国会議員に毎月100万円を支給する「文書通信交通滞在費」。10月31日の選挙で当選した新人議員にも10月分が満額で支払われました。たった1日で100万円を受け取れる・・・“国会の常識”に批判の声があがっています。
■議員になって1日でも100万円
日比麻音子キャスター:
「文書通信交通滞在費」10月分の100万円が満額支給されました。今回初当選となった日本維新の会の小野泰輔衆院議員は「私の当確が出たのが11月1日の午前2時半ですので、10月に関しては自分の中でも議員の身分は発生していない、そういう方がたくさんいると思う」と話しています。
実際に今回の衆院選で当選した新人議員が97人います。10月31日に選挙がありましたので、この日から議員ということになるわけですけれども、新人の皆さんに対しては、歳費(給料)は日割りで約3万円が、そして文通費は満額100万円がそれぞれ支給されていますので、合わせて約1億円が支給されたということになるわけです。
ではなぜこの文通費だけ満額支給されたのか、衆議院事務局に聞いてみたところ、文通費に関しては、日割りの仕組みがないそうです。ですのでその月に任期が1日でもあれば1か月分が満額支給される仕組みになっているということなんですね。
日本維新の会副代表の吉村洋文大坂府知事は14日にツイッターでこのような言葉を残しています。
「経済的弱者の救済を!」と声高に叫ぶ政党も、結局、自分達の厚遇に関しては、みんなで仲良く下向いて知らんぷり。
井上貴博キャスター:
民間企業の当たり前が政治の世界に取り入れられるというのは大賛成ですが、これまでも幾度となくこの文通費というのががおかしいと言われてきた中で基本的に変わらず今に来ていると。
田中ウルヴェ京さん(メンタルトレーニング指導士):
私知りませんでした、。仕組みなんだっていうふうにおっしゃってましたから、仕組みとしておかしいのであれば、やはりそれは直していくべきということになろうかと思いますが。でも多分理由があると思うので、なぜ必要なのかその辺りはちょっと知りたいですよね。
ホラン千秋キャスター:
いつも野党が声を上げるみたいなことがありますけれども、これにいたっては与党・野党関係なく皆さんに支給ということになると、声を上げると自分たちも身を切らなきゃいけなくなるっていう部分もあるんでしょうかね。
井上キャスター:
ってふうに見えちゃう。もちろん必要経費はあると思うんですよね。だったら領収書でいいんじゃないですかという感じはしますが。
■そもそも「文書通信交通滞在費」とはなんなのか
日比キャスター:
そもそもこのお金とは一体何なのかというところから見ていきたいと思います。なぜ100万円なんでしょうか?実はこのお金、金額や名称が徐々に変わってきています。
1947年 「通信費」125円
(今の物価に換算すると2万5000円~3万円くらい)
1963年「通信交通費」10万円
1974年「文書通信交通費」35万円
1993年「文書通信交通滞在費」100万円
この100万円に関しては非課税です。さらには、報告や公開の義務はありません。ではなぜ、領収書はいらないんでしょうか、報告の義務はないんでしょうか?TBS報道局の遊佐勝美政治部長によりますと「国会議員の正当な活動に使われるのが前提なので」という話がありました。さらに元衆院議員の金子恵美さんに伺ったところ、真面目に政治活動をしていれば100万円というのは足りない額だということです。ただ、政治家にとっては都合の良い制度ですね、という指摘もありました。
実際に金子さんがどのように使っていたのか伺ってみたところ、ネットの通信費用であったり、手紙を送る際の切手代であったり、印刷する紙を買ったり、といったことに使うそうで、月によっては100万円では足りないという月もあったそうです。ただ以前こんな話も聞いたそうです。実際この報告公開の義務がありませんので、議員によって用途が結構バラバラなんだそうです。ある議員は秘書を3人抱えていて、例えばその手当にこのお金を充てたり、事務所の経費に充てたり、用途によってはちょっとバラバラなところがあったということです。
井上キャスター:
でもそういう用途も認められているということでいいわけですよね?
日比キャスター:
そうですよね。やはり公開の義務はありませんし、またこういった“文書通信交通滞在”に関するお金であれば使っていいということになりますからね。
田中ウルヴェ京さん:
そこですよね。額というよりは、なぜ領収書が必要でないのかということがとても疑問ですよね。真面目に働いてるのであればもちろん当然その領収書があるわけですよね。
ホランキャスタ-:
1か月で100万円必要であれば多分支給しても問題ないんだと思うんですけど、1日、それも数時間で100万円というのはどうなのかっていうところは確かにあるんでしょうね。
■歳費は日割りなのに・・・
日比キャスター:
ではなぜ今回満額支払われたのかというところですよね。実は2010年にこんなことがありました。参院選の直後です。新人議員が当時6日しか勤務していなかったにも関わらず、歳費・文通費がそれぞれ満額支給されたということがあったんです。それに関して、やっぱりおかしいんじゃないかという議論が起こったそうなんですね。結果として2011年から歳費に関しては日割りで支給されるということになりました。ただ、文通費に関しては、万額(月割)の支給ということになったそうなんですね。
井上キャスター:
ここが不思議なんですけど、歳費も文通費もどちらも俎上に乗せられて議論したはずなのに、結果的には歳費だけはルールを変えましょう。文通費はそのままにしましょうと?
日比キャスター:
ということになったんです。ではなぜ議論が進まなかったのか、これ本当に疑問ですよね。元衆院議員の金子恵美さんによりますと、文通費に関しては国会議員からすると“もらって当選だ”という意識があるそうで、問題意識すらないのではないかということでした。ですので今回1日だけで満額100万円というのはさすがに違和感だと、一刻も早く日割りという仕組みを作るべきだとおっしゃっています。
井上キャスター:
実際今回、日本維新の会の小野泰介衆院議員が声を上げたことで明るみに出たわけですけど、それまでは何事もなかったかのように与野党の議員がそのまま受け取っていたということになるんです。
田中ウルヴェ京さん:
要するに、内部で本当にもらった方が言ってくださらないとわからないことだったということですよね。
井上キャスター:
あとは身を切る改革といえば議員定数削減も進んでいませんし、議員の定年制も進んでいませんし。
田中ウルヴェ京さん:
その辺は本当に、何が課題かということは内部の方が一番知っているので、そういう方々がより良くなるために何が必要で何が不必要なのかということは一番ご存知ですからね。
ホランキャスター:
困ってる国民の生活を支えるために「バラマキだ」と一部批判されることもある経済対策、もしするのであれば、その財源をどうするんだって必ずいつも話題になると思うんですけど、こういうちょっとずつ見直した方がいいんじゃないかなっていう部分を見直していく中で少しずつ出せないのかなというふうに思っちゃいますよね。(15日17:57)
【解説】国会議員に毎月100万円を支給「文書通信交通滞在費」の実態とは?
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