「ステルスオミクロン」とも呼ばれているのは「オミクロン株」の亜種とされる「BA.2」というタイプのオミクロン株です。 この「BA.2」はそれまでのオミクロン株「BA.1」と比較した場合、感染力が強いとされています。人工的に作成されたウイルスを使った動物実験の結果では感染力が「1.4倍」という結果も出ています。 また「BA.1」にはなかった肺でのウイルス検出も特徴で、「肺炎のリスク」や「病原性」の高さについても指摘されています。今後主流になることは間違いないとの見方もある「ステルスオミクロン」について、現時点の情報を専門家にききました。
日比麻音子アナウンサー:
”ステルスオミクロン”とも呼ばれている「BA.2」には、一体どんな特徴があるのでしょうか?東京大学医科学研究所佐藤佳准教授らによる研究結果をもとに、従来の「BA.1」と何が違うのかを比較します。
佐藤准教授らの研究・実験は「BA.2」ウイルスを人工的に作製しハムスターに感染させる実験であること。また、第三者のチェックを受ける前の「査読前論文」として公表された論文であることを前提として、違いを見ていきましょう。
■「BA.1」と「BA.2」の違いは?
「BA.2」の特徴として、「BA.2」は「BA.1」の1.4倍の感染力があるようです。さらに、「BA.1」は肺からウイルスが検出されないのに対して「BA.2」は肺からウイルスが検出されているため、肺炎のリスクや病原性が高く、重症化リスクが高い可能性があるということがわかっています。
一方で、「BA.2」の感染者割合が全体の約8割のデンマークの調査では3回目のワクチン接種が進んでいるという前提がありますが、「BA.1」と「BA.2」の入院リスクに差がないという報告もあります。
したがって、「BA.2」に関してはまだわからないことが多いというのが現状のようです。
佐藤准教授の研究によれば、「BA.2」は「BA.1」の亜種とも呼ばれていましたが、それぞれの遺伝子配列などが大きく異なり、「BA.1」に感染した人がその後「BA.2」に再感染する可能性があるため、2つのウイルスは全く違うものと考えて良いとのことです。
■「BA.2」のワクチン効果と今後の見通し
ワクチンに関しては「BA.1」と「BA.2」で同程度の効果があるということ。また、佐藤准教授は今後の見通しについて「今後、BA.2が主流になることはほぼ間違いない。医療現場への負担がさらに大きくなる可能性がある」と指摘しています。
ホラン千秋キャスター:
国際医療福祉大学感染症学講座主任教授・松本哲哉さんにお話を伺います。「BA.2」はステルスオミクロンと呼ばれており、従来のオミクロン(BA.1)と同じ「オミクロン」と名前が入っていますが、佐藤准教授はこの2つは全く別のものとしてみたほうがいいと話しています。今後、「BA.2」には違う名前がつくこともあるのでしょうか?
松本教授:
分類上は、あくまでもオミクロン株の中の「BA.1」と「BA.2」ということになると思います。今後、極端な変異が起これば別の名前になる可能性もありますが、基本的にはオミクロン株の中の亜種という扱いになると思います。
井上キャスター:
ワクチンに否定的な方は「感染力はよく分からない。重症化についてもよく分からない。でもワクチンには効果がある」と、ワクチンの効力だけが断定的に報じられていることについて疑問を抱いているようです。コロナウイルスの感染力や重症化について、断定できないことが多いなか、なぜワクチンの効力だけは断定できるでのしょうか?
松本教授:
ワクチン接種が進んでいるデンマークなどのデータでは、3回目のブースター接種をした方の入院比率が明らかに減少しています。このデータは「BA.1」も「BA.2」も同じように減っているということがわかっているので、ワクチンの効力という意味では同じだと考えています。
日比アナ:
「BA.2」は国内でも市中感染が確認されています。先週、東京では少なくとも2例が、また2月22日には大阪、神奈川でそれぞれ3例が確認されています。小池都知事も「BA.2にはどのような性質があるかなど今後の動向も注視していく」とコメントしています。
厚生労働省が21日に公表した空港検疫のデータによると、1月16日〜1月31日にかけて、「BA.2」の感染が確認された方は229人ということがわかっています。
「BA.2」が日本国内で広まった場合、東京都の新規感染者数(7日間平均)の推移をAI(名古屋工業大学・平田晃正教授の研究データより)で予測しました。
現在、主流と言われている「BA.1」のみに関しては、3月29日には感染者数が1万768人程になるのではないかと予測されています。一方で、「BA.2」の感染が拡大した場合、「BA.2」の感染力が「BA.1」の1.5倍と仮定すると、3月29日には1万7950人程になることが予測されます。
ワクチンの3回目接種など、さまざまな条件が加味された予測ではありますが「BA.2」が拡大した場合、3月の末には再び1万8000人程になるのではないかとAIは予測しています。
ホランキャスター:
少しずつですが、「BA.2」が市中感染で発見されるようになってきています。この状況は従来のオミクロン株(BA.1)が市中感染で少しずつ発見され始めたときと同じような経緯を辿っていくのでしょうか?それとも、ワクチン接種を進めることで状況を大きく変えられるのでしょうか?
松本教授:
「BA.1」の割合が下がり「BA.2」の割合が上がってきたデンマークのデータでは、感染者数がそれなりに増えたとしても、ワクチン接種がある程度浸透すれば重症化の割合が減少しています。
日本でも今後、3回目接種をどの程度まで進められるかが「BA.2」感染者数推移に大きな影響を与えると思います。「BA.2」の勢いが増してきた場合、感染者数増加の可能性はありますが、重症化割合が減少すれば、ある程度良い状況が作れると思います。ただ、今後の状況がAI予測通りになるかどうか、不透明な部分があると思います。
ホランキャスター:
「BA.2」の拡大が起こらないようにするためには、3回目のワクチン接種を全体の何%ぐらいまで引き上げればよいとお考えですか?
松本教授:
感染拡大を防ぐまでの影響を与えるのは難しいと思いますが、6~7割程度まで上がることを期待しています。重症化しやすい高齢者の方々は8割以上の摂取が望ましいと考えています。
(24日19:08)
第6波の収束、遠のくか・・・「ステルスオミクロン」の感染力は4割増
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