イギリスでは新型コロナのオミクロン株の拡大を受けて、ワクチンのブースター接種がスピードアップされることになりました。政府は「1月末までに全成人が打てるようにする」としています。大きな役割を果たすことになる「街の薬局」にロンドン支局・あき場聖治記者がブースター接種を受けに行きました。
■ロンドン支局長“ブースター接種”レポート
ロンドン支局長・あき場聖治、50歳。12月2日、3回目の新型コロナウイルスのワクチン接種、いわゆる“ブースター接種”に臨む。前回、2回目の接種から半年と数日が経過している。
イギリス政府はオミクロン株に対応するため、ブースター接種の対象を全成人(18歳以上)に拡大。2回目からの間隔も3か月あいていればよい、とそれまでの「6か月以上」から大幅に縮小した。
また、1月末までに18歳以上全員がブースター接種を受けられるよう接種計画をスピードアップするとしていて、各地に臨時の接種会場を作る一方、街の薬局での接種も強化される。この日、あき場記者が接種を受けるのもロンドン西部の商店街の中にある地域の薬局だ。イギリスでは元々インフルエンザのワクチンなども薬局で打てるのでインフラとしては整っているのだという。
■ワクチン接種は「街の薬局」で
薬局の看板には「COVID-19 Vaccination Centre」(新型コロナウイルス予防接種センター)の文字がある。
薬局に入っていくと、奥にワクチン接種の待合所が設けられている。接種は予約制だが、事前にどのワクチンになるかはわからなかった。
前の人の接種が終わり、接種する部屋に呼ばれて入ると、テンプル薬局のサチン・パテルさんからワクチンについての説明を受ける。すらっとした長身、キマってる髪型。パテル、というのは内相と同じ苗字でインド系の人に多い名前だ。インド系の人が薬局をやっているのもよく見かける。たいていは家族経営だ。
テンプル薬局 サチン・パテルさん
「今日接種するのは『モデルナワクチン』です」
ロンドン支局長 あき場聖治記者
「OK」
パテルさん
「これまでの2回とは違いますね。アストラゼネカを受けたんですよね?」
記者
「はい、そうです」
パテルさん
「何か問題はありましたか?」
記者
「1回目の接種後24時間かそこらで熱が出ましたが、6時間くらいで下がりました」
ワクチンの準備中、いろいろ聞いてみる。
記者
「今日は何人に接種するんですか?」
パテルさん
「96人の予約が入っています」
記者
「96人ですか?1日で?結構な仕事量ですね」
パテルさん
「だいたい5分に1人のペースですね」
記者
「でもイギリス政府はもっと拡大するって言っていますよね」
パテルさん
「接種会場ももっと増やして、より多くの人が打てるようにするっていうことですよね」
記者
「1日に96人より多く打たないといけなくなる?」
パテルさん
「なるでしょうね」
記者
「対応できますか?」
パテルさん
「大丈夫だと思います。もっと打ち手を増やすことになります。私自身が打つ人数を増やすというよりは、他の打ち手が来る、ということです」
記者
「それはボランティアの人たちになるんですか?」
パテルさん
「ボランティアと医療従事者ですね。まずは医療従事者で、それからボランティアが少しです」
なお、あき場支局長、一回目の接種はボランティアに打ってもらった。彼の本業はテニスコーチだった。
そうこうしているうちに、ワクチンの準備ができたようで・・・
パテルさん
「ちょっとチクっとしますよ」
あっという間に新型コロナワクチンのブースター接種(モデルナ社製)は完了。
あき場記者の質問は続く。
■ワクチン接種を促すため、イギリス政府は“打ち手”の報酬を増額
記者
「政府の会見で1回接種ごとに15ポンド(およそ2250円)、週末だったら20ポンド(およそ3010円(打ち手へ支払う)と言っていましたが」
パテルさん
「それは今回新たに決まった(ワクチンを打つ側への)報酬です。新たな会場もできるし、増額されることになったんです」
イギリス政府は新たに接種を行うボランティアを募集するほか、薬局やかかりつけ医からさらなる協力を得るため、これまでワクチン1回接種につき12.58(およそ1890円)ポンド払っていたのを15ポンドに増額。週末の場合は20ポンド支払うこととした。
記者
「ワクチン接種は薬局にとってかなり時間と労働力の負担になりますよね」
パテルさん
「ええ、だからこそ当局は報酬を出しているんです。それ以外に我々には予算がありませんから。各種コストを賄わないといけませんからね」
記者
「予算さえ確保されれば、やること自体は構わない?」
パテルさん
「もちろん」
最後に接種の日付を書いたカードを渡されて終了。
記者
「ありがとうございました」
パテルさん
「気分は大丈夫ですか?」
記者
「ええ。15分間待機ですね?」
パテルさん
「そうです。地下に待機場所があるので、そこで待てますよ」
部屋を出て階段を降りると接種後の待機専用の部屋が用意されていた。
机の上にはベルが置いてあり、「もしなにか助けが必要なときはベルを押してください」と書かれている。具合が悪くなったら押すためのものだ。
15分の待機を終えて薬局を出るあき場記者。
「ということで、今ブースター接種を打ち終わりました。
(1回目)アストラゼネカ、(2回目)アストラゼネカ、(3回目)モデルナということで、どういう副反応が出るかわかりませんけど、1回目のときは熱が出ました。ただそれも半日くらいで下がって、2回目のときは何も副反応がなかった。ただ、今回初めてmRNAワクチンなので、それがどう出るか。
“頭痛とか発熱とか、ちょっと気持ち悪いとか、そういうようなことはあるかもしれないが、それらは非常にありふれた副反応である”というふうに渡された紙に書いてありますので、これから24時間くらい、どうなるか見てみたいと思います」
■“ブースター接種”後の経過は
翌日、報道番組に中継で出演した際は問題なかったが、支局に戻って来てから少しダルさを感じた。接種から26時間。熱を測ってみると・・・37.8度。ちょっとボーッとしてきた。そして、そこそこの腕の痛みも。この熱は夜まで続き、脚も妙にダルかった。なぜかタクアンが食べたくなった。
ただ、その翌朝には・・・
記者
「熱も下がって、頭もすっきりしています。まだ腕はちょっと痛いですけど、そんなもんです」
ということで、あき場記者の新型コロナワクチンのブースター接種は1回目の接種時と同様、発熱したものの、ほぼ半日で副反応は消えた。
※新型コロナワクチンの副反応は人によって様々です。この体験記はイギリスのブースター接種の現場をお伝えすることが主目的で、副反応についてはあくまでも記者個人の体験です。(09日19:30)
オミクロン株拡大のイギリスで記者がブースター接種を受けてきた
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