アメリカ軍の完全撤退から2か月が過ぎたアフガニスタン。イスラム主義組織タリバンが実権を握る中、懸念される女性の人権問題を含め、人々は、どう暮らしているのか。JNNの取材チームが今月、初めて首都カブールに入り、現地の最新状況を取材しています。
アフガニスタンの首都、カブール。国連の車両などが行き交います。タリバンの旗が掲げられています。
記者
「保健省のまさに真向かい、木陰の向こう側がいわゆるタリバンの軍病院で、そこで先週、自爆テロがありました。見ていると、周りの方、一般の方々が生活している基盤で『イスラム国』によるテロが起きているんですね」
現場の近くには、アフガニスタンの支援を続け、2年前、凶弾に倒れた中村哲医師の肖像画がありました。
記者
「この花のすぐ脇に中村さんの肖像画があったのですが、今は消されてしまっています」
市民
「いつも、ここを通ると彼の貢献を思い出していた。私たちの国は彼の存在のありがたさを分かっていなかった」
65万人の命を繋いだと言われる中村さんの記憶を消そうというのでしょうか。アフガニスタンの状況は今も極めて深刻で、国連によると、3800万人の人口の97%が貧困ラインを下回ると試算されています。道ばたには少しでも現金を得ようと、即席の市場ができていましたが、売られていたのは・・・
記者
「蚤の市みたいににぎやかに見えますが、売っているものは全て家財道具」
普通のマーケットには首都ということもあり、潤沢とは言えないまでも、色とりどりの野菜や果物が並び、買い物客の姿も見られましたが、話を聞くと・・・
「商売は悪くなかったけど、タリバンが来て全くダメになった」
「いまの『タリバン政府』と外国の関係が悪すぎる。だけど海外資産の凍結が解除されれば多くの人が助かるはずだ」
タリバンへの資金の流れを寸断させるため、アメリカは中央銀行の資産、およそ1兆円を凍結。影響を受けるのは市民たちですが、JNNの取材に応じたタリバン幹部は、「いかなる制裁も政権への打撃にはならない。タリバンは持ちこたえる」と主張しています。
アフガニスタンの首都、カブールからお伝えしています。私たちは安全管理上、できるだけ目立たないように、一般市民が着用する民族衣装を着て取材にあたっています。こちらは午前7時を回ったところですが、カブールは標高がかなり高くて気温は4度前後と、かなり寒いです。アフガンの一部地域では、すでに氷点下を記録していて、暖を取る薪すら賄えない家族が出てくるなど、緊急の支援が求められています。
そして、米軍の完全撤退後、タリバンによる本格的な統治が始まってから2か月あまりが経ちましたが、女性活動家が殺害されるなど、多くの女性は今も命の危険に直面しながらの生活を強いられています。今後、私たちは栄養失調で死の淵に追いやられている子どもたちの姿や、活動を制限されている女性などへの取材を進めていく予定です。
タリバンは「人権を守る」と強調していますが、この約束が実際どこまで実行に移されるか、メディアの取材を通じて継続的な検証が求められています。(09日11:42)
タリバン統治のアフガニスタン 混迷するカブールの今を取材
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