新型コロナワクチンの3回目の追加接種について、ファイザーに続き、モデルナのワクチンが特例承認されました。2回目と比べ半分の量を接種することになりますが、効果や副反応など気になることがあります。効果について厚労省は「半分の量でも十分な免疫が得られると聞いている」と説明しています。
また、副反応について担当大臣は「半分の量になるので、その分少なくなる可能性」もあるとしています。そのほか、国内でも拡がりつつあるオミクロン株に対する効果などについて、専門家にききました。
■厚労省 「交互接種」進める方針
熊崎風斗キャスター:
岸田総理が17日に示したオミクロン株への備えの3本柱のうち、1つ目に当たるポイントが「3回目のワクチン接種の前倒し」です。
医療従事者・高齢者施設の方は2か月前倒し、それ以外の接種間隔は8か月を7か月に、つまり1か月前倒しするという内容でした。ここで大事になってくるのは、3回目接種について16日に厚生労働省がモデルナワクチンの3回目接種を特例承認した点です。これまでモデルナを使っていた職場接種だけではなく、ファイザーを使っていた自治体の個別接種や大規模接種でもモデルナ使用をする、つまり1回目・2回目とは違うワクチンを使う「交互接種」を進める方針だということです。こうなってくるとやはり副反応がどうなのかなど、わからない点も出てくるかと思います。それぞれ見ていきたいと思います。
■交互接種の効果は?
まずは交互接種の有効性についてです。ワクチン分科会の資料によると、1回目・2回目ファイザーを接種した人の場合、3回目もファイザーを打つと15日後の抗体量は20倍になりますが、3回目にモデルナを打つと31.7倍になったというデータがあります。
また、1回目・2回目モデルナを接種した人が3回目もモデルナを打つと15日後の抗体量は10.2倍となりますが、3回目にファイザーを打つと11.5倍になったというデータがあります。
つまり、いずれのケースも交互接種をした場合の方が同じワクチンを3回続けて接種したときよりも抗体量が増えるというデータです。ただ、このデータは3回目のモデルナ製のワクチンを通常量で接種したケースです。今回の3回目接種は、半分の量なのですが、それで効果・有効性は大丈夫なのか厚生労働省の担当者は「モデルナ社において半分の量でも十分な免疫が得られる、また安全性なども考慮したと聞いている」と話しているということです。
井上貴博キャスター:
量の点もそうですが、今、日本は世界的に見ても突出してコロナウイルスを抑えられている。でも激減した状況というのはわからない。ウイルスについてわからないことも多くある中で、3回目接種は有効であると断言できるのはなぜなんでしょうか?
防衛医科大学校病院 感染対策室長藤倉雄二医師:
3回目接種については様々な海外の実臨床データというのが出ていまして、打つことによってしっかり抗体価があがる。あるいは実際に感染が減るというデータが報告されています。オミクロンに関してはまだこの辺りの情報が不十分なのですが、イギリスのデータではもうオミクロンに対しても有効だろうというデータが出ています。
井上キャスター:
論文でそういうものが出てきているということですね。
■3回目接種による副反応は?
熊崎キャスター:
ワクチン接種に関して、1回目2回目と副反応がつらかったという方も非常に多くいたと思います。街の声を伺いますと、「モデルナは副反応がしんどそうで打ちたくない」という声も一定数ありました。この副反応は交互接種でどう変化があるのでしょうか。
交互接種の副反応に関するデータ(ワクチン分科会の資料)によると、3回ともファイザーを接種した人に比べて、交互接種で1・2回目はファイザー、3回目はモデルナを打った人の方が▼発熱▼頭痛▼吐き気の副反応が少し多くなっています。その一方で▼倦怠感▼接種部位の痛みは3回目もファイザーを打ったときの方が多くなっているということです。ただ、こちらのデータも3回目モデルナを通常量打ったときのケースなので、今回の半分の量の接種の場合は、副反応が減ったりするのでしょうか。
12月10日、堀内詔子ワクチン担当相は「モデルナの3回目接種は半分の量になるので副反応がその分だけ少なくなる可能性も」と話していました。これはあくまで可能性の話です。
厚生労働省は「2回目と同じ程度の副反応」と言っていますから、2回目つらかったという人はもしかしたら3回目も副反応が出てくる可能性はあるという指摘はしています。
ホラン千秋キャスター:
交互接種の副反応のデータを見ると、確かにちょっとずつ違うんですけど、この差というのは体感で考えたときに、大きい違いなんでしょうか?
