10月に熊本県の牧場から逃げて話題となったエミュー。実は、新型コロナ対策にも役立つ可能性を秘めているんです。大きいだけじゃない、エミューの魅力とは?
■廃校を活用してエミューを飼育
記者
「いま職員の手により逃げ出したエミューが捕獲されました」
10月に熊本県菊池市で起きた4日がかりの“大捕物”。牧場から、世界で2番目に大きい鳥・エミューが23羽も“集団脱走”したのです。
なぜ熊本県の山間で多くのエミューが飼われているのでしょうか?12月2日、エミューを飼育している菊池エミュー観光牧場を国山ハセンキャスターが訪ねました。
国山キャスター
「こちらでエミューを飼育している?」
エミュー牧場 飼育担当者
「そうですね。廃校になった小学校を活用しています」
国山キャスター
「たしかに、小学校と書いてありますね。肝心のエミューはどこに?」
運動場に近づくと、エミューがいました。
飼育しているのは、廃校の活用を目的に作られた牧場です。2020年12月から、エミュー50羽あまりを飼い始めました。
“飼育の目的”が入っているという機械の中を覗いてみると。
国山キャスター
「6つエミューの卵が入ってます。大体いつごろ孵化するんですか?」
担当者
「順調であれば年明けに雛が誕生するかなっていうところです」
■肉にオイルに エミューの秘めた可能性
この牧場は11月に、初めて産卵に成功。将来的に、エミューの畜産を1つの事業にしようと1000羽まで増やすことを目標にしています。エミューの魅力の1つが「肉質」です。高たんぱく低脂質なうえに味にクセも少なく、ヘルシーな食材とされています。さらに注目しているのが、エミューの脂肪から取れるオイルです。
担当者
「(エミューの)治癒力はすごく高いと思います。というのも1回(エミューが)大けがしたんですね。すごく血が出ていたので、病院に連れて行かないといけないと思ったんですけど、1週間ぐらいで完治しましたね。傷口がどんどん閉じていきました」
エミューの治癒力の高さが反映されたオイルは、古くからオーストラリアの先住民・アボリジニが傷薬などとして使っていました。人間の皮脂の成分に近いことから、肌に浸透しやすく、スキンケアの効果も期待できるため化粧品として人気が出始めているといいます。
エミューの魅力は作られる製品以外にも。
担当者
「運動場のところにイノシシの獣道があったんですけど、もう飼い始めた途端になくなりましたね」
イノシシなどの害獣対策にもなるというのです。専門家によりますとイノシシが来なくなるメカニズムはまだ解明されていませんが、この牧場の他にも福島県や佐賀県などで効果を発揮しているといいます。
担当者
「脱走の前のケンカとか、力が想像以上でした。(難しさは)そこだけですね。メリットだらけですね」
■新型コロナウイルス対策にも
エミューを新型コロナウイルスとの闘いに活かそうという研究も進んでいます。
生産開発科学研究所 太田光煕室長
「抗体づくりということで、エミューというものに注目したと。(エミューの)血液からワンステップで純化されたIgY(コロナ抗体)が取れてくる」
太田室長のチームが世界で初めて成功したのはエミューを使った新型コロナの抗体づくりです。ウイルスの性質を反映した、無毒なたんぱく質である「抗原」をエミューに接種すると、血液中や産まれた卵の中に抗体が作られます。これまで、この過程にはニワトリやウサギなどが使われていましたが、エミューで抗体をつくる最大の利点は何といってもその体の大きさ。1羽から採取できる血液の量はニワトリの約20倍。産まれる卵の大きさも、ニワトリの卵と比べると約10倍。従来の方法を大きく上回る抗体の量を得ることができます。
抗体が大量に得られれば、今後抗体をフィルターやマスクにつけることで新型コロナの対策により効果的な製品の開発も可能になるといいます。
記者
「ワクチンへの応用は?」
生産開発科学研究所 太田光煕室長
「可能性はあります。それは次の研究課題でしょうかね。1つのウイルスに対する抗体ではなくて、パンデミックを起こす色々なウイルスに対して抗体づくりが可能であろうと思っています」
様々な分野から“エミュー産業”に期待が寄せられています。(15日23:12)
“集団脱走”で話題のエミュー 実は驚きの可能性が!新型コロナ対策としても期待
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