中国の前副首相から性的関係を強要されていた事をSNSで告白したとされたあと、安否が懸念されていた中国・女子プロテニスの彭帥選手。
なぜIOCのバッハ会長が彭帥選手と会話したのか?IOCの狙いにはどんな事があるのか?またなぜ彭帥選手本人ではなく、中国共産党系メディアが彭帥選手の動画を投稿するのか?中国側の狙いなどを詳しく解説します。
南波雅俊キャスター:
安否が心配される中国の彭帥(ほうすい)選手、新たな動きが出てきました。
まずこの彭帥選手、かつてはウィンブルドンや全仏オープンでも優勝したことのある、世界の中のトッププレーヤーの1人(テニス女子ダブルス・元世界ランク1位)です。
この彭帥選手が11月2日、張高麗(ちょうこうれい)前副首相に性的関係を迫られたことをSNS上で、実名で告白したとみられる投稿をしたわけなのですが、その投稿の約20分後に削除され、その後消息不明になりました。
テニス界からは様々な心配の声が上がっています。
大坂なおみ選手も「彭帥選手と彼女の家族が無事であることを祈ります」とツイートしています。
その一方で、中国国内ではこの問題一切報道されていません。さらに彭帥選手のSNSも閲覧できない状態になっています。
中国外務省の報道官も、記者からの質問に対して「把握していないし、外交問題ではない」と明言を避けています。
そんななか11月21日未明、IOCのバッハ会長がテレビ電話を彭帥選手としたという様子をIOCのホームページの写真で公開をしているという状況なんです。
井上貴博キャスター:
バッハ会長と習近平国家主席はある程度近しい間柄にあって、両者ともオリンピックを開催したいという利害関係で一致している。
テニス協会はいまだにこの選手との連絡を遮断されているのに、今回は連絡が取れた。何か疑念が深まるばかりだなという気もします。
田中ウルヴェ京さん(メンタルトレーニング指導士・IOCマーケティング委員):
憶測にしかならないのですが、どのような経緯があってということが一つ一つの全てのこと、何もわからないんですよね。
例えばIOCのバッハ会長のこの動画も、IOCの公式の発表では「スイス・ローザンヌにいるIOCアスリート委員長と、中国にいるIOCの委員が動画を始めた」というような経緯があった、というように報道はしているので、なぜバッハ会長がそこに入ってきたかというようなことも書いてはいないので。
もちろん我々は「本当はどういうことになったんだろう」ってことはもちろん、全てのことを知りたいわけですよね。
ホラン千秋キャスター:
少なくとも外部の人と連絡、コミュニケーションを取れるような状態にいるということを「良し」と見るべきなのか。
それでもやはりまだ危ないんじゃないか、不安は払しょくされないというふうに見るべきなのか、どちらなんでしょう。
田中ウルヴェ京さん:
いろいろ憶測をしてしまうと、やっぱり不安でしかないなというふうに感じるというのはテニス協会の方々のお話ではありますよね。
南波キャスター:
まさに外交問題やオリンピックの開催に関する大きな問題に今広がってきているこの問題、3コマで見ていきたいと思います。
■世界中から問題視する声
世界でも問題視されています。
まずはアメリカのホワイトハウス・サキ報道官です。
「中国は批判を一切容認せず、声を上げた人々を沈黙させてきたが、我々はそのような行為を非難する」ということで、中国政府を強く批判しました。
その一方で、WTA(女子テニス協会)のスティーブ・サイモンCEOです。
WTAというと大坂なおみ選手も参加している、非常に大きな世界のテニスのツアーなんですけれども、「性的暴行の疑惑が検閲され、隠蔽されていることを懸念している。中国との関係は岐路に立たされている」ということで、中国で大会も行われていますが、その大会の今後の存続についても、どうなるかわからないということを示唆するコメントをしています。
その一方で、アメリカに本部がある国際的な人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチは「アスリート、スポーツファン、そしてオリンピックのスポンサーは彭選手のために声を上げ、その影響力を行使すべきだ」と言論弾圧も含めたことに対して抗議を行っているという状況なわけです。
■なぜバッハ会長が登場したのか?その狙いは?
