このところの感染者数は減少傾向です。「(全国の感染者数は)だいたい2月上旬にピークを越えたと考えている」との専門家の意見も出ていますが、本当にピークアウトしたといえるのでしょうか?
■アドバイザリーボード「2月上旬にピークを越えた」
井上貴博キャスター:
まずは、新規感染者(陽性確認者+みなし陽性者)数のピークアウトについて見ていきます。2月16日に厚労省アドバイザリーボードの脇田隆字座長は「だいたい2月上旬にピークを越えたと考えている」と発言しました。
<人口10万人あたりの新規感染者数(全国)>
1月26日~2月1日 433.37人
2月2日~8日 514.29人
2月9日~15日 464.39人
2月初旬から中旬にかけて人数としては減ってきています。各地の実効再生産数を見ても「1」を下回ってるところが多いということでの「ピークを超えた」という発言だったわけですが、陽性率も重要だろうということで、違う角度から東京都の話を進めていきます。
■陽性率40%でも検査数が減っている理由
東京都の7日間平均の感染者数ですが、今のところのピークは2月8日の1万8575人です。そして16日が1万5082.9人です。一方、検査数は今年に入って最も多かったのは1月28日の3万1920件。それが頭打ちとなり少なくなってきて、2月15日の時点だと1万9139.7件と2万件を下回っています。陽性率は40.7%(2月15日時点)あるということで、この先の感染者数がどう下がっていくのかというのは専門家でも見方がわかれています。
ホラン千秋キャスター:
松本さんは現状をどのように分析していますか。
国際医療福祉大学 感染症学講座主任教授 松本哲哉医師:
16日に外来をやりましたが、陽性率は80%を超えていました。予約もいっぱいの状況の中での陽性率ということなので、結局、検査を受けていない人も相当数いるのではないかと思います。それを考えると“ピークを越えた”と安心感があってどんどん感染者数が減るのかなと思うとですね、今そう簡単には減っていない。もしかしたらそのまま高止まりしているのかもしれないという状況も考えられますので、第5波の後にストンと下がったようなことはまず今回はあり得ないんだろうなと思います。
ホランキャスター:
そういった状況ですと、より多くの方が検査を受けられるのが一番良いとは思うのですが、そうならずにどんどん検査数が減ってきている背景にはどんなことが考えられるのでしょうか?
松本医師:
まずはとにかく感染者数が多すぎるということです。そして外来も予約がいっぱいで、そうすると基本的には例えば抗原検査などがすぐ入手できて使えるようになれば、そこの部分だけでもいいんでしょうけれど。なかなかそういった一般的な検査のところも枠がいっぱいになっているということであったり。抗原キットそのものがない状況で、やっぱり検査も手詰まりになりますと、なかなか診断を受けたくても受けられない人は結構今いるのではないかと思います。
ホランキャスター:
そうすると急激に感染者が減っていくというような状況を作るのはなかなか難しそうですね。
萩谷麻衣子 弁護士:
陽性率が高いということはやっぱり症状が出ている人が受けているのであって、そこまで至らない人は受けていない、あるいは受けられていないという可能性は高いですね。私の周りでもやっぱり軽症で済むというイメージがあるのか、喉の痛みや鼻の奥の痛みぐらいだったら大丈夫かなって思ってしまう方も結構いらっしゃって。でも仕事上やむを得ずPCR検査を受けてみたら陽性だったという話も聞きます。だから積極的に受けていないという方もいらっしゃるのかなと思います。
1点伺いたいのですが、フランスなどでは1日の感染者数が30万人、40万人、50万人とか出ていても医療ひっ迫は聞かないのですが、日本は感染者数が少なくても医療ひっ迫、というのは日本の医療体制が脆弱なのか、それとも海外に比べて手厚い医療をしているからひっ迫するのか、どういう点が問題なのでしょうか?
松本医師:
フランスにしても3回目のワクチン接種率はもうかなり高いんですね。そうすると感染者数は確かに増えているかもしれませんが、重症化される方はやっぱり少ないし、亡くなる方も相対的に少ないです。今の日本は3回目のワクチン接種がようやく11%に達したくらいで、そうすると今の状況で広がると重症化する割合はかなり増えてきます。特に高齢者の方ですね。なので単純に感染者の数だけではないということは言えると思います。
■埼玉で10代死亡 基礎疾患なし
井上キャスター:
埼玉県で10代後半の男性が死亡したケースについてです。基礎疾患はなく、2021年10月に2回目のワクチンを接種済みでした。2月2日に発熱。3日に40度前後の発熱があり、医療機関を受診したところ、検査で陽性が確認され自宅で療養していました。6日まで高熱が続き、そこで救急要請がなされます。血圧、血中酸素飽和度に異常がなく、症状が40度なんですが熱のみであるということで病院へ運ばれることはありませんでした。ここで初めて発生届が受理されて保健所が聞き取りを行いました。聞き取りを行った結果、軽症と判断されましたが、翌日の2月7日、容体が急変します。意識レベルが低下したということで病院を探しましたが、結局市外の病院に搬送。現場到着から搬送までがおよそ2時間でした。そして2日後の2月9日に死亡が確認されています。死因は新型コロナウイルスによる「播種性血管内凝固症候群」です。この「播種性血管内凝固症候群」というのは、がんや白血病などの患者にも発生することが多いと言われています。
ホランキャスター:
お子さんがいらっしゃる保護者の方などで、本当にこの件を聞いて心配している方がいると思うのですが。
松本医師:
10代で亡くならなければいけないというのは本当に悲惨なことだと思います。何でこういうふうになったか、もちろん状況がわかりませんので明確なことは言えませんが、こういう感染症というのは早めに対応ができていれば助かることは十分あり得るのです。これだけ高熱がずっと続くということは、コロナももちろん最初のきっかけになったかもしれませんが、コロナだけでは説明がつかない他のいろんなことが起こっていた可能性があります。それをもし早めに診断できて、早めの対応ができたらこのお子さんも助かったかもしれません。そういうことを考えると、できればどこかに最低限検査だけでもすぐできるような体制を整えることが本当は必要なんだろうと思います。
ホランキャスター:
症状が熱のみというふうに聞きますとやはり自宅で対応できるものかなと思ってしまいがちですけど、それでもやっぱり油断はできないんだなということがわかりますね。
萩谷弁護士:
町で実施しているPCR検査なども予約ができる状況ですから、積極的に受ける必要があるかなと思います。
(17日17:30)
本当にピークアウトしたの? 感染者数は減少傾向も検査数も減少
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