藤倉医師:
1回目2回目ファイザーで3回目モデルナというのは日本国内では現状ない状況ですので、なんともというところですが、感覚的には私自身も打ちましたし、我々の施設でも3回目を打っていますけれども、やはり2回目と同じぐらいの強い反応が出てくるというのがイメージとしてはあるところです。体感的にはそんなに差がないんじゃないかなというのが感覚的なところです。
■3回目接種 オミクロン株にも有効?
熊崎キャスター:
3回目接種は果たしてオミクロン株に有効なのか見ていきたいと思います。
米大統領首席医療顧問のファウチ氏は「現段階で変異ウイルスに特化したワクチン接種は必要ありません」と断言をしています。3回目接種に効果・有効性はあるということを断言しているわけです。それから、ファイザーは12月8日、研究結果を発表しました。モデルナも12月16日までに論文を発表する予定です。いずれもこの3回目接種それから交互接種の有効性を強調しているということではあります。
井上キャスター:
若新さんはどんなところが気になっていますか?
慶應大学 若新雄純特任准教授:
コロナ対策は本当に政治と行政が、うまくタッグを組まないと進まないことばかり。コロナのワクチンで言えば、国と各自治体でワクチンを打つとなって、初めてだったから行政や自治体も最初はいろいろトラブルもあったが、今はかなり環境が整っていて、さあやろうと決まったら、それはかなりスムーズに打っていけると思う。ところがそれは打ちたいもしくは打つと決めた人向けに対しては、しっかりやれるのですが、悩んでいる人がどっちなんでしょうか?どうなんでしょうか?ということを打つために用意されたチームに質問に行ってもなかなか難しいと思う。そのようにまだ迷ってる人、不安がある人、情報が欲しい人たちに対して、行政が始める前に、政治や国がこうですよと判断する材料であったり、それから打って欲しいなら、なぜ打ってほしいのかというメッセージ、あるいは判断基準としてこのようなものがあります、ということをまず、政府から政治家はきちんと伝えて、その上で納得した人たちは、速やかにその行政のサービスでどんどん打っていくという体制を、今回岸田内閣がしっかり作れるかどうか、政治と行政の役割をちゃんととそれぞれ担いながら進めていけるかどうかに僕は少し注目しています。
井上キャスター:
ずっと言われてた利益とリスクを天秤にかけて皆さん選んでください。藤倉先生、今感じていることをぜひ視聴者の皆さんにお願いします。
藤倉医師:
オミクロン株の流行がこれから始まるだろうと言われているところで、実際に抗体価が上がるなどの基礎実験のデータはたくさん出始めています。ただ実臨床のデータが極めて少ない状況で、先ほど私が申し上げたのも審査を受ける前の段階の論文ですからまだなんとも言えないです。もうちょっと結果を待ちたいところです。それから行政の方の話も出ましたが、ワクチン接種記録がまだ不十分でうまく反映されていなかったという事例も聞きますし、その辺りのところをしっかり整えて、ワクチンの体制を作っていければと思います。
井上キャスター:
総理が年内から飲み薬の提供ができるとはっきりと言及がありました。この点についてはいかがでしょうか?
藤倉医師:
これもまだデータが少ないんですが、ただもちろんその重症化抑制という面では十分な効果が基礎の部分では期待できている形になっています。100万回を超える量が確保できているということは、かなり我々にとっても大きなニュースなのではないというふうに思います。(17日17:23)
「ワクチン交互接種」副反応や効果は?専門家に聞きました
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