侵攻開始から約1か月、ロシア軍の無差別攻撃が続いています。ロシア国防省は、極超音速ミサイル「キンジャール」の使用や、ウクライナ軍の燃料貯蔵施設を破壊したことなどを発表。“使用の真偽が確認できない”という声もあがる中、ロシア側の狙いはどこにあるのでしょうか。またロシア国営テレビでは、プーチン大統領の演説が突然コンサートの映像に切り替わる場面も。いまロシア国内で何が起きているのか。専門家と共に見ていきます。
■止まらないウクライナ侵攻
ホラン千秋キャスター:
侵攻開始からおよそ1ヶ月、ロシア軍の無差別攻撃が続いています。
井上貴博キャスター:
ロシア軍による戦争、というよりもプーチン大統領によるテロ。20日から21日にかけてわかったことをまとめます。
20日、場所はキエフ、住宅街とショッピングモールが攻撃を受け1人が亡くなりました。これはウクライナ側の発表です。
18日、アメリカ国防省高官によりますと、「マリウポリは孤立したままで激しい砲撃が続いている。ウクライナ側は市を守っている」マリウポリは、要衝としてロシア軍がかなり早い段階から手をつけようとしていた場所です。
19日、ロシア軍機による爆撃で女性、子供、ご高齢世代を含む400人が生き埋めになったと、ウクライナのゼレンスキー大統領の演説で発表がなされました。
こういったところから、ゼレンスキー大統領は「マリウポリの封鎖というのは戦争犯罪として歴史に刻まれるだろう」と痛烈に批判メッセージを世界に発したわけです。
■ロシア国防省 極超音速ミサイル使用を発表
その中で21日、各国各社各番組に注目していたのが、ロシア側の発表で最新兵器を使用しということです。あくまでもロシア国防省の発表ですので、真偽がわかりません。
19日発表、侵攻後初めて、極超音速ミサイル「キンジャール」を使った。20日の発表では軍の燃料貯蔵施設を極超音速ミサイルで破壊したと、ロシア側は発表しました。
他にも、20日発表、海の上で発射するタイプの巡航ミサイル「カリブル」を発射。首都キエフ近くの訓練施設を攻撃し、特殊部隊や外国人傭兵ら100人以上を殺害したと、ロシア側は発表しています。
■極超音速ミサイルについて
戦闘機に搭載することができます。最大速度はマッハ10(約3.4km/秒)です。これは、初速がマッハ10出るということなんです。マッハ10出続ければ、東京と大阪間を2分ほどで行くことができるそれほど速い。しかも探知迎撃が困難とされるものです。
アメリカのオースティン国防長官は、「ロシアが実際にこれを使ったかどうかは確認も否定もできない。状況を大きく変えるものになるとは思わない」と反応しています。
最新兵器使用の狙いについて、外交・安全保障政策に詳しい明海大学小谷哲男教授は、「この極超音速ミサイル「キンジャール」は、「弾道ミサイル」とも表現できるが、あえて「極超音速ミサイル」と発表したのは、ウクライナ側に新たな脅威を与える狙いがあるのではないか、これも一つ情報戦という側面もあるのではないか」と話しています。
■ロシア側の思惑
ホランキャスター:
新たな脅威を与えるために、極超音速ミサイルを使ったと発表するロシア側の思惑、状況は、どういうことが推察できますか。
笹川平和財団 畔蒜泰助 主任研究員:
キエフも、膠着状態です。マリウポリは、非常に悲惨な状況になっているわけですけども、こちらも必ずしも大きな進展があるわけではないという中で、ある種、デモストレーションという意味もあって、新しい新型兵器というのを使用したということなんだと思います。
ただ、必ずしもここで使用しなければいけない兵器だったのかというと、そうではない思います。やはり多分に、デモンストレーションという意味合いが大きいんだと思います。
ホランキャスター:
そうするとこういった武器兵器を使っての攻撃というのは、より高度なものを使用してくる可能性があるんでしょうか?
笹川平和財団 畔蒜泰助 主任研究員:
高度な兵器というのは、それを使う必然性があって、利用されて初めて意味を持つのでミサイルではなくても、おそらく良かったんだと思います。
ですから、今回、どちらかというと兵器のグレード上げていくというよりは、ミサイルを使って、デモンストレーションしたかったっていう意味合いが多分に多いんだと思います。
ホランキャスター:
田中ウルヴェ京さんは、現在の状況をどうご覧になっているでしょうか?
田中ウルヴェ京 メンタルトレーニング指導士:
(ウクライナ侵攻が)本当に長く続いてきてしまっています。情報が軍事戦略の一つであるというようなことは理解をしています。だからこそ、冷静に見たいなと思っています。情報の中でも、何が正しいかということを(判断すること)が、もしかしたら私達は難しいのかもしれない。であれば、自分にとって考察すること忘れたくないです。
例えば、なぜ今この情報が出るメリットは、ロシアにとって何だったんだろうとか、ウクライナにとってはどういうことだったんだろう、というように考えることをするためのツールであるというふうには考えたいです。
できるだけ、ロシアってこうだよねというような憶測を広げないことがしっかり理解することの大事な一つと思います。もうそれだけ、自分は不安なんだなって思います。冷静にならなきゃいけないなんて思えば思うほど、なんとなく嫌なことをいつも考えてしまう。なぜなら、お子さんたちが、大変な目に遭っているような状況の動画を見ると、やはりいろんなことを不安になる自分がいます。
■プーチン大統領暗殺計画
井上キャスター:
ゼレンスキー大統領に対しては暗殺計画が報道されてるんですけど、一方でバイデン大統領がプーチン大統領の犯罪戦争人とまで言った、プーチン大統領の暗殺計画っていうのは、どうなってるんですか。
笹川平和財団 畔蒜泰助 主任研究員:
プーチン大統領の暗殺計画というのは、もしそれが、実際にあるとしたら、それはロシア国内、誰かそれを計画している人がいるとすれば、おそらく内部で、いうことになるんだろうと思いますけども、今のところそういう情報は入ってないです。
井上キャスター:
もしあればロシア国内で、そういった意味でロシア国内でどういうことになっているのだろうか。
今にわかに注目されているのはクリミア併合の記念行事で話をしたプーチン大統領。20万人が訪れたとも言われているんですが、その演説中の一幕。
18日、プーチン大統領は、ウクライナで戦闘を続けるロシア軍兵士を勇ましく戦っているんだというふう称賛した後、ナショナリズムを鼓舞する上で一番重要とも言える発言の瞬間、その刹那にコンサート映像に切り替わりました。これは技術的なミスだったので、仕方なかったんだということを放送局としては発表しているそうですが、こんなことはあるのはなぜなのか、何が起きているのかというところが、世界中で報道されています。
これについては、どう感じていますか?
笹川平和財団 畔蒜泰助 主任研究員:
やはり技術的な問題ということなんだと思うのですが、もし、技術的な問題ではないとしたら、先日も国営放送で、番組のスタッフが、戦争反対というプラカードを持って出てきたという事件ありましたが、もしかしたら、テレビのスタッフの中にですね、意図的にこれを遮断をしたという人がいたのかもしれません。
だとすると、今回の戦争というのは、一般の世論調査とは別のところで、指示をしていない人がいるのか、ということを想像はさせるわけですけども、これだけでは、真偽はわからないということだと思います。
(21日17:41)
「極超音速ミサイル」の使用を発表 ロシア側の“狙い”と国内で起きていること
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