今年8月、「アフガン戦争」の終結直前にアメリカ軍のドローンによる誤爆で罪のない子どもたちが亡くなりました。なぜ誤爆は起きたのか?遺族の話や現場取材から見えてきたのは、アメリカ軍のずさんな情報収集の実態でした。
■10人の命を奪ったアメリカ軍の攻撃が“誤爆”だった
2021年8月、首都を制圧したタリバンから逃れようと、数千人もの人たちが集まった、アフガニスタンのカブール国際空港。
そこが、自爆テロのターゲットになり市民170人以上、アメリカ軍関係者13人が死亡しました。
11月、その場所を記者が訪ねると、その爪痕が残されていました。
記者:
服とかですね、何か布のかけらが黒く焼け焦げているのが分かります。まさにここが、テロの爆発があった現場なんです。
このテロは過激派組織「イスラム国」の地域組織によるものでした。
アフガニスタンからの完全撤退を控えていたアメリカ軍は「さらなるテロのリスクがある」として行動にでます。
自爆テロから3日後、容疑者とみた男性を狙いドローンで空爆。男性や家族、合計10人が亡くなりました。
ところが翌月、アメリカ軍はこの攻撃が「誤爆」だったと発表したのです。
■「罪を犯していないのにひどすぎる」遺族男性が語る無念
記者は誤爆で家族を亡くした男性、アジマル・アハマディさんを訪ねました。
同居する兄・ザマライさんがテロの容疑者と疑われ、自宅がドローン攻撃を受けました。
亡くなった10人の親族が映る写真の中には、まだ幼い子どももいます。
アジマル・アハマディさん:
もし私たち家族が悪人でテロリストと繋がっているなら牢屋に入れればよかったのです。
何一つ罪を犯していないのに、これはひどすぎます。
見せてくれたのは、ドローンで攻撃され亡くなった、子ども達のサンダル。完全に焼けただれてしまってるものもありました。
亡くなった中には、2歳の子どももいたとアジマルさんは話します。
中庭には、黒焦げた車が残されています。今は撤去されている兄(ザマライさん)の車はさらに大破していたと言います。
攻撃は、子どもたちがザマライさんの車に駆け寄った瞬間でした。
アジマルさん:
兄(ザマライさん)が車で帰ってきた時、亡くなった子は車が大好きで、ほかの子どもたちと走って出ていきました。
壁に残っているのが、飛び出していった子供の血のあとです。
窓ガラスが全部割れていて、ここまで脳みそが飛ばされてきたのです。
部屋の中にも残る惨劇の痕。
なぜ、アメリカの支援機関で働いてたザマライさんが、テロリストだと疑われたのでしょうか?
■“攻撃”の決め手はドローン その危うさを元兵士に取材
アメリカ軍が“決め手”の1つとしたのがドローンの映像です。
アメリカ軍は、ザマライさんが車に水のタンクを積む様子を見て「爆弾を積み込んでいる」と判断。攻撃に踏み切ったのです。
どうして爆弾だと“誤認”したのでしょうか?
アメリカ空軍で長年、ドローンのオペレーターを務めていた元兵士の男性がJNNの取材に応じました。
記者:
米軍はトランクに積まれた水タンクを見間違えた?
元米軍ドローンオペレーター ブレンダン・ブライアント氏:
判別なんてできるはずがない。確信なんて持てない。それが爆弾だと思い込んだのなら別ですが。
私たちがカメラを通して人を見た場合、赤外線に映った棒のような“動くモノ”を確認できるだけ。そうした状況証拠から判断するしかない。
不鮮明な映像を元に判断した可能性を指摘しました。
さらに、ザマライさんはあの日、トヨタの白いカローラに乗っていましたが、当時、アメリカ軍は「次のテロには、白のカローラが使われる」との情報を入手していたのです。
ところが、カブールの街を取材すると・・・。
記者:
中心街の大きな目抜き通りを歩いているんですが、白っぽいクルマ、ほとんどがカローラです。走っている車の半分くらいが白いカローラなんじゃないかという印象です。
アメリカ軍が標的と定めた「白いカローラ」が溢れていたのです。
浮き彫りになる攻撃当時の不透明な状況。それにも関わらずアメリカ軍は内部調査の結果、攻撃の判断に「違法性や過失はなかった」と結論付けました。
元米軍ドローンパイロット ブライアント氏:
誤爆をした自分たちが自分で調査し、過ちは無かったと。あまりにもばかげています。
20年間の戦争は「アメリカだけの責任じゃない」。終戦間際に家族を失ったアジマルさんはそう話しますが、失った家族は、もう戻ってこないのです。
アジマルさん:
子どもたちは、全く罪がないのに理不尽です。この痛みが消えることはないのです。(24日23:50)
「アフガン戦争」終結直前に起きた誤爆の真相 アメリカ軍のずさんな情報収集の実態とは【調査報道23時】
カテゴリ一覧
スポーツ
ニュース
音楽
ラーニング
趣味
グルメ
ガールズ
ゲーム
ギャンブル・宝くじ
エンタメ
アニメ・漫画
どうぶつ