回転寿司やスーパーで食品ロスを減らすため、AIやデータを使う取り組みが始まっています。その最前線を取材しました。
■消費期限によって自動で変わるパンの値段
都内のイトーヨーカドー。
そこで目についたのが・・・
国山ハセンキャスター:
この一角、「あんパン」なんですけど、同じ商品なのに値段が異なりますね。B、C、D、アルファベットによって値段に差があります
実際に2種類を手に取ってみると、消費期限によって値段が変わっているのです。
これは、イトーヨーカドーなどが「食品ロスの削減」を目的として始めた実証実験。
消費期限や賞味期限をデータ管理し、期限が迫ると自動で値段が下がる仕組みなのです。
これにより従業員の手作業では限界があった細かな値下げができるといいます。
来店客からも好評のようです。
来店客:
ちゃんと自分で理解して、賞味期限が近くてもそれでも安かったらいいって感じで買えるので。安くなっているものを探すよりもこの方が買いやすいかもしれない
担当者はコンビニやスーパーの利用客がやりがちな“ある行動”を減らせるのではと期待しています。
担当者:
違う期限のもので同じ価格だと、どうしても私もそうだが(棚の)後ろから取ってしまう心理が働いてしまう。人間の性で
国山キャスター:
できるだけ(期限が)長い方がいいと考えてしまいますけど
担当者:
どこの小売業者も(期限が短い)手前が残ってしまうと最悪廃棄になってしまうこともあるので、あらかじめ価格を変えるっていうのが効果があるのではと目論んでいる
■入店時間や人数から食べるであろうすしの量をがAIが計算
一方、こちらは大手回転寿司チェーンの「スシロー」。
廃棄ロスを極限まで減らそうとしています。
その秘密兵器が、20年以上データを蓄積してきた独自のシステムです。
担当者:
どういう商品をどの程度流したらいいのか、計算によって導かれる。店長はそれに応じて、レーンに出して商品を提供している
このシステムはまず、すべての客の着席時間をカウント。人数などから客が食べるであろう「すしの量」を計算しているのです。
担当者:
お客様の食べられる胃袋にあわせて商品を提供するので、それによって廃棄が減ってきました
■AIが45日先の来客数を予測して仕入れや従業員のシフトを管理
こちらは朝食がSNSで“映える”と大人気のカフェ「築地本願寺カフェ Tsumugi」。
店員:
『18品の朝ごはん』です。
その朝食は、おかゆと味噌汁に16品の彩り豊かな小鉢が添えられています。
築地本願寺の中にあるこのカフェ。
コロナ前には大行列ができていました。
ただ、扱う食材も多いことから・・・
店長:
従来どうしても仕込みを多めに用意してしまうことで廃棄が多かった。
そこで導入したのが来客数を予測することができるAIです。
これまでに来店した客の数や気象情報などを分析し最大45日先の来店客の数を予測するもの。これにより店側は仕込む量やスタッフのシフト管理の参考に役立てられるのです。
店長:
日々の平時の時は、AIの予測精度はかなり高い(実数が)上回った場合でも1桁というブレなのでお店としてもいくらでも対応ができる状況。
その結果、この店では廃棄ロスを
5割まで減らすことができたといいます。
技術の進化で食品ロスはさらに減らしていけそうです。
■人に優しい、社会にも優しい取り組みに
国山キャスター:
宮田さん、データサイエンティストの立場から、これからの食品業界はAIによってどう変わっていくと思いますか?
データサイエンティスト 宮田裕章さん(慶応大医学部教授):
持続可能な未来というものが強く求められるなかで食品業界でも、人に優しいだけでなく社会にも優しい取り組みが求められています。
わたしも食品関連の分野といろいろな相談を受けていますが、このなかでデータ・AIを使いながら個別化をしていくということが重要なキーワードになっています。
国山キャスター:
個別化。キーワードだと思いますが改めてどういったものになるんでしょうか?
データサイエンティスト 宮田裕章さん:
例えばデータ・AIを使うことによってひとりひとりに合わせたものを提供していくってことですね。今までは体格が違うのに、朝食べたものが違うのに、同じ量が出てきてしまうと。それで小柄な人も「もったいない」という形でどうしても食べる必要があったんですが、これがデータ・AIを使うことでコストをかけることなく、ひとりひとりに合わせることができる。これは人にも社会にも優しい、両方実現するアプローチになっていくと期待されています。
(16日23:40)
AI・データで食品ロス削減 回転寿司・スーパーの最前線
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