシアが優先順位として東部はむしろ戦闘が激しくなる可能性があると思うんですね。一つのポイントは「5月9日」が第2次大戦で旧ソ連がナチスドイツを破った日で、プーチン大統領にとっても非常に重要な記念日なので、ここに向けて国内的に大きな成果をアピールするという思惑があると思うので、特に東部に関しては今後もこの路線が続いてていく、この日に向けて可能性が高いのでは思います。
(31日00:58)
専門家が解説!ウクライナ情勢 停戦交渉に“一定の進展” 新たな安全保障は?停戦の行方は?
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