12月1日、日本国内でも2例目が確認され、世界規模で急拡大するオミクロン株。デルタ株よりも感染力が強い可能性も指摘されています。海外では3回目のワクチン接種を加速させる動きが始まっていますが、日本はどんな対応をとっているのでしょうか。専門家の見方もあわせてお伝えします。
■オミクロン株 国内2例目確認
井上貴博キャスター:
新たに2例目のオミクロン株が国内で確認されたと12月1日夕方、政府から発表がありました。11月27日ペルーから来日した20代の男性です。到着時、無症状だったようなんですが、今いる宿泊療養施設に移った後、発熱。熱が何度ぐらいなのかは発表されていません。あとは、咽頭の痛み、鼻・口・食道にかけて痛みをもよおしているということのようです。
■すでに欧州で拡大か
井上キャスター:
世界各国の状況をご覧いただきます。オミクロン株が確認されている国と地域は21です。11月30日から12月1日にかけて発表されたのはブラジル、スイス、ナイジェリアの3か国です。
ヨーロッパを中心に見ていきます。南アフリカがWHOに世界で初めて「こういった変異ウイルスがありますよ」と報告したのが11月24日です。ところがさかのぼっていくと、いろいろなことがわかってきました。まずスコットランドではオミクロン株の9人の集団感染が確認されています。アフリカ南部への渡航とは関係がないということです。特にアフリカには行っていない方の中で感染が確認されました。考えられるのが“11月20日のイベントで感染したのではないか”となると、南アフリカの最初の報告よりも早い段階で感染が起きていたのではないかということで「市中感染」が見えてくるわけです。
さらにオランダでは16人の感染が確認されています。そのうちの2例については11月19日と23日に採取していた検体から確認されたということです。このタイミングで感染が確認されるということは、南アフリカで報告された11月24日よりも早い段階で各国に入っていた恐れがあるのではないかということです。
やはり日本でもまだまだわかりませんが、市中感染というものも頭に入れながら、様々な情報に触れていくというところも大切なのかもしれません。
■感染力は強い?ワクチンの効果は?
井上キャスター:
そしてまだわかっていないんですが、まず感染力について南アフリカの国立伝染病研究所は「感染力はデルタ株を超える可能性」と言っています。やはり感染力が強いと考える方が良さそうです。ただ、▼ワクチンや感染で得た免疫の効果や▼他の変異株より症状が悪化するのかどうか、についてはまだわかっていません。4週間以内にわかる見通しです。デルタ株を駆逐してオミクロン株が広がるだろう。でも、症状がどうなるか、毒性がどうなるのか、そのあたりは注視していく必要がありそうです。
WHOは、60歳以上でワクチンを受けていない人や基礎疾患のある方などリスクの高い人は流行地への渡航を延期すべきだということを11月30日の段階で発表しています。
ホラン千秋キャスター:
「オミクロン株」という名前が付くまでは、デルタ株の次にミュー株が来るんじゃないか、いやラムダ株じゃないかなど様々な変異株が取り沙汰されましたけれども、オミクロン株というのはその中でも特別な変異をしている株というふうに考えるべきなんでしょうか?
