押し寄せる新型コロナウイルスの“感染の波”に、生活に不可欠な公共サービスや行政サービスの職員は、どのように対応しているのでしょうか。その実態を取材しました。
■医療従事者70人近く欠勤
重症者を含む12人のコロナ患者が入院している千葉大学病院。
医療スタッフ:
「せきの方はどうですか」
患者:
「せきはちょっとまだ出ます」
現場でいま大きな問題となっているのが・・・
千葉大学病院 感染症内科 猪狩英俊科長:
「コロナの患者さんが職員から増えていること。そして家族の都合で出勤できない人が増えていることで、診療体制が組めなくなってきております」
コロナ病棟で感染者は出ていないものの病院全体では、医療従事者が70人近く欠勤。感染や濃厚接触に加え、子どもが通う施設の休園や休校などが影響しているといいます。さらに欠勤が増え続けると・・・
千葉大学病院 感染症内科・猪狩英俊科長:
「もう病院全体として診療を縮小していくしかないと思います。したがってコロナ(患者)の受け入れについても、制限がかかってくる可能性がある」
■図書館や博物館休館し保健所の応援に
感染爆発の中で、人命や健康に関わる分野をどう維持していくのか?対応に乗り出している自治体があります。
記者:
「杉並区の郷土博物館ですが、1月24日現在休館となっていて利用することができません」
東京の杉並区では、保健所業務の体制を強化するため、1月21日から一部の図書館と博物館の休館に踏み切りました。休館した施設の職員およそ70人は、保健所業務の応援に充てられています。
杉並区危機管理対策課 人見吉也課長:
「(応援業務は)自宅療養者がだんだん増えていますので、そういった方々への食料ですとか、物資の配送といった業務ですね」
この保健所業務の体制強化は、事前に計画されたもので感染状況によって発動します。
杉並区危機管理対策課 人見吉也課長:
「後手後手にならないように早めに応援体制を整えようといった意識が働きました」
こうした対応に杉並区民は。
「私自身、コロナに1回かかって保健所からの対応はなかったんですね。こういう対応は賛成です」
「保健所が機能しないとそれが一番困ってしまうので、仕方がないと思います」
■東京メトロは「パンデミックダイヤ」を準備
感染者が急増しても社会を止めない対策は、様々な分野で進められています。
日常生活に欠かせない、公共交通機関も感染拡大への備えをしています。
東京メトロでは、乗務員に感染が広がって欠勤者が増えた場合、平日でも運行ダイヤを土曜・休日ダイヤに切り替え、運行本数を減らす方針です。それでも支障があれば、さらに運行本数が少ない「パンデミックダイヤ」に切り替えることにしています。
東京メトロ運転部 成田喜代志さん:
「パンデミックダイヤ時の列車本数は終日に渡って(平日ダイヤより)約半減してしまうということになります」
1月24日現在、乗務員の感染者は全体の1%未満で、当面はダイヤを切り替える状況にはないということです。それでも「パンデミックダイヤ」など、非常時の措置を準備している理由は。
東京メトロ運転部 成田喜代志さん:
「社会活動を支える交通インフラとして、限られた人員で列車運行を継続させるために、事前に対応を決めております」
収集した家庭ごみなどを処理する現場にも、“いざというとき”の備えがあります。東京23区のごみを処理する清掃工場の組合です。
東京二十三区清掃一部事務組合 古舘陽総務課長:
「『応援者リスト』というものを作っています。清掃工場が止まることがないような準備をしております」
東京二十三区清掃一部事務組合では、1月24日時点で、17の清掃工場を稼働させています。「応援者リスト」には、職員一人一人が過去にどの清掃工場に勤務していたかを明記。ある工場で感染が拡大した場合に、すぐに経験者を補充できるようリスト化しているのです。
東京二十三区清掃一部事務組合 古舘陽総務課長:
「23区の街中にごみがあふれるような状況じゃないということで、準備をしておりますのでご安心いただければと思います」
人出不足を想定した数々の対策。社会を維持するための試行錯誤が続きます。1月24日に東京都が発表した新規感染者は8503人。先週月曜日の1月17日から2倍以上増え、月曜日としては過去最多を更新しました。(24日19:00)
【ここが知りたい】感染の波に公共サービスはどう対応?「パンデミックダイヤ」の準備も
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