新型コロナウイルスワクチンの子どもへの接種については様々な議論がありますが、ある調査によると、保護者の半数以上が「しばらく様子を見てから接種させたい」と答えています。大人や12歳以上に比べて、比較的、感染リスクが低いとされる11歳以下への接種。どのように判断すればいいのか?専門家にききました。
■ワクチン分科会5~11歳への接種の議論開始
南波雅俊キャスター:
5歳から11歳の子供たちへのワクチン接種の議論が15日から始まったわけですけれども、アメリカのファイザー社では5歳から11歳への治験を行いました。対象は2268人、具体的にはワクチンの量を12歳以上の1/3にして3週間あけて2回投与します。そうすることで発症を防ぐ有効性が90.7%、9割を超えているということになりました。(16歳以上の調査では約95%)
こういった有効性も認められている中で、海外の状況はどうなっているのか見ていきたいと思います。
■5~11歳ワクチン接種海外の状況
・アメリカ
アメリカに関しては先月すでに承認されていましたが、CDC=疾病対策センターが今月の2日、接種推奨としまして、その後接種がもうすでに始まりました。
・イスラエル
ワクチン接種に早くから積極的だったイスラエルに関しては、元々はこの5歳から11歳に関しても基礎疾患がある子どもなど限定的には認めていたんですけれども、その限定を取っ払いまして、もう今月の10日、保健省が承認したという段階になっています。まだ接種は始まっていません。
・カナダ フランス ドイツ
先月承認申請が行われていますがまだこちらは承認までは至っていないという状況です。
・中国
6月から中国製のワクチンを3歳から打っていいよということで承認されていました。つい先月、北京で接種が始まったという状況になっています。
■子どもの感染状況
・アメリカ
子供たちのこれまでの感染の状況を見ていきたいと思うんですけれども、まずはアメリカです。5歳から11歳の陽性者は累計で約180万人。そのうち入院した人が8622人、死亡が143人、180万という分母からしますと少ない数字かもしれませんが、それでも一定程度、重症化したり死亡する人がいるということで、アメリカでは接種が始まっているということなんです。
・日本
日本ではどうなのか。5歳から11歳というデータがなかったので、10歳未満というところで絞って見ていきますと、累計でこれまで9万3901人が陽性者ということになっています。これは全体の5.5%。厚生労働省が発表しているデータでは重症化する割合というのは0.09%。そして死亡は10歳未満に限っては1人もいないという厚生労働省の発表になっています。
そんな中、16日に後藤茂之厚生労働大臣は「5歳から11歳までの子どもに対する接種について引き続き議論してまいります」と閣議後の会見で話しました。
■子どもへの接種をどう考えればいい?
ホラン千秋キャスター:
子供に対する接種に関しては、その必要性があるのかどうか、打った方がいいのか打たないほうがいいのかと悩んでらっしゃる保護者の方もいると思うんですけれども、子供が打つことのメリットというのはどんなところにあるんでしょうか?
インターパーク倉持呼吸器内科院長 倉持仁 医師:
実際にデルタ株では、乳幼児などでも実際に私の病院でも入院した方がいて、しばらくはご飯が食べれなかったりとかですね心配な状態でした。幸い肺炎等は起こさなかったのですが、やはりまずきちんと正しい各国の情報を丁寧に説明するということ。それから今度流行るであろう株を早期に発見して、そしてそういったことに対してどのくらい効果があるんだとかっていう、前向きな検証体制っていうのを作っていただく必要があると思いますね。
ホランキャスター:
そうするとちょっとは様子を見たほうがいいということなんですか?
倉持医師:
各国で先行しているデータがあるわけですから、あるいは日本でも10代のデータがあるわけですから、そういったところを丁寧にまず国民に向けて説明をしていただきたいと思いますね。
井上貴博キャスター:
そのデータの部分で、海外では子供の感染が広がっている国もありますけれども、日本はいまありました通り極めて少ない、しかも重症化率がゼロに近いというところで、倉持先生ご自身一人の親として一人の医者として、どう考えますか?多くの親御さんが慎重に考えるのも自然だろうなと考えますけども。
倉持医師:
それはその通りだと思います。やはり何か副反応が強くでるのは当然良くない。一方、ワクチンを打たないことでコロナに感染して1人も子供の命を失ってはいけないんです。非常にここは難しい問題なんですが、まずは慎重にですね、データをきちんと解析していくっていうことから始めるべきだと思いますね。
■5~11歳への接種 保護者に聞いてみると
南波キャスター:
親御さんたちの意見もデータでまとめています。5歳から11歳への接種、保護者の方に聞きました。これ野村総研のアンケートなんですが、保護者1953人を対象にしました。
・すぐにでも接種させたい・・・12.9%
・しばらく様子をみてから接種させたい・・・53.5%
・あまり接種をさせたくない・・・25.6%
・絶対に接種させない・・・8%
SNS上では「本人が拒絶しなければ受けさせる」といった声や、「親としては有効性よりも将来に負の影響がないか確認させて欲しい」「あんな強い副反応を子どもにと思うだけで怖すぎる」という声もありました。
それから実際私も先週ですね、5歳のお子さんを持つ親御さんに取材をしたところ、やはり周りが打ち始めないとちょっとまだ不安だなとか、どういう影響があるか不安だなという声、街の皆さんもそういった声が実際にありました。
■ワクチンの副反応(2回接種後)
気になるワクチンの副反応についてファイザーの治験のデータなんですが、16歳~25歳と比べると5歳~11歳の方が全体的にこの副反応に対する数字というのは少なく、低くなっています。
特に38度以上の発熱では
5~11歳・・・6.5%
16~25歳・・・17.2%
となっています。
ホランキャスター:
比較的子供は副反応が出ずらいということが数字から分かりますけども、一定数、このワクチンを打ち始めてまだ時間が経っていないので、将来の不安というのを掲げる方というのは非常に多いと思うんです。この、将来悪い影響があるんじゃないかと思っている保護者の方には、どういうふうに倉持さんはお話されますか?
倉持医師:
ワクチン自体はですね、必ず問題になるのは、長期的な何か良くない副反応が出た場合なんですね。そういったことというのは、どのワクチンでも一定数そういった副反応というか後遺症が残るようなケースというのは報告されています。
一方医学というのはですね、こういう新しい技術が出たものに対して、またそれに対策をして対応をできる場合がほとんどですので、きちんと国が責任をもってバックアップをしながら粛々とワクチン接種を進めていくというのが大事だと思います。
井上キャスター:
リスク0はありませんし、基礎疾患のある方もいるということで、同調圧力はやめにしたいと思います。(16日18:45)
【解説】ワクチン5~11歳への接種議論開始、保護者の意見は賛成?慎重?
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