東京歯科大学市川総合病院呼吸器内科部長 寺島毅医師:
そうですね。より懸念した方がいいと思いますが、これまでもいくつか変異株が出てきましたけれども、幸いさほど世界に広がったり、これほど早くいろんな国で見つかることがありませんでした。この南アフリカでの、デルタ株を凌駕している速さであるとか、一旦わかってから判明している国の数、そして今後も更にそのような国が増えてくるということもありうると思いますから、そういう意味では、今まで最強の広がりやすさと思われたデルタ株を上回るという可能性を持って、やはりいくつか出てきた中でも、より注意というか、特別視してもいいのかなと思います。
ホランキャスター:
南アフリカで初めて報告されるよりも前にスコットランドで感染していたのではないかという報告などもあります。無症状ということも考えますと、もうオミクロン株は、今確認されている国や地域も含めて、それ以外でも市中で感染が始まっているというふうにお考えですか。
寺島毅医師:
そうですね。国全体ではありませんけれども、今判明してる国の局所では既に市中感染が広がったりということもありますし、さらに今まだ確認されていない国や地域でも今後わかってくるケースが出てくるのかなと思います。
ホランキャスター:
無症状がいいということではないですけれども、重篤化しないような株であってほしいなというふうに願いますよね。
オンライン直売所「食べチョク」代表 秋元里奈さん:
まだそこのところがわからない状況なので、どちらも想定できるような形で動いていく必要があるかなというのは感じます。経済の観点で言うと、やっぱり年末年始は大きいイベントや動きがありますので、そこに向けて準備している事業者も多くいると思いますし、個人としても帰省を楽しみにしていたりする方がいらっしゃると思うのですが、2020年はそれこそ通常の年末年始ではなかった中で、2021年はできればこの落ち着いた状況のまま迎えたいというのが、皆さんそこは同じ気持ちだと思うので。警戒をちゃんとして、いつも以上に換気をするとか、日頃の感染対策をしっかりやっていくということに尽きるんじゃないかなと思います。
ホランキャスター:
2年近く会えていないという方も多いでしょうしね。
■国内で確認 政府の対応は
井上キャスター:
そういった中、日本政府としてはかなり思い切った水際対策に打って出ているというところで、政府の対応、発表されている情報をお伝えします。
1例目の方は30代の男性でナミビア政府の外交官であることがわかっています。2回目のモデルナワクチンを7月に既に接種済みだったということです。現在、医療機関で隔離措置が取られています。この飛行機に乗っていた方々ですが、今回は特例として、その飛行機内にいた方は全員濃厚接触者として扱うこととなりました。▼自宅か宿泊施設で待機▼2日に1度検査▼アプリで所在確認などを求め、協力が得られない場合は早めに名前を公表するという措置をとっています。そして70人のうち40人が東京都内在住の方ということで、都が宿泊療養施設へ入ることを要請しています。こういったところは、政府と自治体の連携がとられているということのようです。
■ワクチン3回目接種加速へ
井上キャスター:
ワクチンの3回目接種が、海外ではスピードアップしています。アメリカでは11月29日にバイデン大統領大統領が「あらゆる変異株に対する最善の手段はワクチン接種。そして3回目接種をすること」と話し、CDC(疾病対策センター)は、18歳以上の全ての人が3回目接種を受けるべきであると強く提言しました。
イギリスでもジョンソン首相が11月30日に「オミクロン株への最大の防御策はワクチン接種だ」と述べ、3回目接種について対象を「40歳以上」から「18歳以上」と大幅に広げました。そして接種間隔についても6か月から半減させ、3か月でも推奨するというところまで大きく踏み込んでいます。来年1月末までに希望者への接種完了を予定。ただ、海外は今既にもう流行状況ですので、日本とは今の状況が違うというのを頭に入れながら、3回目についてどう考えていくのかということなのかもしれません。
ホランキャスター:
3回目というのは、これまでと違って本当に必要な方だけが接種するということでもいいのではないか、という議論もありましたけれども、オミクロン株の出現によって事情が変わってきたんでしょうか?
寺島毅医師:
そうですね。より広がりやすいとかいうことを考えると、より積極的に接種を考えてもいいのかなと思います。3回目接種がオミクロン株にどのぐらい効果があるのかというデータはまだありませんけれども、例えばベータ株あるいはデルタ株などこれまでの変異に対しても、程度の差はあっても、3回目接種によって抗体価の上昇や発症の予防効果があるということが示されていましたから、やはりそういう結果を見ると、3回目接種をして免疫をより強化しておくことが、オミクロン株が仮にまん延しても、少なからず予防効果の増強になるのではないかと思います。(01日17:08)
「オミクロン株」世界で拡大・・・日本の対応は
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