そして気になるのはやはり、なぜバッハ会長が登場したか、その狙いは、というところなんですが。
スポーツライターの小林信也さんによりますと、このまま事態を放置しますと、政府の首脳などが中国に行かないという、いわゆる外交的ボイコット。
それから選手たちがボイコットをしていく恐れもあるのではないか、ということで、自らが登場することで早めに手を打って国際世論に「解決した」と訴えたかった可能性があるというふうに、小林信也さんは話しています。
それからIOCからしますと別の思惑もあるのではないかと。
そもそもオリンピックの開催というのは毎大会、中国企業のスポンサーに大きく依存しているという点。それから北京オリンピックの中止を避けたいという考えはIOCも中国も一致している。
だからこそ「ここでしっかりと火消しをしておこう」というバッハ会長の狙いもあるのではないかという声です。
そしてこのバッハ会長の行動について小林信也さんは「彭選手の安否は確認できたのかもしれないが、人権問題、性的強要もそうですし言論の弾圧も含めたこういった人権問題は解決していない。さらなる反発を招く恐れもある」ということで、IOCが政治介入したという印象を与えて、今まで以上のボイコットやスポンサー離れ、そういったことを招く恐れもあるのではないかというふうに見ています。
井上キャスター:
中国で人権がないがしろにされているとすると大変な問題であると、国際社会の強い危機感を共有していると思うのですけれど、ウルヴェさんはIOCの委員でもいらっしゃいます。
IOCの組織として、この一連の問題というのはどのくらい問題意識が共有されているのでしょうか、今の現状として。
田中ウルヴェ京さん:
私は下々なので、あまりトップの皆さんのことはわからないのですが、ただヒューマン・ライツ・ウォッチとはIOCは本当にいろいろ資料などを共有したりして、特にIOCにお金を出している企業のスポンサーの皆さんがどのように動きをするかということはもちろんとても大事なことなので、当然今世界中で人権、ヒューマンライツですよね。
人権に関しての発言だったり行動だったりそれから将来性だったりということは、本当に大事にする部分ではあるので、そこはもちろん当然IOCもしっかり考えなければいけないことですし、ここはもうちょっと様子を見ないと、少しわからないなというところではあります。
ホランキャスター:
実際にこういったことを受けてスポンサーが離れてしまうということもありうるんですか?
田中ウルヴェ京さん:
当然企業の皆さんはご自身での責任がありますので、そのことは考えうることですよね。
ただちょっとここは見えないですけれど、中国がやはりIOCをもちろん使いたかったということは当然あるかと思いますし。
井上キャスター:
本当にこの国でオリンピックやっていいんだろうかという議論に発展しかねないわけですよね。
田中ウルヴェ京さん:
特に人権問題ですね。はい。
■中国側の動きと、その狙いは?
南波キャスター:
それからこの中国国内でも様々な動きがあるんですが、まず中国共産党系メディアの「環球時報」編集長が次々とツイッターに投稿しています。
21日に投稿されたものでは、彭帥選手とコーチや友人が談笑している動画なんですけれども、その中で友人あるいはコーチが「明日は20日でしょ」というふうに声をかけたところ「21日だよ」と、また友人あるいはコーチが答えたという動画があります。
これはまさに日付を強調して「彭帥選手は現在、安全ですよ」というところを強調したい狙いがあるのではないかということです。
中国情勢に詳しい神田外語大学の興梠一郎教授は「中国の国民に見られないよう、ツイッターを使って海外への火消しを行っている」
国内では一般の国民はツイッター見られませんから、海外に向けての火消しも行っているという声がありました。
それから彭帥選手、告発したとされる文章を投稿したタイミングにも一つ注目です。
興梠教授によりますと、この告発されたとされる投稿があったのは、中国の重要会議の6中全会の直前、6中全会は今月8日から始まりましたから、その直前に投稿されたということです。
習近平国家主席とこの張高麗前副首相は対立関係にあるということで、反抗する勢力を威嚇して、そういった政治的な思惑の可能性もあるのではないかと。
様々な思惑が渦巻いているというような声もありました。
井上キャスター:
いずれにしても中国が火消しに躍起になるほど、証拠が出てくるほど、証拠とされるものが出てくるほど、疑念が深まるなという印象があります。
田中ウルヴェ京さん:
そうですよね。彭帥さんが、本当に彼女の人生が、どのようになっていくかっていうこのことを、しっかり見られる機会があるといいなと思います。
ご無事を、無事だというふうにおっしゃってますけれども、本当に心身ともにご無事かどうかということは気になるところですよね。(22日17:22)
“消息不明”とされていた中国・女子プロテニス選手がIOCバッハ会長とテレビ電話で会話、なぜ?
カテゴリ一覧
スポーツ
ニュース
音楽
ラーニング
趣味
グルメ
ガールズ
ゲーム
ギャンブル・宝くじ
エンタメ
アニメ・漫画
どうぶつ